夏休みの思い出!前編
時は流れ夏休みに突入し、俺は夏休みをエンジョイ…出来てない…。
時間は朝五時前、俺は相も変わらずパソコンと徹夜でにらめっこ。すると姉さんがトイレのため目覚めたときに俺の部屋に入って来た。
「何してるの?」
「新作の執筆だけど」
「もうすぐ終わる?」
「うん、あと少しだよ」
俺があと少しで終わる旨を伝えると姉さんは溜めていた言葉をストレート玉で投げて来た。
「ねぇ!どこか行こうよ~!」
「待ってラスト一行‼」
俺は毎日時間を見つけてはコンクールに出すラノベを執筆していた。
「あと少し!」
俺はラスト数十文字を早業で入力し、完成させる。
「はぁ…終わったぁ…」
「お疲れさま!それじゃあ出掛けようよ‼」
はぁ…休みたい…。
「出かけるって言ってもどこ行くんだよ?」
「えっ…どこって……」
決めてなかったのかよ…。
「そうだ!サイコロで決めるとかどう?テレビで見た事あるけど楽しそうじゃん!」
姉よ…そんな事で旅先を決めていいものなのか…。
「まぁ…試しに一回…」
「それじゃあ決めようよ‼」
そういう訳で六ケ所、お互いに三か所ずつ出すことにした。
一→江の島(俺の提案)
二→箱根(姉さんの提案)
三→秩父(俺の提案)
四→都内ショッピングツアー (姉さんの提案)
五→ハイキング(俺の提案)
六→日光(姉さんの提案)
とまぁ…こんな感じで選択肢は生まれた、後はサイコロを振るだけだ。なんとなくこの状況を何かのバラエティー番組で見た事ある気がする……。
「それじゃあ振るよ…」
「おう…」
「てりゃ‼」
姉さんは力いっぱいサイコロを振った。ころころと転がすサイコロ、出目は…。
「一だ!」
結果は、行先は江の島だ。
「それじゃあ行こうか!」
おいおい…本気かよ…。
「支度完了!」
こいつ既に準備してやがる…。
「ねぇ…明日にしない?」
「えっ?誰が今日行くって言ったの?私行先を決めようって言っただけだよ?」
はぁ…この人嫌いだわ…。
「せっかくだし叶となっちゃんも誘おうよ!」
「良いんじゃないか?後で連絡しておくよ」
「すでに連絡済みだよ‼承認ももらったぜ!」
LINEのトーク欄を見せながら自慢げに話している。こういう時だけ、行動がとても速いなぁ…。
「今日水着買いに行こうって!マー君も来てね!」
「えっ⁉マジかよ……」
別にいやらしい意味じゃないがやっぱり行くのには抵抗がある…。
「ちなみにマー君に拒否権は無いから」
うん…知ってたよ……。俺のこの夏休みでの課題『ノーと言える日本人になりたい』。
数時間が経過しお昼前に我が家に全員集結した。
「それじゃあお昼ご飯作って!」
「正宗君のご飯食べてみたい!」
「私も正宗君の作った料理食べてみたいです!」
なぜなのか…俺の元に期待が集まるのか…その理由を知りたい…。
「分かった、そうめんで良いかな…てか、それしかない…」
『ご馳走様でした‼』
おい作者‼食事シーン全カットかよ!
「それじゃあ買いに行こうか‼」
「「レッツゴー‼」」
うぅ…俺のテンションはそんなに上がりません……。
まぁ、そんな本調子の女性陣のお供として買い物に行く。
駅前商業施設の溜まり場に着いたところで買い出しがスタート。早速水着の販売ブースに向かい女性陣は楽しそうに選んでいる中俺はいまだに躊躇している、だって入りにくいもん!
「なにしてるの?早く来なよ!」
そう言って叶が俺の手を引っ張る。
「あわわ…ちょっと…」
「どうしたの?まさか!恥ずかしいの?」
「そんな事無いよ!」
「ホントかな?」
実際超恥ずかしいんだよ、だって初めてだもん!仕方ない事なんだよ!
それからしばらく、試着した水着が似合ってるかを聞かれたり、どの水着が良いかな?なんて聞かれたり…なんだかんだで一時間程だっただろうか、やっと買い出しが終わった。
「それじゃあ水着の買い出しも終わったし、みんなは休憩でもしてたら?俺は明日に向けてまだ買うものあるし」
「わかった、じゃあベンチに座ってるね」
ここで一度解散し、女性陣はベンチで休憩、俺は明日に向けて買い出しをする。
「えっと…明日のお昼はどうしようかな……おにぎりで良いかなぁ…」
とりあえずおにぎりの中身とおかず、フルーツとか…あと日焼け止めに虫よけスプレー、あと冷却スプレーとレジャーシート…買うものがいっぱいだ…あっ、お菓子も買わないと怒られちゃう。
結局いっぱい買い出しを済ませ休憩スペースへと戻る。
「ただいま……」
「おかえり!いっぱい買ったね!」
「正宗君、荷物持つ?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
「重たそうです…」
「うん…結構重い…」
あぁ…叶と奈津希さんは優しいなぁ…。
「そうだ!今日お泊りしない?」
何言ってんだこのクソ姉貴は!
「良いかも!正宗君にラノベの書き方教えてもらいたいし!」
叶さん承認でございます!
