第25駅 夢の続き
ララァの計らいで泥城で世話になり始めてから数日が経った。
昼下がり、今日の魔界列車は珍しく霧が薄い。
現在、ララァに頼まれて池につながる小川で俺は洗濯物をしているところだった。
少し遠くではコークスさん監修の下、真奈とフィフィが穴だらけの城の屋根を補修している。
と、引きこもりであるユニセリアさんの身の回りの世話をしてやっていると、ご本人が川沿いの線路を転がって目の前を通りかかった。
「ユニセリアさん、こんにちは」
意思疎通を図ろうと、棺桶の中の運天士様に挨拶してみる。
けど、恐る恐る停車するだけで黒い箱からの返事は今日もなかった。
今だってこの人の寝巻を洗ってやっているってのに酷い人だよ。
ユニセリアさんはしばらく俺の前で物言わず停車していたが、やがて線路の導きのままゴロゴロとどこかへ行ってしまった。
多分、日課の散歩だろう。
風呂に入らないし、食事をしているところも見たことないが、親父の作った線路で出かけることは好きみたい。
ヒラヒラの付いた案外可愛らしい寝巻を洗っていると、ふと、ララァが飛んできて俺の肩にとまった。
『よっ、少年! 感心感心、ユニーのお世話を頑張ってくれているみたいだね』
「宿代の代わりだからね。ま、そのユニセリアさんには無視されていて悲しいけれど」
『そんなことよりだよ。一つ君に言い忘れてたことがあったの』
「へえ、何?」
『君がここに来るようなことがあったらって、リニアードから言伝があったのよね。聞く?』
ピクリと反応し、汚れがしつこい洗濯物から手を放した。
裾で濡れた手を拭うと、俺はララァへ視線を向けた。
「それは大事だ。聞かせて」
『じゃ、リニアードからの言葉はこうよ。〝ここまで来たことは褒めてあげよう。だが私と行動を共にしたいのなら……まずはユニセリアに認められることだね。私の進む道に足手まといはいらない〟だってさ』
「むむ、かなり挑発的だ」
『リニアードは何考えているか分からないところがあるからね。それだけに子供を作って来たって聞いた時は驚いたものよ。ねえねえ、あの男を射止めたのはどんな女の人だったの?』
「とっても強くて優しい人だったかな。それに比べて親父ときたら、一度も顔を見せないどころか、ユニセリアさんに認められろ、とかね。まったく無理難題を吹っかけてくれる」
『ごめんね、ユニーのことは私から謝っておくわ。けど、あの子も色々と抱えているから許してあげてね。……って、九歳のお子様に言うことじゃないっか、てへへ』
妖精さんのテヘペロは趣味じゃない、それに母さんのことはもう考えない方がいいんだ。
今は放浪親父に会って、腹は立つけれど話を聞かないと。
噂を聞く限りでは、すごい学者で魔術師みたいだから真奈を元に戻す方法だって何か知ってるはず。
さ、洗濯物を再開しよう。
しかしまあ、ユニセリアさんの寝巻の汚れは酷いこと。
えらくカピカピになってるけど、一体何をしたらこうなるのか……。
俺は洗濯をしながら、これからの予定をぼんやりと考え始めていた。
「そろそろ武術の修行も本腰入れないと。ユニセリアさんを棺桶から引きずり出せないようじゃ、話もできやしない」
『あ、そのことなんだけど私からも条件をつけていいかしら?』
「条件? まさか、ユニセリアさんの世話以外にも何かしろっていうんじゃ……」
ユニセリアさんは言わずもがなだけど、ララァもやたらと俺たちに面倒事を押し付けてくれる。
俺たちのことを便利なお手伝いさんか何かだと思っているのかも。
不安を抱きながらララァに話を聞いたところ、親父に会うための追加課題だ、と言った。
どうやら運天士の補佐をしてほしいらしい。
ララァがこちらに期待の眼差しを注ぎ、事情を話してくれた。
ユニセリアさんは棺桶に引きこもってしまっているので魔界列車は色々と大変なんだと。
無法地帯で空賊グループの温床になるわ、冒険者ギルドも廃業寸前で物資の調達が滞るわ、鉄道員不足で列車もボロボロだわで、ララァの力だけではどうにもならないくらい酷い状態らしい。
