表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の木の下でまた会いたいね。  作者: 空×おっさん犬
5/7

血鍋

新聞。

テレビ。

ネットニュース。



全てに目を通した。

彼が死んでいたことは記事になっていない。



ただの自殺として処理されたのだろうか。

あまりにもあっさりとしている。



私は今日は非番だ。

彼に電話をかける。


当然だが、出ない。


アリバイにもならないが、休みの日に彼に電話をかけるのは当たり前だ。


だから、彼女として電話をかけた。

電話をかけて出なかったから部屋に行く。


これは、非常に普通な流れだ。



何も問題ない。





彼の部屋の前に着く。

彼女だから合鍵がある。


『開けるよー。』



開けた。

特に捜査が入った形跡は見らない。

keep outのテープもなかった。


まだ見つかってないだけなのかもしれない。



電気を点ける。



部屋を見渡す。



ベッドを剥ぐ。

台所を見る。

トイレを開ける。

風呂場を覗く。



『あれえ?出掛けてるのかなあ?』



ドアを閉めて鍵をかけた。


彼のマンションの敷地を出て歩く。















あり得ない。

彼は死んだのだ。

だったら、死体はどこへいった??















それから1年が経った。

彼の白骨死体が今になって、出てきた。

なんでだろうか。



後輩と昼を食べながらそんなことばかり考えていた。



私の犯行を知りながら遺体を隠した人物がいる?

もしくは別の恋人がいて、その人が遺体を埋めた?


いやいや、なんのメリットがあるのだ。


殺したのは私だが、遺棄したらそれも罪に問われるのだ。



なんのメリットもないのだ。




『せんぱーい、今日、先輩の家で鍋しましょうよ。』


『鍋?こんな暑いのに?』


後輩が執務中に話しかけてくる。

執務といっても、課のお荷物の私は、ネットサーフィンをしているだけだ。




『いやあ、だって、先輩んちまだお肉ありますよね?さっさとかたさないとですよ。お肉の消費は鍋が1番ですから。』


『肉?ああ肉ね。』


冷凍庫にお肉がまだあったな。








『ええ、早くしないと。自分があげたお肉、、あんまり人に知られたく無いですから。あんなレアなお肉。』


『そうだな。じゃあ、19時にウチに来なよ。』


『やったあ!先輩んち、久々だなあ!!』



後輩は喜んでいる。

私もさっさと忘れよう。




うちにある大量のお肉を食べながら、忘れよう。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