「私も行きたいです…なんか楽しそうですし…」
奈津希さんも承認とは意外だな…。
このまま民主主義に乗っ取ると決定という事になるな…。
「まぁ…良いんじゃないか?思い出作りは良い事だし!」
「「「やったぁ‼」」」
まぁ、一応今日は我が家でお泊り会という事になった。
「それじゃあ私たちは荷物を取ってくるね!」
「わかった、じゃあ先に戻ってるね!」
ここで一度解散し叶と奈津希さんは荷物を取りに帰宅、俺達は普通に帰宅する。
「楽しみだね♪」
俺はノー楽しみです…。はぁ…夕飯何にしよう…ハンバーグ?オムライス?どうすれば良いんだ…。
「夜ごはんなに?」
「決めてない…」
マジで悩みどころである…だって冷蔵庫の中身は圧倒的空気量だもん…。
「私はハンバーグが良い!」
「それじゃあそうするか…」
そんな訳で夕飯の献立が決まった、一旦帰宅してからまた買い出しに出る事にした。
「姉さん…少し荷物持ってくれない?」
「ヤダ!重いの嫌い!」
子供かよ…大学生にもなって……。
まぁ、姉さんが荷物を持ってくれることもなく、自宅まで重い荷物を持つこととなったのは言うまでもないだろう…。
「はぁ、重かった…」
でもすぐまた買い物だ…。
それから俺は自転車にまたがり行きつけのスーパーへと向かう。
「えっと…豚肉と玉ねぎと…あとはこれと——————」
一連の買い出しを済ませ俺は自宅へと戻る、その道中奈津希さんとバッタリ遭遇した。
「あっ!正宗君!お買い物?」
「うん、今晩のね…荷物入れる?」
「ありがとう!それじゃあお言葉に甘えて…」
俺たち二人は雑談をしながら我が家へと向かう。
「正宗さんって新作どうするんですか?」
「う~ん…次回作は一切決めてないんだよね…」
「この夏で決めるんですか?」
「まぁ…そのつもりかな…ゆっくり考えるつもりだよ」
やっぱり同じ趣味を持ってる人と同士だと話しやすいなぁ…。
「奈津希さんはどうするの?」
「私は…また短編小説かな…長編は書くの大変そうだし…」
「確かに大変だけど……そうだ!合作を作ってみない?」
「がっさく?」
奈津希さんの頭の上にはてなマークがいっぱい浮かんでる気がする。
「うん!二人で協力して作るんだよ!」
「なんか楽しそうです!絶対作りましょうね‼約束ですよ?」
「おう!」
俺と奈津希さんとで約束をし、楽しげに我が家に向かう。
「ただいま」
「お邪魔します…」
「「おかえり‼」」
どうやら先に叶が来ているらしい、これで全員集合だ。
現在時刻は三時頃、しばらく女性陣はゲームをしている中、俺は自室にてパソコンとにらめっこをしていた。そんな時奈津希さんが来た。
「何してるんですか?」
「うん?えっとね…」
「人に言えない事してたんですか?」
断じてしてまっせん‼
「違うよ…コンクールの日程を調べてたんだよ」
「そ…そうなんだ…私はてっきり変な物調べてたのかと…」
流石に客が居る中そんな事はしませんよ…。
「私にも見せてください!」
「うん、これが一覧だよ」
そう言って二人でパソコンの画面を見る。距離がとても近い…落ち着かない……。
「どうしたんですか?なんか顔が赤いですよ?」
「いや!何でもないよ、これ見てて良いよ、トイレに行ってくるから」
そう言って俺はとりあえずこの場を後にする。
「はぁ…あの距離感はさすがに緊張するわ…」
しばらくトイレの中で心を落ち着かせ俺はまた自分の部屋に戻る。
「ただいま…なんか良いところ見つかった?」
「はいっ!お陰様で!」
どうやら役に立ったようだ。
「それと…一つ質問しても良いですか?」
「ん?どんな質問?」
俺が聞き返すとしばらく黙ってこう答えた。
「正宗さんって彼女いるんですか?」
それを聞いた俺はしばらく沈黙してしまった。
「ごめんなさい‼いきなりこんな事聞いちゃって‼」
「大丈夫だよ…ちょっとビックリしただけ…」
本当は物凄くビックリしてしまったけど…。
「いないよ…俺は恋愛とは無縁だったからね…」
「そうなんですか…でも正宗さんって恋愛ものをよく書きますよね?表現とかってどうしてるんですか?」
あっ…それを聞きたかったのね…だったら初めからそう言ってくれればよかったのに…ビックリしちゃったよ…。
「えっとね…こうでこうやって——————」
俺は実際に使ってる方法を説明した、それを奈津希さんは真面目に聞いている。時に驚き気味になってたり、笑ってたり、表情豊かに俺の話を聞いてくれた。
「まぁ…そう言う感じかな?参考になればいいんだけど…」
「参考になります!私もお付き合いとかした事無いので…やっぱり表現とか苦手で…
確かに俺も初めはつまずいたっけ…あの時は大変だったなぁ…。
「そういえばお姉さんたちはリビングでゲームをしているみたいですよ?一緒にやりましょうよ!」
「そうだね、せっかく四人いるんだし…」
それから俺達四人でパーティーゲームをし、ものすごく盛り上がった訳なのだが…はしゃぎすぎて疲れた…。
「そろそろ夕飯にするか…お風呂溜めておいたから入ってて良いよ」
「それじゃあお風呂に入ろう!」
「でも大丈夫ですか?三人も…」
「大丈夫だよ!うちのお風呂大きいし!ほら、一緒に入ろう!」
姉さんは二人を風呂場へと連れて行き、俺はキッチンで夕飯作りを始める。
「ふぅ…それじゃあ作ろうかな…」
俺はハンバーグ作りに取り掛かる。
姉さんたちが風呂から戻って来る頃、完成直前だった。
「おっ!ナイスタイミングだったね♪」
「いい匂いだね!正宗君の作るハンバーグ楽しみ☆」
はぁ…まぁナイスタイミングだし、楽しみって言ってくれるのは嬉しいよ…。
「正宗さん…手伝いますか?」
「それじゃあ、サラダを運んでくれる?」
「はい!了解です!」
マジでこの二人は奈津希さんを見習うべきだよ。それはそうと…最近になって気が付いたんだが…叶が姉に雰囲気が近づいている気がするのは俺だけかな?
