局所的神話
君を愛するというのは、
人類の皆様にお死にになっていただくための儀式、
と考えてもらって差し支えない。
世界はたった二人になって、
半径三メートルでことが足りる。
六畳二間は地球よりも大きいと断言したところで、
それは問屋が卸さないというわけではないし、
質量保存の法則以外、否定する材料はない。
太陽は二人のための目覚まし時計であり、
歴史を記録する証人でもある。
初めて春菊を美味しいと思えるようになった日くらい貴重な存在と言える。
だらしのない格好でおはようと言っても
なんの躊躇いもない純白のおはようが返ってくるのは、
信用というしわ一つないフォーマルな衣装を着こなしている証拠だ。
私は全自動涙拭き上げマシーンになって、
ありとあらゆる悲しみを駆逐するための努力を惜しまないことをここに誓うけれど、
それは胸の中での宣誓なので、聞く人は誰もいない。
これがアダムとイブの誕生の地、富士コーポの物語。