車霊体として、彼女はそんな状況を良しとしていないわけ。
ララァは俺の周りを嬉しそうに飛び回り、すっかりその気で上機嫌。
これで終点まで車体が持ちそうだわ! と喜んでいる。
こっちはまだ返事もしてないのに、まったく調子がいいね。
『ふふふ~ん。と言うわけで、期待しているぞトレイン君! 頑張って、魔界列車を豊かにしてねっ。数少ないけど、住民たちへは君たちに協力するよう伝えておくからさ』
「……まったくもう」
断ろうにも、リニアードは普通に探すだけでは絶対に見つけられない場所にいる! と、ララァに脅かされてしまう。
それに次の駅大陸まで別の国列車に乗り換えるのは難しく、逃げ場所をなさそうだった。
俺に選択肢はなかった。
こうして列車が次の駅大陸に着く五年後までの目標ができてしまった。
魔界列車を豊かにするため、空賊グループの討伐、冒険者ギルドの復興、鉄道員の育成、そしてユニセリアさんに認められなければならない。
俺一人では厳しいが、みんなと協力すればきっとできる。
そう考えて、さっそく鉄道員の育成をコークスさんに頼んだらげんなりされた。
み、みんなで協力すればできるさ……多分。
それから三年の月日が流れるのはあっという間だった。
◆ ◆ ◆
――真奈視点――
私たちはそれぞれの形で魔界列車の生活に順応していました。
トレインさんは、まんべんなく魔界列車のために動いています。
フィフィさんは、冒険者の卵の方と冒険へ出て、駅島から物資の調達ですね。
コークスさんは住民に対して講義を開き、鉄道員の育成に精が出ています。
アルジェリカさんがたまに顔を出した時は、空賊組織の退治といった感じ。
私はというと、ララァさんと一緒に列車中枢にて列車の保守管理をしたり、コークスさんの講義の助手をしたりしています。
そんな日々を過ごし、魔界に来てから三年が経つのはあっという間でした。
朝鳥が窓の外で鳴き始めたころ、私は目を覚ましました。
うう、昨晩は寝苦しくて、朝から気分が重いですね。
「う、んん……またあの夢、ですか」
いまいちすっきりしないままベッドから起き上がると、トレインさんとの修行に臨もうとするフィフィさんが着替えをしているところでした。
彼女は背中まで伸びた朝焼けの空のような金髪を紐で括ると、こちらに気付きます。
朝も早いのに、もう目がパッチリと覚めていて元気いっぱいでした。
「おはよっ、マナ! んーと、そこにある服とって。ちょっと汗臭いの」
着替え中のフィフィさんは上半身裸のままベッドに腰掛けると、革のブーツを履き始めます。
年齢の割に大きめな胸、筋肉が付きつつも柔らかそうな白い肌が、窓から射し込んだ朝日に照らされています。
才能溢れる剣士であることを否定するように、女性らしく成長する彼女に少し見とれてしまいました。
「えっと服は、これですね」
高性能まにぴゅれーたー、とトレインさんが称する手で、床にあった白い服を拾います。
私の体は、金属の光沢があって硬そうで、フィフィさんとは対照的だな、と実感します。
「今日はトレインさんとの修行ですか?」
「うん、そだよ。今日はコークスおじさんの鉄道講義よりも僕の方に付き合うつもりみたい。へへ、今日こそはギャフンと言わせてやるんだっ」
「ふふ、頑張ってくださいね。でも、トレインさんはすごいですよね。魔導機関や語学の勉強をしつつも、武術の修行だってしているんですから」
おまけにアルジェリカさんの右腕として討伐した空賊は一つや二つじゃありません。
彼は、本当にすごいんです。
アルジェリカさんやフィフィさんに言わせれば、常識にとらわれない奇天烈な魔術師だそうな。
もっともフィフィさんはトレインさんの有り余る才能に対して、複雑な感情を抱いているみたいですが。
私から服を奪い取ると、柔らかそうなほっぺたをいっぱいに膨らませてしまいます。
「ふ、ふんだっ! 今に僕があいつをボロボロに負かしてやるから見ててよ。あんな機械いじりに熱心なやつに負けてたまるかってんだっ。……ああもうっ、また胸が邪魔で服が合わなくなってきちゃったな」