「おまたせ~」
俺と奈津希さんで出来た夕飯をリビングへと運ぶ。
『いただきます‼』
『ご馳走様でした‼』
おい作者!食事シーン全カットかよ!
「すっごく美味しかったよ!」
それは良かった…。
「相変わらず料理上手だわ…一生これ食べていたい…」
一生って…結婚する気ゼロか?
「正宗さん!今度料理教えて!」
それはいつでもオッケーよ!
まぁ、楽しい食事も終わりまたパーティーゲームを少しやって就寝時刻になった。
「そろそろ寝ますか…叶と奈津希さんはこの部屋使って」
「明日何時に出るの?」
「朝八時ぐらいかな?明日は朝から泳ぎに行くよ!」
「それじゃあ早く寝ないとだね!」
そのおかげかみんな進んで各自の寝床へと向かって行った。
「それじゃあ、俺も寝ますか…」
これで何事もなくこの日は終わりを告げた。
~翌日、おでかけ当日~
「ふぅ…これで良いかな?」
一応出発の準備は終わったからあとは皆を起こすだけ。
「はい!起きてください!」
「「おはよ~…」」
叶と奈津希さんは一発で起きてくれた、続いて問題の姉を起こしに行く…。
「ほら!起きてください!」
「待って………あと五分………」
五分で何ができるというのだ…。
「置いて行っちゃうよ?」
「ダメ!置いて行かないで‼」
こうすると起きる、姉さん攻略法だ。
「ほら、着替えて支度して!支度が終わったらリビングに来てね、朝ご飯出来てるから」
「は~い…」
全員起こし終わったところで俺はリビングに戻る、そこには既に着替え終わった叶と奈津希さんがもう朝食を食べていた。
「おはよ~」
「おはようございます」
「おはようさん」
そう挨拶をしてから俺も朝食を食べる。今日の朝食はフレンチトーストです、少し頑張ってみたけど…味は良き。
「おはよ~」
やっと姉さんが来た。
「ほら早くしなよ」
「うん…」
俺達はゆったりとした優雅な朝を過ごし出発時間前には家を出ていた。
「お弁当も持ったし…忘れ物は無いな…」
「ワクワクするね!」
「私海なんて久しぶりです!」
「今年になって初めてかな?すごく楽しみ!」
相変わらず女性陣は盛り上がってる…確かに本音を言うとものすごく楽しみだ、下心は一切なしでだ。
最寄り駅に着きーの、電車に揺られ―の、降りるとそこは江の島の最寄り駅だった。
「「着いたぁぁぁぁ‼」」
「着きましたね」
「そうだね!すごく楽しみだよ!」
現地に着くと俺も女性陣と同じテンションでいた。
駅から海岸までは歩いて五分ぐらい、少し人が多い…。
「それじゃあ着替え…る必要はなさそうだね…」
それもそのはず、だってみんな水着着てきてるもん、上着を脱ぐだけでそのまま海へ直行可能である…ちなみに俺もそうしているのは内緒…。
「それじゃあ遊ぼう‼」
「その前に日焼け止めを塗ってください!」
女性なのに日焼け止めを塗らないとは何事か!
