表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/28

第3駅 魔術と友達

 この世界は走っている。

 家に帰ってからというもの、俺はずっと王国列車のことを考えていた。

 やがて母さんや村人の話から、王国列車のことが少しずつ分かってきた。


 形式としては五両編成。

 王都先頭車両、宗教車両、研究車両、農業車両、スラム車両となっている。


 面積は、一両それぞれが細長い島くらい。

 車両構造は、天板部分が居住スペース、車両内部がダンジョン。

 動力は、ダンジョン奥深くにある旧文明の遺産。

 燃料は莫大な魔力。

 そこらにある煙突は車両内部の排気ガス放出装置という。


 ここまで知り、俺はこの国の運転士になりたいとさらに強く思うようになった。

 運転士になって真奈を探すんだ!


 さて、気合も入ったところで、運転士になるために何をすればよいか考えないと。

 ロロークさんの格好を見る限り、彼女はかなりのエリートっぽかった。

 きっと勉強はできないと駄目なのだろう。

 読み書きはもちろん、一般常識だって理解しておかないと。

 あと、たくさん食べて、たくさん寝て、健康な体作りにも努めないとだ。

 よーし、頑張るぞ。


  ◆ ◆ ◆


 夢の運転士計画を始めること早二年。

 母さんの話をよく聞き、よく守り、その背中を見てすくすく成長していった俺。

 気付けば、三歳となっていた。

 他の村の子をぶっちぎって読み書きをマスターした。

 聡明なお子さんだと村でも評判である。

 よし、そろそろ計画を次の段階に移すとしよう。


 というわけで俺は、屋敷にある書斎を漁ることにした。

 もうすっかり歩くこともでき、家の中は俺の城。


 運転士になるための課題は山積みである。

 母さんたちが言うには、運転士には魔術やその他多くの能力が求められるそうな。

 とにかく本を読んで勉強しないとだ。


 現在、王国列車は駅島に停車中、屋敷には俺だけであり、母さんは冒険者として駅島のダンジョンへ潜りにいった。

 ささ、母さんがいない間に本を拝借しちゃおう。

 帰ってくるまでに魔術の一つ二つを身に付けて驚かしてやるんだ。


 屋敷の二階に上がり、廊下奥のずいぶんほったらかしにされた扉を開ける。

 ギギイ、と扉を軋ませ中に入った。

 おお、結構な量の書物が棚に並んでいるな。

 それにどれもかなり読み込まれた形跡があるぞ。

 もしかして母さんも運転士になりたかったのかな?


