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桜の木の下でまた会いたいね。  作者: 空×おっさん犬
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白骨死体

『桜の木の下から白骨死体かあ。』


最近この手の事件が多い。


工事業者がたまたま、整備していた桜の木の下から白骨死体が出てきたのだ。



白骨死体は1年前に行方不明になった男性会社員だ。


容疑者は、会社員のフィアンセだった女性だ。


被害者はちょうど桜が咲いた4月頃に亡くなっている。



『そんなはずはありません!』


そういって顔を顰める。

元フィアンセは、写真を見せた。


それは被害者とフィアンセが桜の前で撮った写真だ。


河原沿いに咲き乱れている桜。

写真が日焼けしたからか、少し全体的に色味が薄い。


『私は、桜を彼と見たんです。死んでなんか、、』


そう確かに桜が咲いており、被害者とフィアンセが写っているのだ。


だとしたら、この白骨死体は本当に会社員のものか。


いや、鑑識結果なのだ。

現代の科学捜査が間違いをおかすはずがない。



私は頭が痛くなってきた。

咲き乱れている桜の写真。



『日付がないな。』


そう日付がないのだ。

これは去年のものでない可能性がある。

そうすると、やはり怪しいのは、、フィアンセか。

こんな偽の供述をするなんて犯人だからに違いない。



しかし。

『ほら、これ見てください。』


写真の横に映っている立て看板。


『2021年 桜祭り』


そう書かれているのだ。


そうすると、去年の桜の季節にこの被害者は生きていたという事になる。


























私は散り掛けの桜を窓越しに見る。

全く、なんて無駄な時間なのだろう。



この取り調べはいつ終わるのだろうか。

すでに任意同行してから2日。


拒否すれば、よかった。

だってこんな供述すぐバレてしまうから。


日本では一足先に桜が咲く地域がある。


静岡県伊豆市の河津に、2月に咲く河津桜というものがある。



そこにいった時の写真だ。



この河津桜を見た帰り道、別れを切り出された私は彼を手にかけた。


あっけなく絶命した彼を私は桜の木の下に埋めた。















『今日はこのくらいにしておきましょう。お帰りください。』





だからか、まさか。

釈放されるとは思わなかった。

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