俺は昨日買ったレジャーシートを敷き、荷物を置いた。彼女たちはその上で日焼け止めを塗っていた。
「正宗さんは塗らなくて大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だよ、遊んできなよ」
「そんな訳にはいきません!一応塗っておきましょう、私が塗ります!」
いや…それは…なんか…うん…。
「いや!ホント大丈夫だって…」
「ほら、うつ伏せになってください!」
「あ…ありがとう…」
俺は言われるがままうつ伏せになり日焼け止めを塗ってもらう。
「はいっ、これで大丈夫です!」
「ありがとうね、なんか申し訳ない…」
「良いんですって、役に立てればいいんです…」
マジで優しすぎて惚れそう…。
「それじゃあ遊んできます!」
「ケガをしない程度にね…」
「はいっ!大丈夫ですって!」
そう言って姉さんと叶の元へと走って行った。
楽しそうでなによりです…。
「はぁ…俺はゆったりのんびりしようかな…」
俺はカバンから最近購入したタブレットを取り出し、この景色を写真に収める、一応取材のためだ。それが終わった後は潮風に当たる…とても気持ちが良いし涼しい。
一時間程するとはしゃぎ疲れた女性陣が戻って来た。
「お疲れさま…かき氷でも買ってくる?」
「うん…マー君…お願い……」
どんだけ疲れてるんだよ…。
「私も行きます」
「ありがとう、疲れてるのに申し訳ない…」
そんな訳で、最もはしゃいでたと思われる二人を残し、俺と奈津希さんで買い出しをする。
「ほら買ってきたよ…」
「ありがとう…」
テンション低っ‼
「「冷たいっ」」
そりゃそうだろ…氷なんだから……。
「少し休みなよ、まだこれから観光するんだから…」
「「うん…そーする…」」
大丈夫かな…。
「そういえばなっちゃんは?」
「あぁ…なんかトイレに行ってくるって言ってたけど遅いな…」
「様子見てきたら?」
「まぁ…一応行ってくるか…」
俺は帰りの遅い奈津希さんを探しに行くのだが…割とすぐに見つけられた…ひどい状況で…。
「ん?あれ奈津希さんだよな…」
海あるある、ナンパされてる友人…。
男三人組に囲まれている、コミュ障のせいかだいぶ弱々しい…。すかさず俺はその男の元に近寄り勇気を振り絞りこう言った。
「すいません!俺の彼女に手出さないでください!」
そう言うとすぐに立ち去った。
「大丈夫だった?」
「ありがとう…ございます…」
俺の腕を掴みながらそう言う、その声もだいぶ弱々しかった。
「怖かったろうな…」
「はい…怖かったです……」
奈津希さんは今にも泣きそうだった。
「——————戻ろっか…」
「うん…」
まだ俺の腕を強くつかんでいる、だいぶ怖かったのだろう…。
「おかえり…」
「どうしたの?」
「なんでもないよ!少し迷子になってたみたい」
俺は姉さん達には本当の事は伝えなかった。思い出したくないだろうし…。
「大丈夫だった?」
「はい…なんとか…」
「良かったぁ…」
本当は迷子よりもやばい事が起こっていたことは口が裂けても言えないな…。
「ねぇ!マー君も遊ぼうよ!」
「俺は良いよ、荷物もあるし…」
「そう言えば海の家にロッカーがあったよ?」
「じゃあそこに入れてきなよ!」
「じゃあそうするか…」
そんな訳で荷物を全部海の家のロッカーに入れる事にした。
「じゃあ荷物は入れたし」
「正宗君も遊ぼう‼」
久しぶりの海を純粋に楽しむ俺、そしてなぜか埋められてる俺……。
「どうしてこうなったの?」
「仕方ないですよ…だってお約束じゃないですか…」
そんなお約束初めて聞いたよ…。
「それにしてもさ…なんで股間の部分が盛り上がってるの⁉超恥ずかしいんだけど!助けて奈津希さん!」
「ごめんなさい…私にはもう止められないです…」
救いの神に見捨てられた…。
「ふっふっふっ…今のマー君の状況を表してるのさ!」
「正宗君ってこんなに…」
「そんな訳ないよ!」
もう一体何の話をしてるんだ…。
「もう開放してよ…」
「それじゃあみんなに何か奢ってよ!」
「分かった!皆に奢るよ!」
「それじゃあ解放してやる!」
はぁ…検閲により削除されそう…。読者の皆さんへ黒塗りになってたらごめんね…。
一応条件付きで開放してくれた…マジで恥ずかしいよ……。
「正宗さんごめんなさい…」
「ん?なんで謝ってるの?」
「写真撮っちゃいました…」
マジか…終わったなぁ…。
「保存してていいですか?思い出にしたいです…」
「べ…別にいいけど…姉さんや叶に渡さないでね…」
「約束します!」
一体何の思い出になるんだ…。
楽しい時間はホントあっという間だ、気が付けばもうお昼時だった。
「それじゃあお昼ご飯にしますか…」
俺は急いで荷物を取りに向かい―の、荷物を取り―の、戻り―の、お昼ご飯を食べ始める。
『いただきま~す!』
『ごちそうさまでした!』
食事シーンは安心と信頼の全カット!いい加減書いてください…。
この後は海の家でシャワーを浴びーの、着替えーの、すぐそこにある水族館へと向かう事にした。
「結局ここでしばらく時間をつぶしーの江の島に向かうとするか…でもその前に荷物なんとかしたい…」
そう言えば駅にコインロッカーがあった気がする…。
「重たい荷物、駅のコインロッカーに置いてくるけど…どうする?」
「じゃあ、置いてきてもらおうかな?」
「私も!」
「じゃあ…私のもお願いします…」
