死体処理あとの食事
『あ、、、』
花瓶を叩きつけられた彼は倒れて動かなくなった。
『ねえ、起きてよ。』
うつ伏せになった彼をひっくり返す。
『あ。。。』
白目を剥いている。
泡もふいている。
瞬間的に察した。
『心臓も止まっちゃった。どうしよう。』
心臓には触れなかったが、
明らかに死んでいるように見えた。
『どうしようかしら。。』
死体の処理なんてしたことはない。
隠さないと、捕まってしまう。
とりあえず、割れた花瓶と血を拭き取る。
『うちにおいておいたらヤバそう。』
彼の家に持ってこうかしら。
自殺に見せかけて、処理しよう。
『これでよし。』
遺書も用意した。
パソコン書きなのは、少し他殺を疑われそうだがそんなことはミステリーの中だけだ。
『はあ、疲れたあ。』
すっかり日付は変わってしまった。
『焼肉でも食べ行こうかなあ。』
思えば夕飯はまだだった。
焼肉屋に入ることにした。
焼肉屋に入る。
『あれ、せんぱーい!』
『ああ。。』
職場の後輩が1人で焼肉屋にいた。
ホルモンを貪り食べている。
『せんぱい、どうしたんですかあ!?』
『いや、お腹空いちゃってさ。』
『そうですかあ。』
『キミは?』
『自分もお腹空いちゃって。そうだ、一緒に食べませんか??』
本当はさっさと食べて帰りたい。
こいつといると割と時間を喰われるのだ。
ただ、なるべく不審に見られないようにしたいところだ。
『ああいいよ。』
私はそれだけ返事すると、後輩の前の席に座った。
『先輩、非番でしたよね?どうしたんですか?』
『だからお腹空いてただけだよ。』
『ふーん。』
後輩は生焼けのカルビを口に放り込む。
『まだ、生焼けじゃない。』
『え、これがいいんじゃないですか。血が滴っている感じがして。』
一緒に頼んでいる米も赤く染まっている。
『私、タン塩頼むわね。』
『ういー。』
タン塩が来るのを待つ。
後輩はカルビや、ハツ、レバーまで生焼けの状態で食べている。
『先輩。』
『何?』
『なんか、牛とか豚とか鳥以外の生物の肉って食べたことあります?』
『イノシシとかはあるかな。』
『はあ、まあ、そうですよね。そんくらいっすよね。』
後輩は相変わらず生焼けの肉を頬張る。
口元は血まみれだ。
『食べてみたいんすよね。』
『何を?』
後輩は目を見開き、
こちらを見る。
焦点が定まっていない。
『何って、人肉っすよ。せんぱい?』