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いざ作り上げる最高のラノベ

「さてと…始めますか!」

夏休みも残すところあと数日となった。それと同時に俺は新作の執筆を開始する。

新作は事実を基にしたノンフィクションラノベとなる。その為には今作のヒロインでもある奈津希さんの協力が必要なのだが…。やっぱりカップルとはいえそう簡単に会える訳ではなかった。それで俺たちが今作の制作にあたり使用したのは第二章で紹介した共有方式だ。

「まずは…記憶を呼び起こさなければ…」

 そう言って俺は机の引き出しからストックしておいたキャンパスノートを取り出す。そこに油性ペンでタイトルを書き、シナリオを描き始める。

「やっぱり楽しかったなぁ…」

 文字にしていると楽しかった思い出が鮮明に脳裏に浮かぶ。

 シナリオを描き始めて約二時間程、おおよそのシナリオが出来上がった。ま…まぁ、多分一部変更する場所が発生するけど…。

 そんあ時リビングから姉さんの呼び声が聞こえた。

「マー君!お昼作ってみたよ!」

「は~い!」

 ん?姉さんが…お昼ご飯を作った…だと……⁉

 聞き間違いであって欲しい、普段料理なんか一切しない姉さんが料理するなんて…。

 そんなこんなで俺の中では疑いは晴れる事無く、好奇心と恐怖を感じながらリビングへと向かう。するとそこには姉さんが作ったと思われる、夏野菜カレーがある。でも信じられない…。

「ど…どうしたんだよ!姉さんが料理するなんて!」

「もう!私だって少しは料理の意欲だってあるよ⁉」

「でもさ…普段料理しない人がここまでとは…」

「まぁ、流石に料理アプリを使ったけどね…まぁ、食べてみなよ!味は保証できないけど…」

 俺は少し警戒しながらスプーンでパクッとカレーを口に運ぶ。

「うん?」

「ん?どう?」

「美味い…姉さんにしては美味い…」

「おぉ!良かったぁ!」

 姉さんは小さくガッツポーズを取って安心していた。

 疑って申し訳ない…と心の中で反省した。

 あまりのの美味しさにあっという間に間食してしまった。初めての料理でここまで出来るとは…俺だって母さんに教えてもらって三か月かけてやっと一人前になれたというのに。

 まぁ、内心そんな事を思いつつ。俺は姉さんに「ごちそうさまでした」と感謝の気持ちを伝える。

「また作ってよ!たまには姉さんの料理も食べたくなってきた!」

「じゃあそうするね!週に一回、日曜日は私の日っていう事でね!」

「おう!」

 そんな週末の新たな楽しみが出来た後、俺は自分の部屋に戻り早速新作の執筆に入る。俺は愛用の椅子に深く腰掛ける。そいてパソコンと向かい合い、俺は自分の世界へと入る。

「さて、いっちょ始めますか!」

 これが俺の執筆時におけるルーティンである。

 そんなルーティンを済ませ、俺は執筆を始める。今までと違う点を挙げるとなると…今までとは違うノンフィクション作品だから、展開などを気にせず。記憶をたどり描けばいい点、非常に楽である。

「やっぱりいつもと違って早く書ける。これなら一か月もあれば完成しそうだ」

 確かに、作品によって異なるが一章書き上げるのに二~三日かかるのが描き八締めt大体六時間で出来た。この調子なら一週間で原稿自体はできるだろう。でもそこから修正を加えたり、今回はイラストも入れてもらおうかと考えている。もちろん田担当は姉さんである…でもまだその事話してないしなぁ…。

 そんなこんなでパソコンの右下にある時計を見ると既に一九時を過ぎた頃だった。もうじき夕飯の時間だ。流石に飯作らないと……って…なんで?