俺は三人から荷物を預かり、コインロッカーに置きに向かう。
「先に入ってていいよ、後から追いかける」
「じゃあ、三人で楽しんでるね♪」
ふぅ…三人分となると重い……。
「正宗さん!」
そう言って奈津希さんが後ろから追いかけて来た。
「どうしたの?取り忘れたものがあったの?」
「いや、なんか重たそうだったんで…手伝おうかなって…」
「ありがとう!正直結構重かったから…」
「良かったです…」
「それじゃあこの二つ持ってくれる?」
「はいっ!」
元気のいい返事だ、さっきあんな事が起きたって言うのに…。
「それにしても重いですね…」
「うん…何を持ってきたのかって言うくらい重い…」
マジで重い…駅まではもうすぐだ…耐えるんだ俺…。
「着きました!」
「お…おぉ…着いたか…」
「だいぶ疲れてますね…お疲れ様です…」
ホント疲れた…。
ひとまず荷物をコインロッカーへと封印し、駅前にあるコンビニでアイスを買う。
「とりあえずお礼ね、ありがとうね」
「こちらこそありがとうございます、こんなアイスまで奢ってもらっちゃって…」
「大丈夫よ、これはあの二人には内緒だよ、色々とうるさくなりそうだし…」
「確かにそうかもです」
こうして二人で一緒にいるけど…周りの人から見たらカップルとかとして見られてるのかな…。
「どうかしました?」
「なんでもないよ…早いとこ戻らないとだね、怒られちゃいそう…」
「確かにそうですね、アイスも食べ終わりましたし」
食べ終わった後、俺と奈津希さんは急いで水族館に戻る。
「どこに居るんでしょうか…」
「色んな所を見ながら探してみようよ」
「そうですね、楽しみたいですし」
そんな訳でゆっくりと散策しながらゆっくり探すことにした。
「うわぁ!クラゲですよ!可愛いです♡あっ、この魚も可愛いです!」
俺からしたら奈津希さん…あなたの方が可愛いです…。
「もうすぐイルカショーやるみたいですよ!見に行きましょうよ!」
そう言って奈津希さんは俺の腕を強く引っ張った。
「どこか空いてる席は…」
「あっ!お姉さんたち居ましたよ!」
見事最前列で待機している、その隣二席が見事に空席だったからそこに座ることにした。
「あっ!遅かったね!」
「ごめんごめん…」
「二人で何してたの?」
「いや、普通に水族館を楽しんでたよ…」
「本当に?奈津希ちゃんどうなの?」
「本当ですよ、楽しかったですよ!」
楽しめてよかった…って…すっごく何か疑われてる気が……。
「姉さん…そんなに疑いの目を送らないでちょ」
「だってこんなに時間空いてて二人きりで居たんだよ?そりゃあ疑うよ…」
「決してあなたが想像しているようなことは一切していません…」
「こういうのネタになるからなぁ……」
一体何のネタになるんだよ…。
「ほらっ、ショー始まるよ…」
そう言って話をカットする、それと同時にショーが始まった。
『うわぁ!すごーい‼』
来て良かったかもな…この後ももっと楽しまないとだな…。
数分のショーと、館内散策、お土産購入などをし、水族館を後にする。続いて向かうのは江の島、時間は三時前…体力が尽きるまで色んな所を巡る…そんな気でいるんだろうなぁ…。
「ねぇ!あのタワーに登ろうよ!」
「そうだね!登ってみたい!」
「私も登ってみたいです」
俺も登ってみたいけど高所恐怖症だから登ろうか考えてるのは口が裂けても言えない…。
「それじゃあ食べ歩きしながら向かおうか!」
「「うん!」」「はい!」
そんな訳で登りながら食べ歩きをしながら上を目指す。エスカレーターというチートを使わず、上まで大変だけど歩いて行くことにした。
「美味しいですね」
「うん!すごく美味しいよ」
「これ美味しいですよ?一口どうです?」
ホント楽しそうでなによりです。
「それじゃあ私達先に行ってるね!」
「マー君もすぐに来てね!」
「私も先に行ってますね」
「うん、迷子にならないでね!」
女子三人は先に目的地へと向かい、俺は一人で目的地にゆっくりと向かう事になった。
「ふぅ…あのテンションでいられる秘密を知りたい……どこからあのエネルギーが湧いてるんだろうか…」
そんな疑問を脳内の片隅に残しながら目的地に到着した。
「やっと着いたぁ…」
それにしても階段多いな、地元じゃこんなにアップダウン激しくないもん…。
やっと入り口に着いたところで姉さんから電話がかかってきた。
『もしもし?マー君今どこに居るの?』
「今入り口に着いたところだよ…よくこの階段上ってきたね…」
『今私たちタワーに居るから早くしてね!』
「う…うん……急ぐ…」
そんな訳で急かされ俺は合流地点の展望台へと急ぐ。
「ふぅ…やっと追いついた…」
「もうっ!遅いよ!」
「仕方ないよ、マー君そんなに体力無いから」
そうだよ…同じ学校・クラスなら分かってくれよ…。
「お疲れ様です正宗さん…」
本当に疲れちゃったよ…。
「なっちゃんってマー君に優しいよね…」
「そう言えばそうだね、奈津希ちゃんって正宗君には優しいよね…」
「そ…そんな訳じゃ……」
俺の目の前でそんな話しないでよぉ…。
「まさか!」
「そのまさかなの⁉」
「そ…それは……その……」
「二人とも!奈津希さんが困ってるじゃん‼」
俺はこのハイテンションキャラが暴走する前に止めに入る。
「ごめんごめん」
「ごめんね奈津希ちゃん…」
「大丈夫ですよ…たぶん…」
本当に大丈夫かな?
