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One way Love  作者: 遙香
12/22

011:引き継ぐ力

今回はレイ目線です。

ちょっと説明的になっています。


 少年が神殿の中に消えてから数刻。レイは扉の前に腰を下ろし、『その時』を待っていた。

何も知らぬ、名もなき少年。彼を拾ったのは何故だろう?哀れな彼に情けをかけた?それとも、己のため?


 一目で、『闇人』だと分かった。銀色の瞳に銀色の髪、あんなにはっきりと闇の色を持つ者に出会ったのは初めてだ。



 『金と銀の衣を纏い天空を舞い踊る気高き姿あり。その怒り大地を焦がし、その涙海を別つ。二つの力交わる時、古の語り部が新しき物語を紡ぎ創める』


 光と闇、この世を統べる対なる力、確か、そんな古文書を読んだ事がある。


 レイの知る限り、各国の歴代の王は『光』か『闇』の(フォルス)を持つ者。世襲制と言ってしまえばそれまでだったが、光と闇の二つの(フォルス)は、親がいかに強大な(フォルス)を持っていたとしても子に受け継がれることは稀だと言う。王家に生まれ、その(フォルス)を頂かなかった子の運命を思うと、胸の奥に痛みが走る。


 名を与えられなかったそれらの子は、人知れず最果ての村に流され、そこで生涯を終えることとなる。

最果ての村に住む者が皆金色の髪をしているのは、光の王家の血がそこに流れている証だ、とまことしやかなウワサが囁かれている。



 (フォルス)には様々な形があり、同じ魔道(マガ)(フォルス)を持つ親から生まれた兄弟であっても様々に変化する。レイに与えられた魔道(マガ)(フォルス)は雷と風。本来雷も風も、いわゆる黒魔法の類に入るものだが、二つの力を組み合わせることで、守護の力に変えることができる。それに加え、『混血』であるが故に引き継いだ(テール)(フォルス)がレイに類まれなる運動能力が加わり、剣術、弓に魔道(マガ)(フォルス)を纏わせることで、武道においてもレイの能力は計り知れぬものとなっていた。


 いつしか混血の戦士は『魔法剣士』と呼ばれるようになり、レイの持つ力を求める国も少なくない。

 


 レイは左手首に刻まれた刻印に手をやる。魔道(マガ)(フォルス)を示すヒスイを、(テール)(フォルス)を示す獅子が抱いている。ヒスイの色は、雷の黄色と風の蒼を含んだ深い『ビリジアン』。


 レイが名を頂いたのは、生まれてすぐの赤子の頃。どうやってここに来て、どうやって名を頂いたのかの記憶はないが、意識の底に、言葉だけが残っている。



   《二つの力に選ばれし剣士、王の牙となり、王を守れ》



 

 

ポイントつけてくださった方、

読んでくださっている方、

とっても励みになります。がんばります。

お盆休みなので、ちょっと更新遅れます・・・。

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