EP1 気づけば、そこは野原
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ビュオオオオ―――――――
「ん・・・・・?」
寝ていた俺に冷たい風が、これでもかというくらい強く当たる。
(もう・・・・・・・・・朝か?)
感じると同時に、意識が少しずつはっきりしていく。
(そういえば・・・・・家の窓、開けっぱなしだったっけな?)
まだ、眼は起きていないので、周りが見えない中、俺は昨日の自分を振り返る。
確かに、家に着いてすぐに寝たもんだから、窓が開けたままのだったのかもしれない。
(いや、そうじゃない・・・確か帰ってきたときに窓は・・・・・・・・)
寝る直前、確か俺は窓は閉めていたはずだ・・・・・
なのに、何故冷たい風が感じるのだろうか?
(ん?冷たいも変だぞ・・・・・)
確か、今の季節は夏間際だった筈。
梅雨はとうに過ぎていたし、昨日の気温もそれほど冷え込むものでもなかったはずだ・・・
(じゃあ・・・・・俺の感じる・・・・・・・・この風は何だ?)
今感じる風は、吹く量が一定になっていないので、おそらく自然の風なのだろうと俺は推測する。
ようやく、眼も覚めてきて、視界がはっきりしてきた。
(まぁ、これではっきするしな・・・・・)
さて、今の状況はどうなっているんだ?
そうして俺は、視界がはっきりしてきた光景に意識を集中した。
「は?」
結論からいえば、俺の言葉はその一言に尽きた。
俺が予想していた光景は、窓があいている自分の部屋だった。
だが、今目の前にある光景は、俺の予測を180度上回る光景だった。
眼も前に広がるは、緑生い茂る野原だった。
建物も一切なく、ただそこには平然と平原が広がっていた。
距離で表せば、おそらく数キロは続いているだろう。
すこし眼を凝らせば、奥に浅瀬らしきものが見える。
「夢か?」
そう思って、俺は自分の頬を軽く抓ってみた。
「いててて・・・・・」
が、結果は抓った瞬間、俺にしっかりと痛覚が感じ取れた。
「ってことは、これは夢じゃないのか?」
自分で、夢じゃない事を確認しながら、俺は改めて周囲を確認する。
見渡せば広がるは平原ばかり、奥を見れば、わずかばかり山々が見えはするが、それ以外は何も見えない。
そこまで確認し、俺は一端大きく深呼吸した。
「ここは、日本じゃないな・・・・」
とりあえずわかったのは、此処は日本ではないのではないかということだった。
まず、ここまで大きく広がる平原は、日本にはないはずだ。
というより、此処まで広い平原なら、土地が狭い日本には重要な農作生産場所になるからだ。普通はほっとけない場所のはずなのだが・・・・・
だが、今はそれよりも・・・・
「しかし、じゃあ此処はどこだ?」
そう、俺の問題はそこだった。
もしここが外国なら、いつ俺は此処に来たのか?
「まさか、知らぬ内に幻想創造が発動したわけじゃな・・・・・・」
俺はそこまで言って、喋るのをやめた。
少し前を思い出す。
(そうだ・・・・・俺は寝る前に・・・・・・・)
俺は自分で、寝る直前に口にした言葉を複晶した。
「親のいない、何処か、知らない世界に行きたい」
そう言って、俺は確信した。
(そうだ、あの時俺が言った言葉を、幻想創造が叶えったってことか・・・)
というより俺は、これしか思い当たる節がない。
もし幻想創造が、俺が言った通りに、
いや、俺が思った事を叶えたのなら・・・・・・
此処は・・・・・・
「誰も知らない世界・・・・・・・異世界かぁ」
俺は異世界にやって来た事を悟るのだった。
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