「ねぇ!少し先に行ったところに岩屋があるんだけど行ってみようよ!」
「そうなの⁉行ってみようよ!」
「私も行ってみたいです!」
「私も行ってみたい!本で見て気になってたんだ!」
そんな訳でしばらく景色を楽しんだ後、新たな目的地へと移動することになった。
「そう言えば船が出てるみたいだね」
そうなんだ…船酔いが心配だ…。
「私…船酔いするかもです…」
良かった…ナカーマ!
「私は船酔いしない…はず…」
自分に自信を持ってね…。
しばらく歩くと海沿いに出た、崖っぷちだ…。
「うわぁ…怖いね…」
「はい…もう…怖いです…」
確かにそうかも…高所恐怖症を克服しなければ…。
「なんか…●●●●がスースーしちゃう…」
「何言ってるんだよオメー‼」
おい姉よ…アンタは今、爆弾発言したぞ…とうとう規制が入ってしまったよ……。
「それじゃあ行こうか…」
「そう言えばマー君は高いところ苦手だったよね…」
「そうなの⁉」「そうなんですか⁉」
確かに…そうだけどさ……。
「そ…それじゃあ行こうか!」
「「「あっ、話題変えた…」」」
「進もうよ‼」
そんなこんなで先へ進むこととした、周りの景色を楽しむこと数分、左に崖、右に海、前には岩屋。
「着きましたね!」
「そうだ!ココからはペアで行かない?」
「そうだね!面白そう!」
絶対グルだろ…。
「それじゃあグループ分けしようか!」
『せーのっ!』
『うらおもてっ‼』
俺の中ではメジャーな分け方だ。なんと言ってもすぐに決まるからな。
「それじゃあ、チーム分け出来たね!」
そんな訳でチーム分けの結果は、俺と奈津希さん、叶と姉さんとなった…、絶対仕組まれてるけどなぁ…。
「それじゃあ…俺達が先かな…」
「そうみたいですね、行きましょうか」
そんな訳で俺と奈津希さんで先を行くことになった。
「それにしても暗いね…」
「でもろうそくだけでもあると頼れますね」
「そうだね…」
「「———————」」
気まずい沈黙…二人きりだとなおさら……。
「そう言えばさっきはごめんね…」
「なにがです?」
「いや…姉さんたちがなんか言ってたじゃん…」
「あっ……別に…私は大丈夫です……」
「でも…なんか申し訳なくて…」
これに関してはマジで申し訳ない…。
「でも…俺に優しくしてくれてるじゃん?色んな所でさ…」
「はい、確かにそうですが…」
「ありがとう…すっごく嬉しかった…なんか頼りに出来るって言うか…」
「お役に立てて良かったです…」
すると奈津希さんが俺の肩にもたれかかってきた。
「これからも頼ってくださいね…私のできる範囲であれば協力します…」
「ありがとう…いっぱい頼っちゃうね」
「はいっ!任せてください!」
頼りになる子だ…こんな子が彼女だったら……いやいやっ、そんな事がある訳がない!
「どうかしました?」
「いやっ、なんでもないよ!」
「ホントですか?何か隠してませんか?」
「ホントだよ!何も隠してないよ!」
本当は色んな事を隠してるのは秘密…。
「そろそろ戻りましょうか」
「うん、そうしよっか」
そんな訳で俺達はスタート地点に戻ることにした。俺達が戻ってすぐに姉さんたちのグループが戻って来た。
「おっ、どうだった?」
「いや、特に変わったこともなく…」
あんたらが期待しているようなイベントは起こってませんよ…。
「それじゃあ船に乗って戻る?」
「そうしようか、ゆっくりしたいもん…」
「私もゆっくり戻りたいです…」
船でゆっくり…出来ればいいんだけどなぁ…。
そんな訳で船に揺られようとするわけなのだが…船酔いが心配…頑張って耐えなければ…。
「これかな?」
「これだね」
「これですね…」
「これしかないね…」
そこには乗船場があり船も止まっていた、やっぱり裏から表側にワープするから乗る人は多いようだ。
「やっぱり人が多いね!」
「そりゃ…楽に戻りたいもの…」
そりゃ考えてみたら今来た過酷な道を戻って島の入り口まで戻ろうとはしないよな…だったらお金払って楽して戻りたいもんな…。
まぁ、そんな訳で俺たち一行はお金を払いチート移動手段、船を使い島の入り口に戻る。正直…すっごく楽だった…。
「「ふぅ…すっごく楽だった!」」
「「こっちは船酔いしかけてます……」」
症状は見事に二つに分かれた。まぁ、なんとなくは分かってたよ…。
「この後どうする?まだ夕方だよ?」
「そうだ!大学の友達が教えてくれたんだけどね、いい場所があるんだ!」
珍しく自信満々の姉さんの案内でおすすめスポットへと移動する。電車に揺られて数分、降りっ立った駅の前には一面の海があった。
「ココだよ!割と有名だから来たかったんだ!」
確かに見たことはある、やっぱり画面越しと肉眼とでは大違いだな。
「そうだ!写真撮ろうよ!」
「私も思い出作りたいです!」
その意見には賛成だ。夏休みの思い出はやっぱり大事だからな。
それから俺達は駅から歩いて数秒の撮影スポットへとやって来た。
「それじゃあマー君シャッター押してね」
知ってた…。まぁ…とりあえず数枚写真を撮ったのだが…やっぱり有名なスポットなだけあって風景が綺麗だった、まぁ彼女たちもきれいだけど…。
「それじゃあ四人で撮ろうか!」
誰がシャッターを押すんだよ………えっ⁉
「そんなときのために自撮り棒を持参してました!」
だったら俺のシャッター係りの必要性ゼロだったじゃん!