 とりあえず〝運天士の心得〟と〝魔術大全〟という本を借りることにした。


 まず運天士の心得を読もう。

 一階大広間のソファにボスッと腰を下ろしてパラパラ。


「ふむ、ふむ……」


 どうやら、ロロークさんの職業は正確には運転士ではなく、運天士というらしい。

 読みは一緒だけど、字が違う。


 で、運天士の数は国列車に一人だけ、世界でも合計七人しかいない。

 よって〝七天士〟と呼ばれて称えられるそうな。

 読み聞かせてもらった物語の中の英雄そのままだ。


 そんな運天士のお仕事はこんな感じ。


・国列車の運行

・空賊など外敵の撃退


 うん、エリートだな。

 おかげで求められる能力も高い。


・語学 一番線語、二番線語、三番線語に堪能なこと

・魔術 白魔術、黒魔術、銀魔術のいずれか一つを特級まで習得すること

・武術 白陽流、黒天流、銀星流のいずれか一つを特級まで習得すること

・器量 車霊体に認められること


 これ全部、運天士の資格要項である。

 幸い〝鉄オタお断り〟という最悪の文言はなさそうだった。

 ならばこっちのもので、俄然やる気が出てきたぞ。


 とりあえず、なんとかなりそうな項目から押さえておこう。


 【語学】についてだが、これは後回しにした方がいい。

 この世界は三本ある主要路線ごとに言語が違ってくる。

 一番線語は天人、獣人、竜人族の言語。

 二番線語は人族の言語でこの世界の共用語。

 三番線語は魔族の言語。

 俺が習得したのは二番線語だけ。

 すぐに他の言語も取得したいけど、一番線語も三番線語も身の周りで喋る人がいないから難しい。


 【武術】も無理。

 体のできていない三歳児には時期尚早だろう。


 となると【魔術】か。

 誘拐されそうになったあの時、俺に魔力らしきものがあるのは分かった。

 ならば、やってできないことはないと思う。

 善は急げである。

 運天士第二項魔術、さっそく挑戦だ。


 魔術大全を取り出しパラパラめくる。

 ……なるほど、魔術を使うにはやっぱり魔力が必要らしい。

 本によれば、この世界の人間には〝魔脈〟という魔力の通り道があるそう。

 おや、魔脈の構造が本に図解されていた。

 人体模型みたいな絵で気持ち悪い。

 体中に血管みたいに張り巡らされているのが魔脈らしい。

 動脈、静脈、魔脈といったノリなのだろう。


 魔脈の種類は五つ。

 霊脈、火脈、水脈、風脈、土脈、だ。


 そんな五つの魔脈を通る魔力は二種類。

・白魔力 霊脈を通り、物に強弱をつける

・黒魔力 火脈、水脈、風脈、土脈を通り、現象を発生させる


 ということらしい。

 そして体内の白魔力と黒魔力の比率には個人差がある。

 これを魔力体質というそうな。

 体質によって扱える魔術の種類も変わってくる。


 魔術の種類は三つ。

・白魔術 白魔力を使った魔術。霊属性による肉体強化など

・黒魔術 黒魔力を使った魔術。火、水、風、土属性の発生など

・銀魔術 白と黒の魔力を混ぜた魔術。特殊な現象を起こす


 この三つが基本で、魔力体質により、どの魔術をメインに修めるか決めるのがセオリーらしい。

 白魔力の比率が多いのなら白魔術をメインに、といった具合だ。


 となると、自分の魔力体質を知らないといけないな。

 初心者の場合、体の魔脈を切断して漏れ出る魔脈液を確認するべし、と書いてある。

 結構スパルタだけど、やってみる。


 すぐに台所から包丁を持ってきた。

 本の人体図解に合わせて、適当な魔脈を……切る!


 とりあえず指先の魔脈が切りやすそうだったので、一本ちょびっと切断。

 すると、一文字の傷から血の玉が浮くと同時に……、


「うわ、何か出てきた」


 金色の体液がぽたぽたと流れ出てきた。

 床へ落ちる前に、すぐ揮発して金色の蒸気となって宙に上っていく。

 おお、これが俺の体質か。

 このパターンはなんなのだろうと本をめくる。


・純白体質 真っ白な魔脈液が特徴。白魔術にとても優れるが、黒魔術は苦手

・暗黒体質 真っ黒な魔脈液が特徴。黒魔術にとても優れるが、白魔術は苦手

・銀灰体質 銀色の魔脈液が特徴。銀魔術にとても優れる


 おや、金色については書いていない。

 ……例外もあるってことかな。

 仕方ない、それっぽく黄金体質と勝手に名付けておくか。


 さて、魔術を実際に使えば何か分かるだろうと、本をパラパラ。

 なになに、魔術の階級は白、黒、銀ともに五段階らしい。


 初級、二級、一級、特級、超特級となっている。


 初挑戦だからまず初級にしておく。

 初級魔術はそれぞれ、


 初級白魔術【ロックフィスト】:拳の硬化※霊属性

 初級黒魔術【ファイアボール】:火球の発生※火属性

 初級銀魔術【ローヒール】:傷の回復※霊属性+水属性


 ふむ、黒魔術が一番魔術って感じがする。

 よし、黒魔術にしよう。

 黄金体質の黒魔術適正がゼロでないことを祈る。


 と思ったけど、よく考えたら火は駄目だな。

 子供は火遊びしては駄目! と母さんに言われていた。

 特に今は、家に俺一人だし。

 じゃあ、他のだ。

 パラ、パラ、パラ。


 初級黒魔術【アクアボール】:水弾の発生※水属性

 初級黒魔術【マッドボール】:泥弾の発生※土属性

 初級黒魔術【ウインドボール】:風弾の発生※風属性

 初級黒魔術【ストームショット】:暴風弾の発生※風属性+水属性

 初級黒魔術【メタルショット】:金属弾の発生※土属性+風属性


 お、金属か……。

 金属が扱えれば、もしかしたら将来的に電車が作れるようになるかもしれない。

 鉄道製作にも金属は欠かせないし。

 よし決めた、金属魔術にしよう。


 本を持ってさっそく庭に飛び出した。

 詠唱式の文が本に書いてある。

 とりあえず庭奥の森に向かって手をかざし、


「大いなる土よ、風よっ。今ここに鋼鉄の砲弾を与えたまえ、メタルショット!」


 詠唱すると、体の中心部分から外に向かって魔脈がドクンドクンと脈打った。

 そして手のひらから金属の弾が射出された。

 パチンコ玉くらいのが五メートル……この世界風に言うと五メトロくらい飛んだ。


 失敗か? でも、初めてにしては上々なのかな。

 よし、もう一回。

 手を構えて、


「――メタルショット!!」


 と、勢いよく詠唱すると、手の魔脈が一瞬輝いた。

 すると、さっきより大きい金属弾が十メトロ飛んだのだ。

 ……なんだかさっきより、しっくりきたぞ。


 じゃあ、もう一回だ。


「――ショットッ!」


 ヒュッ、ガサガサ!