 そこにはピザ屋のメニューを片手に電話をしている姉さんが居た。俺が階段を下り終わったと同時に電話を切ったようだ。

「あっ、マー君!ピザ注文しちゃった☆」

「お、おう…」

 はい、あなたを【飯テロ等準備罪】の容疑で逮捕します…って、まぁ別に構わないんだけどね…。

しばらくして注文品が届く。そして食事を始めてから俺は話を切り出した。

「あのさ…今描いてる新作の挿絵を姉さんに頼みたいんだけど…」

「あぁ、あのなっちゃんとマー君のノンフィクション小説ね」

「うん…って!なんでその事まで知ってるの⁉︎」

「なんとなく?女の勘ってやつ?」

いやいや…勘でそこまで当たってたら入試とかほぼ勘で答えて合格出来ちゃうよ…。

「まぁ、とにかく…イラストをお願いしたいのね」

「うん…この作品だったらコンクールでも良い賞が取れそうな気がするんだよ!」

「………よし!私も全力で協力しちゃうよ!これでマー君がデビュー出来れば私も良い波に乗れそうだし!よっしゃぁぁぁぁ‼︎本気出たわ!」

「ア…アハハ…」

よし…イラストレーターは確保した!とりあえず一安心…だけど、やっぱり姉さんや奈津希さんにも頼んじゃったら必然的にあいつにも頼まないといけないな…みんなで作り上げたいもん…。

 そして翌日、俺は叶に連絡を入れ、朝から我が家に呼び出した。

「いきなりどうしたの?まさか⁉」

「いや…決してあなたが想像しているようなことはありませんから…」

 俺はいつからか変貌してしまったこいつに呆れながらツッコミを入れる。

「まぁ、そんな冗談はいいとして…なに用で私をこんな所に?」

「それはな…」

「それは…?」

「一緒に新作書くの手伝って!」

「う~ん…イラスト側に回っても良いかな?」

 おっ、なんか想像の斜め上を行く回答が返って来たぞ?

「別に構わないけど…意外だな」

「うん、私ね…もともと私絵には自信があってね。お姉さんから話聞いてるとなんか楽しそうだからそっちの勉強してみたいなぁって」

「あれっ?ラノベの方は?」

「なんか難しそうだから止めとく、入賞とか大変そうじゃん」

 確かにそれは否めないな。何本も書いてるくせして一作品も入賞できてないもんな。

「それもそっか…じゃあ、改めてイラストの方よろしくね!」

「うん!」

 結果として思っていた方向とは違う方向に事が進んだが、なんとかなった。

「じゃあ!早速お姉さんと一緒にイラストのお勉強しないと!」

「じゃあ頼んだぞ!」

「うん!頼まれました!」

 そう言って彼女は俺の部屋を後にする。

 残された俺は一人またパソコンと向かい合わせだ。そして執筆を始めようとしたその時、俺のスマホから着信音が鳴る。相手はもちろん奈津希さんだ。

『正宗さんですか?』

「他に誰が出ると言うんだい?」

『あっ、それもそうですね…』

 電話の向こう側で奈津希さんの笑い声が聞こえた。

「それはそうとどうしたの?」

『えっと…新作の件なんですけどね、私も書いて良いですか?』

「ン?ドユコト??」

『ごめんなさい!言葉足らずでした…えっとですね、正宗さんパートだけだとページ量の関係上足らなくなると思うんです…そこで正宗さんと私のパートを交互に出してあげたらお互いの心境が出てリアリティーが増すと思うんです!』

「なるほど…確かにリアリティーは増すな…」

 確かにその手はありかもしれない…。

『どうでしょうか…?』

「よしっ!採用する!」

『わぁぁぁ…ありがとうございます!』

 俺もそっちの方が負担減るからね…。

『じゃあ、今から家に伺っても良いですか?』

「い、今から⁉」

『はい!事は早い方が良いですからね!』

「確かに一理あるな…」

『じゃあ決定ですね!今から向かいます!』

「じゃあ…待ってるね…」

 そう言って俺は電話を切る。

 ふにゃぁ…奈津希さんが来るまで待機か…。まぁ、てな訳で奈津希さんが来るまでの数十分の暇が出来た。

「あっ、まだログボ貰ってねぇ…」

俺はふと思い出しスマホゲームのログインボーナスを一通り回収した、たった五分で…。そうなると必然的にまだまだ時間が余ってる事になる。「あと数分で何が出来る!いつもの俺ならなにをする!」なんて自分自身に問うている。結論から言うと、答えは見つからずベッドの上で「止まるんじゃねぇぞ…」と聞こえてきそうなポーズをとっている。完全に燃え尽きた。燃え尽きてから五分も経たない頃、インターフォンの音により動かされ、俺は階段を駆け下りて玄関へと向かう。玄関開けると案の定奈津希さんが居た。