ま…まぁ、俺も参加して改めて撮影をする。
「はい!チーズ!」
その掛け声とともに思い出の一枚が出来た。やっぱり思い出は大事だ!
「それじゃあこれLINEのホーム画にしてね♪皆でお揃いにしようよ!」
「良いですね!では早速…」
「じゃあ俺も…」
「私も…」
そんな訳でこの場にいる四人全員同じ写真をホーム画にした。なんか良いよね、こういうの初めてだからさ。
「それじゃあ…海岸で休憩しよう!」
「おぉ!」
さすがに疲れてたのな…。
「私もさすがに疲れました…」
「俺も疲れたよ…少しゆっくりして帰ろうか…」
体力が底をつきそうな俺達は疲れを回復するために海岸に足を運びまったりのんびりする。
「ふぅ…疲れた…」
「私もです…もう限界です…」
「私も限界…大学生は疲れやすいんだよ…」
それは関係ないと思う、いや絶対関係ない。
「私も無理…」
全員エネルギー切れだ…。
「それじゃあさ少し横になろうぜ」
「「「そうする…」」」
皆で横になる、やっぱり座ってるよりこっちの方が断然楽だ。
「ふぅ…涼しい…」
「はい…とっても涼しいです…」
「こっちの方が楽だね…」
「うん、でも眠くなりそう……」
確かに眠くなりそう……。
横になってしばらく、睡魔と戦いながら時間は流れて行った、そんな時奈津希さんが大声を出した。
「そうだ!」
「なに⁉どうしたの⁉」
一気に眠気が吹っ飛んだわ…。
「花火しませんか?夏の思いで作りましょうよ!」
「そうだね!花火したい!」
「うん!私もしたい!」
それじゃあ…花火の買い出しをしなければ…。
「じゃあ花火の買い出しはマー君となっちゃん!」
「「えぇ⁉」」
「拒否権は無いよ!じゃあ行って来て!」
無理やり送り出された俺達…近くのコンビニ…って言っても隣の駅付近まで行くことにした。
「それじゃあどうしよっか?隣の駅まで行かないとコンビニないみたいだから…電車で行く?それとも歩く?」
「歩いて行きたいです」
奈津希さんの要望により歩いてコンビニに行くことにした。線路沿いの海岸を歩きながらコンビニを目指す。
「なんかごめんね…」
「大丈夫ですよ、もう慣れました」
はぁ…慣れちゃったか…。
「そうだ!グリコしながら行きませんか?」
「おっ!良いじゃん!」
「負けたら罰ゲームですよ?」
「その罰ゲームとは?」
「勝った人の言う事を一つ聞いてもらうはどうですか?」
「良いじゃん!やろうぜ!」
そんな訳でゲームスタート!結果は…負けました……。
「はぁ…負けちゃった…」
「わーい!勝ちました!」
まぁ…どんな要求でもいいですよ…。
「じゃあ、約束通り言う事を聞いてもらいますよ!」
ゴクリ……。
「今度私と二人でお出かけしてください!」
それを聞いた俺は少し脳内で状況を整理し整理し終わったところでやっとリアクションをとる。
「えぇ⁉」
待って驚きを隠せないんだけど…。
「ちゃ…ちゃんと約束は守ってもらいますよ!」
「わ、分かったよ…約束するよ……」
ま…まさかこうなるとは思ってもいなかった…。
えっと…まぁ、一応ちょっとしたイベントを起こしつつコンビニにて花火の調達を終え帰り道にさっきの話の続きをする。
「そう言えば二人で出かけるって言ってもどこに行くの?」
俺がそう聞くと奈津希さんは少し黙ってからこう返してきた。
「まだ…決まって無いです…」
うん…なんとなくは知ってた…。
「じゃあどうするの?」
「それじゃあ正宗さんが決めて下さい!」
何故そうなるのだ…。
「いや…でもさ、やっぱり行き先は2人で決めたほうがいいと思うんだけど…」
流石に俺一人で行き先を決めるのは辛いし失敗が許されない…プレッシャーが凄いもん。
「そうですよね…やっぱり二人で決めましょ!」
そうしてくれるとありがたい…負担がキツくないから…。
まあ、そんな訳で色々とお出かけの話をしつつ、待たせている二人の元へと戻る。
「遅い!何してたの⁉︎」
「ごめん、色々と話してたり遊んだりしてたわ…」
それを聞いた叶は納得したらしくそれ以上聞くことはなかった。問題は姉さんだった…。
「遅過ぎて寝ちゃったよ!」
それを聞いた俺は姉さんの頭にチョップを打ち込んだ。それを受けた姉さんは「痛っ」とリアクションをする。
「お前が俺と奈津希さんで行ってこいって言ったのにその言い分は何事だ!」
ちょっとばかし説教をしつつ本命の花火の準備に取り掛かる。
主な下準備は俺が行い、姉さん達は花火の袋を開け仕分け作業をしている。
一応近場に消火用の水と…風に当たらないようにロウソクと…ゴミ袋と…準備が大変だ……。でもこれも思い出づくりのためだ、と言い聞かせる。実際こういうのは楽しいしな。