 わあ、今度は森まで届いた。

 まだまだ勢いが足りないけど、使えば使うほど上手くなる。

 なるほど、魔脈が魔術に応じて馴染んでいるんだな。


 それから一時間。

 三十回くらい練習したら、金属弾魔術を無詠唱で行えるようになった。

 どうやら魔術を使い込んで、魔脈に詠唱式を記憶させれば無詠唱が可能となるみたい。

 つまり魔術を体に覚え込ますってこと。

 初級だからか、結構簡単だったな。


 手の平を日光にかざせば、ずいぶんと魔脈構造が複雑になったのが透けて見える。

 最初は一本二本と頼りなかった脈が、今では木の枝みたいに絡み合って、魔術プログラムができている。

 きっとこんな具合に魔脈をどんどん鍛えて組んでいくのが、この世界の魔術鍛錬なんだろう。


 調子も出てきたので、次の魔術を覚えようと本を手に取ったところ。


「こんにちは~」


 おや、屋敷に誰かやってきた。


 そういえばもう昼になるのか。

 おそらく村の人が迎えに来たんだろう。

 母さんが言っていた、私がいない日は、近所の農夫婦のところでお世話になりなさいって。

 さすがにまだ三歳児だから、ずっと一人で留守番ってわけにはいかないのだ。


「はーい」


 待たせちゃ悪いので、玄関扉を叩く奥さんのところに駆け寄った。


「あらトレインくん。お庭にいたのね。ほら、もうお昼だから、うちにいらっしゃい」


 奥さんはニコッと笑って手を差し伸ばす。

 何度か見たことあるけど、母さんに負けず劣らず綺麗な人だ。

 それに、なんだかムチムチしてる。


 もち肌の手を取ろうとしたら、奥さんの後ろから小さな子どもがひょこっと顔を出した。


 芝生みたいな金髪のベリーショート、大きな黄金の目がくりくりしてる。

 短パンにすりむけた膝小僧、なんだか活発そう。

 おお、手に何かでっかい虫を持っているね、す、すごい。

 そんな坊やはぴょんぴょこ楽しそうに跳ね、俺の手を握った。

 おお、親子そろってもち肌だ。


「トレイン! あしょぼっ」


 さすがにまだ舌っ足らずな喋り。

 確か、奥さんのところに俺と同い年の子供がいるらしいが、この子がそうなのだろう。

 こうして話をするのは初めてだな。

 というか今まで赤ん坊同士だったから無理もないか。


「えっと君、お名前は……?」

「僕、フィフィ!」


 へえ、結構可愛らしい名前だな。

 しかし虫を頭に乗せるとは、図太い神経してる。

 すると奥さんがフィフィ坊の頭から虫を逃がして、くすりと笑った。


「フィフィったら、あなたのことを知って、遊びたくてたまらないみたいなの」

「元気ですね。俺、こういうの嫌いじゃないです」


 子供は風の子、元気な子だから。

 これくらいでちょうどいい。

 こうして俺はフィフィというやんちゃ坊主と知り合い、奥さんの家に向かった。


  ◆ ◆ ◆


「これは、なあに?」

「これは列車だね。俺のおもちゃ」


 玩具を渡してやると、フィフィ坊はとても気に入ったようだ。

 子供はそういうの好きだもの、その気持ち、よく分かる。

 すると今度は俺の本を指差して、


「じゃあ、これはー?」

「これは本だね。魔術の本」

「まじちゅ!」

「はは、言えてないね」


 昼飯をごちそうになった後、奥さんの家でフィフィ坊と遊んでいた。

 列車のおもちゃを転がしたり、本を読んだりして。

 昔、孤児院で小さな子と遊んだ思い出がよみがえった。


「ねえねえ、まじちゅってなあに?」

「えっと不思議なことを起こすものだね」

「へーえ!」

「じゃあ、ちょっと見せてあげるよ魔術」


 ふふ、少し楽しませてやろう。

 魔術で金属玉三つ作り出し、ほいほいっとお手玉を披露。

 種も仕掛けもないから、フィフィ坊の目がキラキラっと輝いた。


「わあ、すごい! それ、どうやったの? まじちゅ、僕もやりたい!」

「フィフィには無理だよ。ちゃんと魔脈ができてないし」

「やる! やるったら、やる」


 なんと、頑固な。

 ああっ、そんなに地団太を踏むな、床が抜けちゃうって。

 するとフィフィ坊は俺から本を奪い取って、アクアボールの詠唱式を読み上げた。

 いや、ほとんどまともに読めてないけど。


「われ、おーいなるみじゅの精より力をあじゅ、あ、あじゅ……ぐぬぬ、えーい! アクアボール」


 出ない。


「アクアボール!」


 うん、出ないよ。

 詠唱式、はしょりすぎだもん。


「……フィフィには無理だよ」

