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幻想創造(ファンタジー・クリエイション)  作者: ナカゼロ
第一章 願いと異世界と幻想創造
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EP2 幻想創造

あとがきに、幻想創造について簡単なプロセスを載せておきます



お気に入り登録をしてくださった方、ありがとうございます


では、どうぞ!


「とりあえず、現状確認をするか・・・・」



ここが、異世界であると確認した俺は、まず自分の身なりを確かめることにした。


今自分が着ているのは、寝る前に着ていたものと同じ服装だった。

蒼い半袖シャツに、黒のジーンズという質素な服装


元々俺は、それ程ファッションには興味もなかったし、何より機能や通気性等を重視していた為だ。


「って、靴下と靴はやっぱりないよな・・・」


が、靴下と靴は履いておらず、今は裸足で地面を踏んでいる状態だった。



「というか履いてたら、逆に驚くか・・・・」


寝る前は靴下と靴は脱いでいたのに、起きたら履いていたなんて事になってたら、俺としては逆に「何で?」と思っていた事だろう。


「とはいえ、このままでも良くないしな・・・・」


俺は周囲を見渡すが、どこにも靴下や靴は落ちていなかった。

っていうか、あった方が可笑しいのだが。


(しかたないか・・・・・・この際、背に腹は変えられないしな。)


そこまで考え、俺は幻想創造を使うことを決めた。


「ふぅ・・・・・」


一端大きく深呼吸し、俺は目の前の地面に目を向ける。







改めて、俺が持つ幻想創造について話しておこうと思う。


俺が生まれ持った能力、それが幻想創造だ。


俺が願った事、事象、出来事、ありとあやゆる願いと言う存在を叶えるというのが特徴だ。


たとえそれが、死んだ人を生き返させる事や、世界を自分のものにしたい等の願いも叶えてくれる優れもの。


俺が幼い時、この幻想創造の力をまだ知らなかった頃、色々としたものだった。


小さい身体のくせに、大人以上の力の得たり、音速以上に速く走ってみたりと色々やらかしていたものだ。



だが、どんなものにも、長所もあれば短所もある



メリットがあれば、デメリットもある



幻想創造とて、それは例外ではなかった



幻想創造のデメリット


それは、幻想創造は俺が何らかの願いや想いを思った瞬間に、その願いを叶えてしまうという問題だった。


幼い時、それで色々と面倒な事が起きた時期があったし、危険な目にもあった。

なんせ、何でも叶えてしまう力なんて、喉から手が出るほど欲しがるものなのだ。


家を出て、俺は何度も、命の危機を味わった。

幾ら、人々から記憶をなくしても変わらなかった。



だからこそ、幻想創造に何らかの対策を施す必要があった。










なので俺は常に、幻想創造が働かないように、自分の心に一種のスイッチを設けることにした。


いつ、勝手に発動しないように・・・・・


以降、俺が意識している間は、いかなる願いにも、幻想創造は発動しないようにした。




(まずは、心のスイッチをと・・・・)


意識を心に集中する。


瞬間











視界が白一色に埋め尽くされる。



願いなども、何もない














ただ白紙ブランクの世界










それが、俺の心の中の世界だ


俺は意識の中で、その世界を歩いて行く。


例え辺りが白くても、歩くに関しては問題はない。


ゆっくりと、慌てずにただひたすらに歩いて行く。


ふと視界に、地面に転がっている何かを見つけ、それを拾い上げる。




「あった。」












俺が拾い上げた物




それは、古びた鉄製のスイッチだった。



スイッチは押しボタン式で、押せばonに、離せばoffになる仕組みになっている。



ただそのスイッチは、至る所が錆びており、とても現実で使える代物ではない。












しかし、そのスイッチこそが、心の中にある、俺の幻想創造を使う為に必要なスイッチなのだ。


ゆっくりと力を込め、スイッチのoffをonにする。
















その瞬間














目の前の空間が、大きく歪み始めた。


俺の周りにある空間、心の空間が、幻想創造によって徐々に塗り替えられていく


あるところは黒に、またあるところは黄色や緑に


俺の世界を、様々な色や物によって、覆い尽くされていく


「・・・・・・・・・・・・・・」


だが、そんな状況であっても、俺は一切動じない。


「幻想創造も、特に異常はないな。」


辺りを見渡しながら、俺は一人そう呟いた。


何故なら、この歪みこそが、幻想創造が使えるようになった証拠でもあるからだ。


(よし・・・・・・次はっと・・)


次の行動に移る為、俺は意識を心から、現実に引き戻す。


瞬間、視界には先ほどまでと同じ、異世界の地面が見えた。

俺が、心の世界に入り、戻ってくるまでにそれほど時間を要していない。

秒で表すなら、一秒も経っていないだろう。


此処までくれば、後は自分の望むことを望むだけだ。


「我望むは・・・・・」


俺は、ひっそりと呟いた。


幻想創造発動の最後のカギ








それが、この詠唱だ


「我望むは、我が脚を支える物を望む。」


そう願った瞬間、俺の目の前に黒い靴下と革製の靴が現れた。


この詠唱、本当はもっと長ったらしい詠唱にしていたのだが、めんどくさくなって、今は短い詠唱にしている。


「よし!想像した通りの物になっているな。」


靴下を履き、続いて靴を履きながら、俺は状態を確かめる。

履き終わると俺は立ち上がり、軽く走ったり、ジャンプしたりした。


「異常は・・・・・・・・ないな。」


靴の状態を確かめながら、俺は満足そうに頷いた。


「っと・・・・後は・・」


一瞬、幻想創造を忘れていた俺は、再び心の中に入り、スイッチをoffにしておく。


その瞬間、様々な色の世界となっていた心の世界は、再び白一色の世界となる。


(最後まで予断はしない事)


俺が常に気を付けている事だ。

安全を確認すると、俺は再び意識を現実に戻す。



「さて、とりあえず辺りをうろうろしてみるか・・・・」


そう考えて、俺は辺りを散策してみることにした。




幻想創造発動手順

1 心の世界にある、幻想創造発動のスイッチをonにする

2 現実において、自分が望むことを願う

3 幻想創造発動のスイッチをoffにする


以上です。

以外と簡単にできるものなんですよね。


でも、だからこそ玲音は、苦悩しているんです。


次回もお楽しみに!

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