女性らしくなっていく見た目とは裏腹に、フィフィさんの対抗意識は日々強くなっているみたいです。
僕には武術しかない、だからそれだけはトッくんに負けたくないんだ! とのことです。
アルジェリカさんを師事して、もうすぐ彼女は白陽特級の仲間入りをするそうです。
こっちも銀魔術のお稽古を頑張らないと、と思っていると、服を着ながらでフィフィさんは思い出したように立ち上がりました。
私の隣に腰かけると、お人形さんのような愛らしい顔を曇らせてしまって、どうしたのでしょう。
胸元のボタンを窮屈そうに留めながら、
「そういえばさ、マナ。今日も夜中、うなされていたみたいだけど大丈夫?」
「あ、はい、またあの夢を見ました」
「銀色の魔術師が出てくるっていう例のやつだね」
私は最近、不思議な夢に悩まされています。
ここ三年の間で、トレインさんとコークスさんに体を改良されたことが原因かもしれません。
体が人間に近づくほど、その夢の内容は具体的になっていき、なぜか苦しくなるのです。
夢の中、歩けない女の子がいて、その子をどこかへ連れ出してくれようとする男の子が出てきます。
女の子はその男の子のことが好きだったみたいです。
でも男の子は女の子のことを妹くらいにしか思っていませんでした。
そんなある日、女の子を連れ去ろうとした組織によって、その子を守ろうとした男の子は殺されてしまいます。
悲劇を目の当たりにした女の子は、その場にいた銀色の魔術師さんに願うのです。
「私の大好きな人を助けてっ。なんでもするから」
「いいだろう。その方がこちらとしても扱いやすい。だが彼を助けるためには、それ相応の代償は払ってもらう。……それでもいいかね?」
「そ、そんなの当然だよっ」
夢はそこで終わってしまいます。
なんなんでしょう、この夢は……。
私は何か、大切なことを忘れている気がしてなりません。
憂鬱な朝を経て、お昼前となりました。
教室に改装した城の一室で講義の準備をしているコークスさんに、夢の話をしてみます。
彼は私の体のことを、整備と称してこまめに気遣ってくれます。
私の要望を聞きいれてくれて、トレインさんと一緒に考案した新しい設計図を持って来てくれたりとすごく真摯です。
最初は苦手だったけど、今では彼を頼りにするようになっていました。
彼なら私の異変の原因が分かるかも、と期待してしまいます。
コークスさんはあまり寝ていないのか、教壇の上で欠伸をしながら学術書をパラパラめくっているところでした。
「さて、今日はあの物覚えが悪い受講者どもにどう教えてやろうか……」
「あの、コークスさん」
「おお、マナか。もしかして今日は講義の助手をしてくれるのか? やっぱり見本があった方が講義がやりやすい。魔導機関の実働例ってやつだ」
にやりと笑って、コークスさんはなんだか嬉しそうです。
彼は魔導機関の実働例として、私をよく助手に誘ってきます。
でも、こちらとしては体を分解されるのはちょっと……。
押し切られる前に、私はふるふると首を振り、
「いえ、コークスさんに相談がありまして」
と、話を切り替えて夢のことを伝えると、
コークスさんは眉間にしわを寄らせて、真っ赤な髪の毛を指先でいじりながら、困ったように唸りました。
「またそれは難しい問題だな。……お前はオートマタでもかなり特殊な例だからな。普通のオートマタはただの魔力を動力にしてるから意思なんかねえが、お前の場合は車霊体っつう魔力生命体で魔導機関を制御してる状態だ。一筋縄じゃねえよ」
コークスさんは学術書をめくりながら、頭を抱えてしまいました。
「車霊体については分からないことが多い。俺から言わせればお前の存在自体、理論としてある魔術では語れない領域にある。一整備士として扱える問題を越えちまってる」
「そ、そうですか……」
「悪いな、俺にしてやれるのはお前の体を改良することくらいか。精神的なものはちょっと専門外だ」
私は車霊体という存在ですから、型にはめて考えることができないみたいです。
はあ、自分は一体何者なのでしょうか?