「できるもん!」

「いいじゃない、無理にやろうとしなくても」

「いやだ! トレインみたいにやりたいっ」

「無理だと思うけどなあ」


 俺が言うのもなんだけど、三歳児には早い。

 ちゃんと魔脈を鍛えないと駄目だよ。


 二週間後。

 最近忙しいみたいで、母さんは冒険者の仕事で駅島のダンジョンに行ってしまった。

 だから今日も、フィフィ坊の家で世話になる。

 ちなみにフィフィ坊は俺から魔術大全を奪って、毎日毎日魔術に挑戦していた。

 字もロクに読めないのによくやるよ。

 ここずーっとアクアボール、アクアボールと連呼してうるさいんだ。

 だけど、残念ながらフィフィ坊に黒魔術の才能はあまりなさそうだった。

 上手くいかず泣きそうになっていたので、列車の玩具をプレゼントしてやった。


 さらに一ヶ月後。

 フィフィ坊は家裏の畑に俺を連れ出した。

 ザクザクザクッと、柔らかい土を踏みしだいて、豪快な足取りである。

 さすがは農家のお子さん、靴とか泥んこだけど、彼はそんなの気にしないんだよね。

 どうやら、とっておきがあるらしいのだが……。


「トレイン、見ててっ。まじちゅ、やるから!」


 立ち止まったフィフィ坊はこっちに振り返った。

 頬に泥のついた笑顔に、なんだか微笑ましい気分になった。

 しかし魔術か、才能はあんまりなさそうだったけど習得したのか。

 中々根性あるな。


「へえ、まだ魔術に飽きてなかったんだ」

「いーから、見てて!」


 フィフィ坊は自信ありげに口元をキュッと引き結び、畑に生えている野菜の一つをズボッと抜いた。

 大根みたいな白くてたくましい野菜だ。

 新鮮野菜を取り出して何をするのだろう。


「えいっ」


 フィフィ坊は何やら野菜に向かって集中を始めた。

 すると、にょきにょきと野菜の形が変わっていき……やがて剣みたいになった。

 不格好で大根っぽいけど、間違いなく剣だ。


「へへん、チョロカブソードだー!」


 この世界は大根のことをチョロカブと言うらしい。

 青空に高々と大根みたいな剣を掲げるフィフィ坊。

 よく分からん魔術だが、何気に無詠唱だよ。

 やるじゃないか、だけど変な魔術だね。


「ははは、チョロカブソードって……。君、面白いなあ!」

「とりゃー!」


 笑っていると、フィフィ坊がチョロカブソードでゴチンと頭を叩いてきた。

 わっ、痛い!

 思わず転んで尻餅を突いてしまった。


「イテッ、やめろ!」


 青空の下、ちょっとした悲劇。

 畑の上をごろごろ転がって逃げる。

 うわ、結構高そうなズボンも服も泥んこになっちゃった。

 だけどフィフィ坊は止まらない。


「どうだ、参ったか? えいっ、えいっ」

「いてっ、いてっ」


 くそ、この馬鹿! 子供だから手加減を知らないんだ。

 しかし野菜なのにめちゃくちゃ固いぞこれ。

 石のこん棒で殴られているみたい。


 たまったものじゃないので鉄のヘルメットを作ろうと、魔力を練る――が、失敗。

 いけね、まだそういう魔術プログラムは組んでなかった。

 仕方ないので、慣れ親しんだ金属弾を飛ばして、チョロカブソードを粉々に砕いてやった。

 野菜なのに、ガシャンとすげえ音を立ててびっくり。

 遠くの方で牛さんも驚いているよ。


 剣を壊されて、やっと大人しくなったフィフィ坊。

 いてて、たんこぶができちまった。

 きれいな顔してるくせに、なんてやんちゃ坊主だ。

 まあ、まだ三歳児だから大目に見てやるけどさ。


「おい、フィフィ。君なあ、痛いじゃないか! この馬鹿たれ」

「どーお、トレイン。しゅごかった?」


 むう、いい笑顔だ。

 悪気はないんだよなあ。

 おかげで毒気が抜かれた。


 フィフィ坊のほっぺたの泥をぬぐってやる。

 わあ、相変わらず気持ちのいいもち肌だ。


「そりゃ、すごいけどさ……。手加減してくれよなあ。ほらほら」

「ほっぺ、つっつくない。むう、お返しだ」


 やめて、たんこぶを触らないで。

 痛い、頭がズキズキする。


 しかし驚いたなあ、さっきの野菜ソードは白魔術ってやつだ。

 おそらくチョロカブの硬さを強化したんだろう。


 この時、何となくフィフィ坊に対して、ライバル意識のようなものが芽生えた。

 同じ三歳児にして魔術を操る幼児。

 彼となら魔術を競い合っていけると思う俺だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