「あれ?思ってたより早かったね」

「あっ、えっと…お母さんがお買い物でこっちの方に行くみたいだったので送ってもらいました」

「そかそか」

そんな短かき会話を済ませ俺は奈津希さんを家中に招き入れる。

「まぁ、さっきも電話で言ってくれたけど…」

「はい!早速解説しちゃいますね!えっと………」

この後、奈津希さんの分かりやすそうで分かりにくい解説が数十分続いた。

「まぁ、大体こんな感じです!」

「お、おう…大体は分かったよ…」

読者の方に分かりやすいように解説すると、章ごとにマサムネパートと奈津希さんパートを書くという事だ。

「この方式を採用してる作家さんもいるみたいですし、やってみる価値はあると思います!」

「まぁ、確かに…だけど応募の際にはどうする?」

「このまま出せばいいと思います」

「そうなの…か?」

「まぁ、書いてみなきゃ始まりませんよ!ほら、早速書きましょうよ!」

そう言って俺をパソコンの前まで誘導する。

「あれ?一章完成してたんですね!」

「あぁ、まぁさっき書き上げたばっかだけどね」

「じゃあ、この後は私の番ですね。パソコン借りますね」

そう言って奈津希さんは俺の愛用チェアに座って慣れた手つきでキーボードを軽快な音を奏で文字を打ち込んでいる。決してタイピングスピードは速いとは言えないが…なんだか、練習したようにも思える。

「えっと…あの時は……」

そう小声で呟いてる。当時の事を思い出してるのだろう。邪魔をする訳にはいかないな…、俺は静かに部屋の外に出てリビングで横になる。

部屋を出て数分後、奈津希さんが困り顔で俺のところに来た。

「もう正宗さん!」

「ひゃい!」

俺はその声に驚き飛び上がりソファの上でちょこんと正座をした。

「正宗さんは部屋に居てくださいよ!聞きたい時に聞ける人が居ないとどうしようもないですから!」

「お、おう…すまなかった、邪魔かと思ってな」

「邪魔なんかじゃないです!むしろ一緒に居てください!」

「お…おう……分かった…」

そんな訳で俺は奈津希さんに自分の部屋まで連行された。

「正宗さんはベッドの上に居てください」

「は…はい……」

俺はベッドの上でちょこんとお座りしている。

原稿が書き上がるまでの間、俺はベッドの上でネットサーフィン…じゃなくて、読書タイムだ。もちろんだがラノベをひたすらに読みまわしてた。

「お、終わりました……」

「おつかれ…サマァァァァ⁉︎⁉︎」

驚くのもしょうがない、なんか死にかけてるよ⁉︎ワンチャン「反応が無い、ただのシカバネのようだ。」なんてド●クエみたいなテロップが出そうだよ‼︎

 そして、死にかけている奈津希さんからかすれた声が聞こえる、俺は耳を近づけその声を聞き取る。

「お水を…水分をください……」

「おう!すぐに持ってくるぞ!」

そう言って俺は●せんせー並みの速さで取りに行く。

「はい!持って来たよ!」

「ありがとうございます…」

そう言って持って来たスポーツドリンクを奈津希さんは一気飲みする。

「……ふにゃぁ!生き返りました!」

「おぉ!良かったぁ!」

「あっ、それはそうと、出来ましたよ!」

「ちょっと見せて~」

「どうぞ!自信作ですよ!」

 自信満々に相変わらずまな板な胸を張る奈津希さんを横に俺は出来たてほやほやの原稿を確認する。

  ~数十分後~

「どうでしたか?」

「すっげぇ面白い!」

「ホントですか⁉」

 おいおい…仮にここで俺が嘘ついても意味はないだろう…。

「流石に本人が書くと感情表現が上手いな。俺なんかが書くよりよっぽどこっちの方が良いよ」

「そりゃそうですよ!女の子の恋心を描くならやっぱり女の子が描いた方が上手く表現できますよ!」

 そこは認めざるを得ない…読んでて参考になるところもあったし…なによりも勉強になる…。

「じゃあ、次は正宗さんの番ですよ!」

「そ、その前にお昼ご飯にしようか」

 俺は部屋にある時計を指差す。

「あれっ?もうそんな時間でしたか…じゃあそうしましょうか」

 とは言ったものの…作るのが面倒だ…。

「どうしたんですか?」

「あ、あぁ…お昼ピザ注文しようかと思うんだけど…」

「良いですね!」

 じゃあこれで決まりだな…姉さん達にも報告しなければ。

 俺は隣にある姉さんの部屋に向かう。

「姉さ……ん?」

 俺は硬直した、俺の目の前では下着姿でブラに手をかける叶の姿があった。続けて視線を下におろす、そこには床に寝そべっている姉さんがタブレットを持って絵を描いている。

「「あっ…」」

「えっ…」

 先方のお二方は昔ながらのからくり人形のようにカタカタとしながらこちらに視線を送る。

 俺は下から上に視線を戻し状況を把握した。

「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」」←俺の叫びも含む。

 そして大絶叫。目の前では少なからず実る胸を両腕で抱えるように隠している。俺は慌てて扉を閉めてから着替えるように言う。やっぱり隣の部屋にいた奈津希さんが慌てこちらに飛んで来る。