数分で仕分けが終わった女性陣。それが終わって数分経って俺の準備も終わった。いよいよ花火開始だ。コンビニで慌てて買ったものだからそんなに大したものは無いが小さな花火はいくつか買っておいたから楽しめるだろう。
「それじゃあ始めよう!」
叶の掛け声により小さな花火を楽しむ。砂浜でみんなで花火、シュチュエーションは最高だ。
「綺麗ですね」
「そうだね」
静かに盛り上がる俺と奈津希さん。それとは反対に馬鹿騒ぎして盛り上がる姉さんと叶。
「ダブル花火!」
「私はトリプル花火だ!」
大学生と高校生とは思えない絵面である。まぁ、でもそれがデフォルトっていうか、なんというか…。
「まだたくさんありますし…線香花火もありますよ」
「線香花火は最後でいいかもな、それじゃ…これにしようかな」
俺も純粋に花火を楽しむ。まぁ、友達と花火なんて初めてだし…。
「それじゃあそろそろ線香花火でもやります?」
「そうしようか、早めに撤収しないとまずいし…」
時間も気にしなければいけないという事を忘れかけていた…。
全員に配り終えたところで姉がこの場らしいことを言い始めた。
「せっかくだし勝負しようよ!」
「誰が長く出来るかって奴だろ?」
「それ以外になにがあるのさ」
まぁ…そうだけどさ…なんか腹立つな…。
「勝った人には…」
ゴクリ…
「マー君との一日宿泊権を与えよう!しかも二人きりだ!」
まぁ…なんとなくは分かってたよ?でも宿泊権だとは思わなかった…。
「絶対勝つ!」「絶対勝ちます!」
「でもさ、俺が勝ったらどうなるの?」
「うん、そん時は私達の中からお一人お持ち帰り出来ます!」
マジか…勝っても負けても辛い…。
「それじゃあ!勝負開始‼︎」
その掛け声と同時に全員線香花火に火をつける。絶対に負けられない戦いが始まった。
「あわわ…危なかった…」
落ちそうになって焦る俺氏。
「あっ!」
そんな時、俺の花火が落ちた…純粋に思った事は…「あっ…終わった……」だった。
「マー君が最下位だ!まだ私達にもチャンスが––––」
そう言った途端姉さんの花火も落ちた。
「あぁ…落ちちゃった……」
割と落ち込んでるのな…いつも二人なのに…。
「あとは私達だけだね」
「喋らない方が良いですよ」
ガチ勝負じゃん!
数秒して結果が出た。結論から言うと奈津希さんの勝利だった、でも…この子はあの件があるからね…。それに叶と姉さんは割とガチ目に落ち込んでる。なんか可哀想だ…。
「はぁ…いつまで落ち込んでるんだよ…」
「だって……勝ちたかったもん…」
「姉さんも…あなたは毎日一緒に居るじゃん」
「でも一緒に寝てないもん…」
はぁ…仕方ないな…。
「じゃあ、今の勝負無し!全員その権利をくれてやる!」
まぁ、良いよね…みんなハッピーだし。
「「ホントに⁉︎」」
「ここで嘘ついてどうするんだよ…」
「「やったぁ☆」」
全力で喜ぶ二人。
「正宗さんらしいですね、あんなに喜んでます」
「あぁ、それで良いんだよ…だってそっちの方が公平じゃん」
俺がそう言うと奈津希さんは少しニヤケながら囁くようにしてこう言う。
「私は二人でお出かけ出来る権利を持ってますけどね♪」
「それがあったか…」
「二人ともどうしたの?」
俺は慌てて「なんでもない」と答える。奈津希さんは笑いを堪えるようにしている。
「どうしたの奈津希ちゃん…」
「な…なんでも……ないです…ププ…」
怪しすぎだろ…。
「そんな事よりも…帰るぞ!」
そうして長い長い一日が終わった。江ノ島で過ごした時間は最高のものとなり、写真もまた一つ、花火もまた一つ、海でもまた一つ、沢山の思い出が出来た。またいつかこうやって遊びに行けたらと思う。それにラノベに関することもなんとなくは…分かった気がする……。この日での収穫はとんでもない量だった。純粋に楽しかった、疲れを忘れて楽しめた、友達と過ごす事がこんなにも楽しいなんて…。
でも…帰りは毎回大変なのはお約束……。
それに…まだあの約束が終わってない……。はぁ…俺の夏休みはまだまだ長いです…。
今回は夏休み編!正宗一行は江ノ島へGo!
そんな訳で夏休み編を見て頂きありがとうございます。
今回は前編という事ですので?もちろん後編があります。内容はこれを見れば大体分かるかな?
次回の後編はいつ更新かは分かりません…出来るだけ早くに更新出来ればと思います。
次回もお楽しみに!
【次回予告】
江ノ島での約束の遂行のため。
マンツーマンでお泊り!
それと、奈津希さんとデート⁉︎行き先は不明!着いてからのお楽しみ。
それに加えて学校課題の提出、かてきょーの登場⁉︎そのかてきょーの正体とは…。
『次回、夏休みの思い出!後編』
(次回予告と更新作品と内容が異なる場合があります、あらかじめご了承ください。)