11、初めてのお仕事
いつも読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
今作も楽しんでいただけると嬉しいです。
「ライラちゃん、こんばんは。今日も疲れたわ…」
「はい、シーラさん、お疲れ様です。こんばんは」
「今日は2名なんだ。奥の席いいかな」
「はい、もちろんです。どうぞ」
開店するなり続々とお客さんが入ってくる。
お客さんを捌いていくライラさんをすごいと眺めている場合じゃない!
私も仕事をしなければ。
でも、何すればいいの?
「マリーさん、私は何をすれば?」
カウンター越しにマリーさんに聞く。
「そうねえ。席に座ったお客さんに人数分のお水を持って行ってくれるかしら?注文は後でライラちゃんが聞きにくるって言っておいてくれる?」
「はい、わかりました」
グラスにピッチャーの水を注ぎ、トレイに乗せる。
「いらっしゃいませ、お水をどうぞ。注文は後でライラが伺います」
私が最初のお客さんに水を運んでいくと、お客さんはひどく驚いた顔をした。
え?私何か間違えたのかな。
「え?新しい給仕係?」
「は、はい。アニーです。よろしくお願いします」
ぺこりと、トレイを持ったままお辞儀をする。
「ちょっと!マスター!いつの間にこんなかわいい子雇ったのよ!」
え?かわいいって?
「仕事は今日が初めてだから失敗しても多めに見てくれよな」
マスターが厨房から大きな声で答えて、私の周りを常連さんらしき人たちが囲い込んだ。
「へえ?いい子そうじゃないの。私は道具屋の店主のシーラよ。よろしくね」
「は、はい。よろしくお願いします」
私が頭を下げると、後ろからも声がした。
「俺はガイアスだ。よろしくな」
若そうな2人組男性の一人が声をかけてくれた。
「アニーです、よろしくお願いします」
「お前!いきなり抜け駆けか?俺は、ディルック。ここの常連だからよろしくね、アニーちゃん」
うん、皆いい人そうだ。
「はい、よろしくお願いします」
「皆、アニーがびっくりしてるから。ちょっとずつ慣らしてあげて」
ライラさんのフォローのおかげで何とか店が回り始めた。
席に座ったお客さん、皆に水を配り終えたと思ったら、更なるお客さんが…。
慌てて水を汲みに行ってる間に料理が出来上がった。
「アニーちゃん、これ1番テーブルに」
マリーさんからハンバーグを受け取るも、1番テーブルってどこだ?
トレイに乗せたハンバーグを持ってキョロキョロしていると、シーラさんが声をかけてくれる。
「アニーちゃん、1番テーブルはここよ!」
まだ席の番号を覚えていないのでありがたい。
「ありがとうございます、シーラさん」
「いいのよ。初めてですもの初々しいわ」
シーラさんは少しぽっちゃりめのおばさまだが愛嬌があって可愛らしい。
「ステーキセット2人前、6番テーブルにお願い」
ジュージューと音を立てる鉄板の上のステーキが美味しそうだ。
「鉄板が熱いから気をつけてね」
「はい」
ええと、6番テーブルは…。
「こっちこっち。俺たち6番テーブルだよ」
さっきの若い男性2人組だ。
「ありがとうございます。お待たせしました」
「全然待ってないよ。ありがとね」
「美味しそうだ」
ディルックさんちょっとかっこいいな。
何してる人なんだろ。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。
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