「どうしたんですか⁉」

「なんでもないよ!ちょっとトラブルがあっただけよ!」

 俺は両手をぶんぶん振って言い訳をする。

 言い訳をしていると姉さんの部屋の扉がゆっくりと開く。

「ごめん…みっともない物を見せてしまって…」

「じゃあとりあえず奈津希さんは原稿のチェックしてて、ミスがあったら書いておいて…」

 そう言って俺は無理やりだが奈津希さんを俺の部屋に戻す。

「じゃあ、事情を聴こうか…」

 それから姉さんの部屋でちょっとしたお説教タイム。

 大体事情をまとめると…初めは健全にイラストについて教えていたのだが…どこで選択を間違えたのか不健全タイムが始まってしまったと…。

「そんでもってなぜ叶はブラに手をかけていたの?」

「えっとね…かくかくしかじかで…」

「えっと…要するに、なんか調子乗ってこうなったと?」

「そういう事!」

「バカなの?」

「もう!私はどうせバカですよ!」

 はぁ…なんか叶が色々と言ってるけどなんか突っ込むのめんどくさいや…。

「そんでもって姉さんも姉さんだよ!なんでこうなったの?」

「同じく調子に乗っちゃって…」

「バカでしょ…」

「ちょ!バカ言わないでぇぇぇ!」

 はぁ…我が姉ながら恥ずかしい…。

「まぁ…このような事は事前にでも伝えてください!」

「はい…」

 お説教タイムは終わり!エネルギーをだいぶ消費してしまった。

「あっ、それはそうとお昼だけどピザで良い?」

「うん!」「オッケー!」

 二人の承認も得た事だし…さっそく電話っと…。

 そんな訳で頼んだものはファミリー向け商品を二種注文した。

~我が家にピザがログインしました~

『ごちそうさまでした!』

~我が家からピザがログアウトしました~

 はぁ…食事―シーンの改善はなさそうだな…。もう作者に直接言うしか…。

「じゃあ午後も頑張っていきましょう‼」

『おう‼』

 そんな訳で午後も張り切って原稿・イラストの作成に取り掛かる。

「じゃあ、今度は俺が書くね」

「はい!楽しみです!」

 俺はその期待に応えるべく、短時間で良質なストーリーを描く。

 まぁ、大体一時間弱経過の後にやっと原稿が完成した。割と見られるのが恥ずかしい内容になってしまったがそこは質を上げるためには仕方のない事だ。

「出来たよ!」

「出来ましたか…ふにゃあ…」

 お主…寝ておったな?

 奈津希さんはベッドの上でちょこんと座って目をこすっている。ホントに同い年とは思えない仕草だ。

「見せてください!」

「もちろん!」

 そんな訳で奈津希さんのチェックが入り、一応のオッケーが出たがやっぱり恥ずかしい。

 まぁ、そんな感じで俺達はこの日だけで原稿もだいぶ進んだし、叶のイラストスキルも上がったし。今日だけでだいぶ事が進んだ。

 時は流れ夕方、やっと半分…あと少しってところか…。

「ふにゃあ…疲れましたね…」

「お疲れさま、おかげでやっと半分まで終わったよ。ありがとう!」

「どういたしまして!いつもより執筆が楽しかったです!」

「それは良かった」

 でも…消費エネルギーが多すぎた…。

 それもそのはず、時の流れを忘れていたせいか時間はもう六時だ。

「気づいたらもう六時ですね、そろそろ私は帰りますね」

「うん、今日はありがとね。なんか色々と助けられちゃったよ」

「言ったじゃないですか!『それなら彼女である私の力が必要ですね!』って」

 そう言えばそうだったな……奈津希さんにはものすごく助けられてるなぁ…。

「じゃあ、ここで失礼しますね」

 奈津希さんはドアノブに手を掛ける。その時俺は無意識に奈津希さんを呼び止めた。

「  あのさ…」

「なんです?」

「えっと…その…」

 奈津希さんは首を傾げている。

「もうすぐ夏休み終わっちゃうけどさ…夏休みが終わっても色んなことしようね!」

 うわっ、なに言ってんだ俺!日本語下手かよ!

