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ぷろろーぐ

「全て、全て、焼き尽くされてしまえ」

囁く声は怨嗟に満ちている。

まさか自分の喉からそんな声がでるとは

そんなことを頭の片隅でぼんやりと思う。

意識がかすんでいる。

視界の端で可愛らしいはずの精霊が、おぞましい笑みを浮かべたのを見た。

それすらもどうでもよかった。

十字にかけられている。

繋がれているとはいえ、挙げられたままの腕がだるい。

ついでに全身がだるい。

酷い熱なのだろう。

インフルエンザにかかった時はこんな感じだったなぁと懐かしく思う。

帰りたい。

パチパチパチと音を立て足元から這い上がってくる炎を眺めてそれも無理だなと、ただ諦める。

熱で思考が上手くまとまらない。

感情がいくつか焼ききれてしまったのかもしれない。

足が焼けているはずなのに、もう炎に巻かれているのに熱も痛みも感じない。

煙を吸い込み、酷く咳き込む。

遠くで悲鳴が聞こえてくる。

助けてくれと叫ぶ声が聞こえてくる。

もうどうでもよかった。

許す気もなかったし。救う気もなかった。

自分を殺そうとしてくる相手に向けることの出来る慈悲などもうのこっていない。

私は何もしていない。

ただよく分からない場所で、必死になって適応しただけだ。

ただそれだけのに。

こんなところで火刑に付されている。

悪いことなんて何もしていない。

それなのに。

理不尽には理不尽を返そう。

ただ、殺されてやるつもりなんてない。

「滅んでしまえ」

煙が染みた目をそっと、閉じる


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