000:プロローグ
作者自身の好きなもの閉じ込めた、基本的にシリアスなファンタジー&ラブストーリーです。
作者の投稿処女作ですので、不手際もろもろあると思いますが、何とぞご容赦ください。たくさんご意見頂けるとうれしいです。
頑張って更新しますのでどうぞよろしくお願いいたします。
プロローグ
『忌み子・異端児・疫病神・化け物』
思いつく限りの負の感情を向けられて育った。最果ての村シーラに俺の居場所はなかった。
銀色の髪、宵闇で赤く輝く銀色の瞳、褐色の肌。
ただ、それだけの理由。
この辺りではみな、金色の髪に白い肌、黒い瞳をしている。
容姿が異なる、たったそれだけの理由で俺は、この世に生を受けた瞬間から大いなる負を背負った。
両親は俺を殺すことすらできなかった。まだ赤子の俺の目が赤く輝き、
殺そうとする者を威嚇したのだという。
俺は殺されることもなく、かといって愛情を注がれることもなく、
かろうじて生をつなぎとめるだけの食料を与えられてただ『生きていた』。
物心がつくころには、狩りを覚えた。
容赦なく向けられる負の感情は幼いながらにも感じ取っていた。
誰一人味方になってくれる人がいないことも、理解していた。
だから、空腹は自分で満たすしかなかった。村はずれの森のへ行き、狩りをし、火を起こした。
唯一、心安らげる場所。誰の目も気にすることなく過ごせる場所。
でも何故だろう。日が落ちあたりが闇に包まれると足は村へ向かった。誰一人待つ者のいない村、
憎しみの目を向けられる村へ。
日増しに増大する負の感情。10歳になるころには村全体からの刺すような視線も、
両親から向けられる憎悪の感情も、すべて理解していた。
理由はわからなかった。だが、ここに自分の居場所がないことは明確に理解していた。
銀色の髪が、瞳が、褐色の肌が、みなと違うことには気づいていた。
でもたったそれだけの理由で?何も悪いことしてない!
心はそう叫んでいた。でも、言葉にすることはできなかった。悪いところがあるのなら直すのに!そう思った。
だが目が合うだけでみな、俺から離れていく。誰一人、笑顔を向けてくれる人はいなかった。
村を出よう。ここにいても居場所がないなら、自分のことを誰一人知らない異国の地へ行こう。
居場所は、自分で見つければいい。
俺は、12歳になったその日の早朝に家を出た。自分で作った弓矢だけを携えて。
初投稿!ドキドキです☆