 俺は脳内会議でこの文章を作成した自分を問い詰めていると、奈津希さんが笑いながらこう返してくれた。

「もちろんですよ!彼氏として私を楽しませてくださいよ?」

「おう!」

 さっきまでの勢いはどこへやら、俺は府段取りに自信を持って返答した。

「じゃあね♪正宗クン」

 奈津希さんがそう言った後扉がゆっくりと閉まった。なんかちょっぴりドキッとしてしまった、まだ心臓がドキドキしている…そんなドキドキを抑える努力をしながら俺は自分の部屋に戻ろうとすると姉さんの部屋の扉がゆっくりと開いた。そこには明らかに悪い目をした二人が居た。

「あっ…オワタ…」

 まぁ、この後大体一時間ぐらいさっきの話で相手が盛り上がってたことは奈津希さんには秘密。

 時は流れ約一か月にも及んだ夏休みが終わり、久方ぶりの学校生活がまた始まった。

 それと同時に、新作の執筆の方も順調に進み、所々の修正を加えた。そして、出版社の募集要項に合わせるため確認をしていると…。

【イラスト付きの原稿の応募はご遠慮ください】

 なんですと⁉

 俺はその旨を姉さんに伝え、イラスト作成を中止した。ホントに申し訳ない。

 そしてついに…最終調整を加え。九月上旬の締め切り前日、みんなの協力を得て作り上げた最高のラノベが完成した。


 そして俺は締め切り前日の夕方、みんなを家に呼んだ。

「みんなに来てもらったのは他でもない」

「どうしたの正宗君?」

「ついに完成したんですよ!」

「その通り!ついに完成したんだ‼」

 ここで主催者の俺が言うのも恥ずかしい話だが…一人でなんかすごく盛り上がってる気しかしない…。

「でも、なんで私たちを呼んだんですか?」

「だって…皆で作ったんだからさ、やっぱみんなで盛り上がりたいし…」

「じゃあピザ頼もう!」

「おう!今日は宴だ‼」

 そんなこんなで、『新井家にて開催!新作ラノベ完成記念パーティー!』が開かれた。

 内容は結構充実したもので、パーティーゲームや罰ゲームをかけた戦いだったり…まぁ、なぜか俺が負けてキツイ罰を受けたのはお約束。まぁ、そんな感じで、宴はどんどん進行し、思い出したように俺はスマホを取り出す。

「そうだった、楽しすぎて忘れてたけどまだ応募してなかったんだ☆」

「あわわ!それじゃあ急いでください!」

 俺は応募フォームに必要事項を記入し原稿ファイルを添付し送信する。

「送信かんりょ…っと」

 あぁ…、送ってしまった…。もう修正があっても効かない、もう後戻りはできない。今回はいつもと違うそんな感覚になった。やっぱり責任重大だからな…。

「正宗さん!どうしたんですか?」

「いや、なんでもないよ…」

「ほらっ、正宗さん!今は楽しみましょうよ!」

「おう!」


 そうして一夏の思い出、今までの思い出、ちょっとした一波乱などを参考とし。奈津希さんを始めとしたみんなとの共同作業で執筆したラノベも無事完成し、それらを通して俺達は少しずつ成長出来た気がする。

それに、このラノベには色んな想いを込めたし。逆にこのラノベには、色んな事を教えてもらった気がする…。



 ありがとう…。俺達の想い、お前に託した!

 俺は心の中でそんな思いを込めつつ、出版社からの通知を待つ事にした。

 結果はどうであれ、俺はお前を執筆できたことを誇りに思うぞ…。


今回も本作を読んでいただきありがとうございます。

本章にて、本作品は完結いたします。

いやぁ、正宗君と奈津希ちゃんによる合作、選考の方はどうなったんでしょうね気になりますね…。

本作は新人賞に応募予定ですが、まだ約一か月ほどありますので好評ならエピローグで、続きを書いてみようかなぁ…なんて思ってます。そこら辺は私だけでは決められないので皆様のコメントで判断したいと思いますので皆様よろしくお願いいたします。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

なおこの後すぐにまた新作を投稿する予定です、そこの方もこうご期待!

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