肩を落として、ああ、憂鬱。
そのまま教室の窓へ近寄り、庭園で修行しているトレインさんとフィフィさんの様子を見つめます。
あ、今日はアルジェリカさんもいるみたいですね。
二人とも頑張れっ、と応援していると、あら、何かが肩にとまりました。
振り向くと、妖精さんを思わせる小さなララァさんがちょこんと乗っていました。
『やあ、後輩ちゃん。今日はずいぶんとお悩みみたいだね?』
「こんにちはララァさん。今日は列車の保守のお手伝いですか? それとも魔術のお稽古ですか?」
ララァさんには車霊体仲間として、国列車の中枢にて保守のお手伝いを頼まれることがあります。
それ以外では車霊体用魔術などを教えていただいています。
だけど、ララァさんは普段の無邪気な様子から一転して、神妙な面持ちとなってしまいました。
コークスさんを気にしているのか、ボソッと耳打ちです。
『あなたにお客さんが来ているわ。……いきなりだったから、私も驚いたんだけどね』
「お客さん、ですか?」
『いや、本当に驚かされたわ。にしても、どうやってあの大物を口説き落としたのかしら』
話の全容が見えませんが、ララァさんに案内されるまま、列車中枢であるお城の地下へ向かいました。
お城の螺旋階段をぐるぐる下りていき、真っ暗な空間の奥深くへと身を投じていきます。
明かりはうっすらと発光するララァさんだけで、辺りは不気味な雰囲気ですが、私はなぜかこの場所が嫌いではありませんでした。
ララァさんも、ここが私たちの居場所よね、とどこかのんびりとした様子で前を飛んでいます。
下りることしばらくすると、ララァさんの仕事場で寝床でもある列車中枢へと着きます。
お花が咲き始めていたのどかなお城周辺とは別世界、そこは錆びついた鉄の配管が林のようにところせましと貫いていたり、鉄網床の奥底では歯車が重苦しく回っていたりします。
私が歩くたび、こすれ合う金属のざらついた音が地上へ吹き抜ける闇に吸い込まれ、消えていきます。
ララァさんが配管を上手くよけながらパタパタと前を行き、ふとこちらを向きました。
『多分、色々言われちゃうと思うけど、あまり気にしないようにね』
「は、はあ……」
お客さんとはどのような人なのでしょうか。
ララァさんが案内してくれるのですから、悪い人じゃないとは思いますが……。
破裂した管から漏れる魔力の層を抜けたところ、開いた場所に出てこれました。
そこには車霊体が眠る鋼のゆりかごと、ごく一部の人だけが使用できる改札転移装置があります。
他にはララァさんが趣味としてる小さな釣竿が何本か壁に立て掛けられていますね。
そんな場所に見覚えのある人影が二人。
使われなくなってずいぶん経ってそうな机で落ち着きつつも、どこかピリピリした空気を放っています。
ララァさんの自発光に照らされて、あらわになった彼らに私は思わず身構えました。
「亡霊殿、目当ての方が来たようですよ」
「久しぶりだなマナ。元気そうで何よりだよ」
そこにいたのは、かつて私たちと敵対した運天士の天衣無縫さんが。
そして私をダンジョンに封印して、夢に現れた銀色の魔術師さんも。
「ど、どうしてお二人が……」
震えた声の私をどう捉えたのか、天衣無縫のシャナクさんは、にっこりとほほ笑みます。
中性的な顔立ちを綻ばせられたら、親しげな気配すら感じてしまいます。
以前もそうでしたが敵意はないのでしょうか、自然体のまま椅子に腰かけているのです。
