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壊れた世界にこんにちは  作者: 丑三 浩二
2/5

いつも通り

今日は2人殺した。

3組のリョウコとサクラだったか

名前も忘れてしまった

なんでこんな事になったのか

ここに来てひと月

いや、こんな事になってひと月経つ今でも

俺はあの日を一生後悔するんだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「つまんねぇ」

「それな」

「もう行事も何も無いわけで、あとは受験勉強だけだしなぁ」

教室の隅、男3人集まって特に内容もない話をするのが最近の休み時間の使い方だ。


「にしてもあれだな、ホンットに俺ら彼女の1人も作れずに卒業だな」


「何言ってんだよ、まだ半年あんだろ」


「そうは言ってもみんな今は受験モード入っちゃってんじゃん?」


「恋と勉強は別だっしょ、まだワンチャンあるで」


「誰とだよ」


「知らねぇよ、

ってかリクさっきから何黙ってんだよ」


「お前まさか彼女いるんじゃねえだろうな!?」


「いねぇし、そもそも作る気もねぇし」


「それモテないやつの常套句だろ」


「うっせーわ」


ユウキとリキト、相変わらずうるさい奴らだがそれでもこの2人との仲は小学校2年から続くもので、親友と言うと少しこそばゆい気もするが、世間一般では俺たちは間違いなく親友なんだろう。


「でもさ、俺ら日本だからモテないだけでさ、

他の国とかならモテるんじゃね?」


「根拠なさ過ぎんだろ」


「あるって、ロシアとかじゃ日本人て人気らしいし」


「でもロシア住むとなると結構遠くね?」


「安心しろよ、ユウキは国籍とか関係なしでモテねぇよ」


「なぬ!!」


「それこそ別世界とかじゃないとな〜」


「リキトまで敵かよ!」


こんな話を延々と続けるのが最近の日課だ

そして今日も帰って、塾に行って、飯食って寝る。

単調なルーティンワークをこなす日々だ。




今日もいつもの3人、1つの机に3人弁当を広げていつものつまらない話をいつも通りしているわけだ


「ようようお前ら」


「なんだよドヤ顔して」

「なんだよキモい顔して」


「なんで1人は悪口なんだよ!

まぁいいさ、

とうとう見つけたんだよ!

俺がモテる方法を!」


「ついに壊れたか」


「ああ、もうこいつはダメだ」


「マジだって!見つけたんだよ!ネットで!」


「出会い系はやめとけよ、全部詐欺だから」


「違うんだよ!

リキトが言ったんじゃねーか」


「へ?」


「別世界だよ!

別世界に行くんだよ!」


「「は?」」


ユウキがバカなのは俺もリキトもよく知っていたが、まさかここまでとは、すっかり呆れ顔の俺たちを差し置きユウキは嬉々として話を続けた


「オカルト掲示板でよ!

『異世界へ行く方法』ってのがあってよ!

正方形の紙に赤い文字で【飽きた】って書いたのを離さずに持って、寝て、起きたら、異世界!」


呆れを通り越すと人間は完全に「無」になれるんだとこの時初めて知った。


「ユウキ、お前本気でそれで行けると思うのか?」

俺は諭す様にしてユウキに言葉をかけた。


「当たり前だろ!

インターネットに書いてあったんだぜ!?」


あぁ、そうかバカは諭せないんだ。

諦めた俺はもう好きに話させようと決めた


「で、それをやったのか?」


「いや、俺1人で行ってモテモテになっても悪いしさ、何より友達のお前らを置いて1人で行くと寂しいだろ?」


「要は1人で試すのが怖かったから俺らにもやらせようってことか」


「馬鹿馬鹿しい。いや、バカだ。」


「そんなこと言わねえでさー、

お前らどうせ成功しないとおもってんならやってくれたっていいだろ?頼むよ〜」


なんでこいつはこんなにも必死なのか、

まぁ確かに明らかにガセネタの都市伝説を試すくらいどうと言うこともないし、俺たちはその頼みを受け入れた。





家に帰り、塾へ行って、飯食って

このまま寝ようと思ったが

そうだ今日はまだやる事があったんだ

頼まれた通り、学校のプリントを正方形に切って赤の油性ペンで 飽 き た としっかり書いて

寝てるうちに離さないようにセロハンテープを手に巻きつけ固定した。

そしていつも通り眠った。





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