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短編小説・詩 企画参加作品

『ちゅうしよ!』

作者: 藤乃 澄乃

「ちゅうしよ!」


 え、な、なにを言ってるんだコイツは。

 見ず知らずのオレに向かっていきなりそんなことを口走るなんて。

 どういうつもりなんだ。

 しかも真顔で言っている。


 よく見ると丸い大きな瞳は少し潤んでいて、ほんのり薄紅にそまる頬。

 なんとも愛らしい薄桃色の唇。


 その柔らかそうな口もとが更にオレの鼓動を速くする。


「ちゅうしよ」


 彼女は悪びれもせずに、またその天使のような姿で悪魔の囁きをする。


 こんなにも美しい人がこの世にいるものなのか。自分の目を疑う。

 そんな彼女からの『ちゅうしよ』のひと言は、遥か何光年も先から地球を目指してやって来た宇宙艦隊、その母船から我々人類が最終攻撃を受けている……それほどの衝撃を覚える。

 体中にピリリとなにかが走る。


「え、そんな急に言われても」


 そうだ、今ここで出逢ったばかりなのに。

 心の準備がまだ整っていない。

 突然の出来事に体中のあかい液体が逆流する思いだ。


 季節はもう秋だというのに、身体の中からふつふつと湧き上がるこの感情は一体なんなんだ。

 まるで夏に逆戻りしたような気にさえなる。


「ちゅうしよ」


 そう言って彼女の指し示す先を見て、オレは唖然とした。

 せっかくだったのに。

 楽しみにしていたのに。


『本日の“みんなで愛でよう、秋の紅葉狩りドキドキツアー”は中止となりました』


 楽しみにしていたのに。



 彼女は言う。


「中止よ」



 紅葉もみじの葉が一枚ハラリとわらっていた。



ちゅうしよって。

せっかく楽しみにしてたのに!!

中止だなんて!

がっかり……。


あ~ん、笑って下さ~い。

コメディー初挑戦なんで、大目にみて下さい(_ _)


お読み下さりありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言]  ドキドキできる紅葉狩り(笑)  裏返したら、虫がいたり?(汗)  可愛いコメディでした♡
[一言]  意味は最初から分かって読みました。  理由は、「笑顔でいこう企画」に参加した私の作品を読んで下されば、分かって頂けると思います。  似たようなものはたくさん考えましたが、これは思い付かなか…
[良い点] 「笑顔でいこう企画」から来ました。 はわわ、完全に誤解してました( ; ゜Д゜) そっちかー(涙) (笑)
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