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詩とも短編ともつかないものたち

旅路の先に

作者: 本野ムシカ


少女は一人 旅をする

ブロンドの髪をなびかせて

大きな宝を 探すため

風を切りつつ 颯爽と


少女は一人 旅をする

スカートのすそをひらめかせ

知らない世界を 見るために

道なき道を 懸命に


旅する少女は ある町で

宝の話を聞きました

地底の深く 奥深い

湖の底の 宝の話


少女は一人 旅をする

情報集めの そのさなか

彼女と同じ 宝を求める

ある少年に 会いました


少女と少年 旅をする

道中二人で 話し合い

まだ見ぬ宝の その姿

どんなものかと 思いをはせる


少女と少年 たどり着く

地底の深く 奥深く

だけど宝は まだ遠い

湖の底へ どう行こう?


少女と少年 考える

湖のそこへ 行くために

そんなに長くは 潜れない

そんなに遠くちゃ 帰れない


ふっと少女は 思いつく

まずはパイプを用意して

五分十分二十分

息がつながるようにした


続いて少女は 少年に言う

これを片手に 持っていて

言葉とともに 渡すのは

長く丈夫な 麻の紐


少年一人で 湖へ

左手に紐を 握りしめ

パイプをくわえて 湖の底

沈んだ宝を 見つけ出す


宝を手にした 少年は

紐を頼りに 少女のもとへ

少女と二人 息を止め

一気に蓋を 開け放つ


やっと手にした 宝箱

箱の中には 何もない

箱のふたの裏 よく見れば

3つの文が 刻まれていた


「あなたは宝を 手に入れた」

「大きな大きな 宝物」

「ここまで来られる 知恵・力」

「そして大事な 本当の仲間」


二人は顔を見合わせる

やっと見つけた 宝物

思ったものとは違うけど

何より大事な 宝物



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