「言ったでしょう、あなたたちは興味深いとね。車霊体との恋……その叶わない恋の結末はいかなるものか、そこに終点駅はあるのか。と、私は運天士として気になってしまったのです」
「マナ、安心したまえ。彼は訳のわからないことを言っているようだが、これでも運天士として世界の真実は見えている。多少、おかしな趣味を持っているようだが、ね」
やれやれと天衣無縫さんを一瞥すると、銀色の魔術師さんが私の方に歩み寄ります。
彼には嫌な思い出しかありません。
後ずさって逃げ出そうとすると、ララァさんが私の肩に乗って囁きます。
『見るからに怪しさ百点満点だけど。大丈夫、敵じゃないわ』
そ、そんなこと言われたって……。
すると今度は天衣無縫さんです。
「マナさん、あなたはトレイン君のことが好きなのでしょう? だったら、あなたは自分を知るべきだ。彼の車霊体として、終点駅を目指したいのならね。運天士としての助言です」
「ということだ。しかし面倒なことになった。記憶が戻れば扱いづらくなることは間違いないというのに……」
「ですがね、亡霊殿。そうしなければならないと私と彼女は確信していますよ」
「本職の人間と、あのお人好しに言われてしまってはな……仕方ないと諦めるしかない、か。ゴホッ、ゲホッ、なるほど逆らっていては命がいくつあっても足りはしないようだ」
銀色の魔術師さんが咳き込み、近寄ってきます。
来ないで、と後ろに退いたところでした。
ドン、と密集した配管にぶつかってしまいます。
ハッと振り返った時にはもう魔術師さんが胸の動力炉に手を当てていました。
「マナ、お前に夢の続きを見せてやろう」
魔術師さんがそう呟き、流れるように詠唱を始めました。
こうして私は忘れていた記憶を取り戻したのです。
一瞬、めまいがしたけれど……うう、これで思い出した。
そうだった、私はテッちゃんと出かけていた時、事件に巻き込まれてヘンテコなこの世界に来ちゃったんだ。
それでテッちゃんは私を守ろうとして、死んじゃった……。
ううん、今は悲しんでいる場合じゃないよ。
こうしちゃいられない、今すぐテッちゃんを探しに行かないとっ。
銀色の魔術師が本当に生き返らせたのなら、きっとどこかにいるはず。
私の世界を広げてくれた大切な幼馴染だもの、絶対に見つけ出してあげないと。
そうと決めたら、さっそく行動だ。
悩みなんて振り払って、私は地上目指して走り出した。
冷静に考えたら、テッちゃんが今どこで何をしているのかなんて、そんなの見当も付かない。
でも私を助けてくれた彼となら……そう、トレイン君と一緒なら、あの電車好きさんを探せそうな気がするんだ!
だってトレイン君ったら、どこかテッちゃんと雰囲気が似てるんだもの。
それになんだかあの人って、たまにテッちゃんのことを知ってそうな感じだったしね。
うん、きっと何とかなるよ。
ひた走っていると、配管の向こうから怪しさ百点満点な二人の声が聞こえてきた。
「ふふふ、あれが本来の彼女ですか。ずいぶんと迷いがありませんね」
「ほら見ろ、面倒なことになってしまった。マナ、待つのだ! 状況説明がまだ終わってない、戻って私の話を聞くのだ」
うるさいっ! 私を閉じ込めたり、記憶を奪ったり、肉体を奪ったりしたお前なんかから聞く話なんてないよーっだ。
私は今までの遅れを取り戻さないといけないんだから。
よーし! これからトレイン君と一緒に、テッちゃんを探しに行くぞ!
うん、テッちゃんに早く会いたい。
会って、私はテッちゃんとトレイン君のどっちが好きなのか、気持ちをはっきりさせないと。




