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2-2.深谷 カレンは愛を伝えたい

【有名人達の私生活密着~同性と交際している事をカミングアウトした深谷 カレンに密着、そこに"愛"はあるのか?~】

 深谷 カレンの朝は早いー

 朝6時にセットしていたアラームと共に起床、彼女の自室がある2階から洗面所がある1階へ移動し身支度をする。

 その後は、両親の朝食と2人分の弁当を作るのが彼女の日課になっている。

 なぜ2人分なのか…密着取材をしているスタッフは、手際よく調理する彼女に、両親の分かと問いかけてみた。

 そうすると少しはにかみながら「あぁ、彼女のです」と少し誇らしげな顔をしている。

 しばらくして彼女の両親が起きてきて共に朝食をすませ、自室に戻ると慣れた様子でメイクと髪をアイロンでセットする。

 前まではメイクや着ていく服の選定にも時間をかけていたそうだが、お付き合いしている方から「どんな君でも素敵」と言われてからはラフな格好をする事が多くなったと語る。

「やっぱり、好きな人の前では綺麗でいたいじゃないですか、嫌われたくないし。

 褒めてくれるかもって思いながらメイクとかするのも楽しくなってきてたんですよね、当時は…なんか私、必死過ぎますかね?」

 スタッフへ口元を緩ませ語る彼女の表情は明るかった。


 8時頃になると、自宅の隣にある【鴻巣家】へ向かいインターホンを鳴らす。

 しばらくすると、目をこすり、少し猫背ぎみに彼女が姿を現し、小さく欠伸混じりでおはよう、と発した。

 カレンも軽く手を振り、おはようと満面の笑みで返す…彼女達にとってこれはいつもの事だと言う。

 業務開始時間は9時からで、彼女達の自宅から徒歩10分程で着くのに、少し出社するのが早いのでは?

 そうスタッフが質問する。

「前までもうちょい遅く迎え行ってたんですけど、話しながら出社すると始業時間ギリギリになったりするんで早くしてるんですよ。

 あと彼女、朝弱いんで私が色々話しかけてテンションあげさせてるんです。」

 その言葉のとおり、カレンは蕾さんへ話しかけている。

 確かに、会社の前に着くと先程の人物とは別人のようにシャキッとしている蕾さんを見ると、その言葉に嘘偽りはないとスタッフは感じた。


 彼女達が共に出社すると、課長席に座っている方と若い女性が既に業務を開始していた。

 軽く挨拶し、業務を始めるカレンに色々聞いてみようとした。

 しかし、ここからは…と言いたげな態度で右手を密着スタッフの前へ出し取材カメラを遮る。

「昔はこうではなかった、業務時間でも結構だらける事が多かった」と証言するのは、共に出社していた蕾さん。

 何が彼女を変えたのか…業務用PCを前に真剣な表情で作業する姿を遠くから捉える。

「私も聞いた話なので詳しくはないんですけど、前に真面目に働いている人の方が好き。と蕾さんから言われたみたいで、それ以降は仕事中すごく真面目って言うか真剣で…話しかけていいのかなって思う時も正直ありますね。

 でもその分あの人達、お昼とか我慢してた分結構いちゃいちゃしてますよ」

 私達のインタビューに笑顔で答えてくれた本庄 カナタさん。

 その言葉通り、午前中の作業が終わり上の階で共に移動した彼女達は終始笑顔で、カレンが作成したお弁当を仲睦まじく食べていた。


 17時になり交代の方が出勤してきた。

 朝と夕方で人が入れ替わるそうだが、最近夕方勤務の方が辞め、新しく中途で若い男性が入ってきたそうだ。

「まだ会ったことないですけど、私は誰とでも昔から仲良くできると思ってるから大丈夫かな、と。

 でも、蕾は内気なんで上手くやってけるか、ちょっと不安な所もあります。

 それに若い子って言うし、もしかしたら蕾と…なんて考えなくもないです…でも私、彼女を信じてます。」

 会社から帰る準備をしている彼女は少し不安そうな表情を浮かべスタッフへ話す。

 蕾さんの方はどう考えているのか…先に会社の外でカレンを待っていた彼女へ、どう思っているのか質問してみた。

「私も同じですよ、毎日不安です。

 いつかカレンに好きな人が出来て…って思わない日は少なくないです…信じてないって訳じゃないんです。

 今が幸せ過ぎて、いつかこの日常が消えてしまいそうで不安なんですよ。

 多分、向こうも同じように思ってるからそう考えちゃうんじゃないかなって…あぁ、私から浮気は絶対ありません、惚れてますから。

 …調子乗っちゃうんで、あの子には内緒にしといてくださいね」

 しばらくして合流し、日も落ちかけた帰路を仲良く歩いて行く2人。

 そこには、性別を超えた確かな"愛"を感じることができた。

「もし私が何かで有名になって密着取材受けたら、こんな感じになると思うんだけどどう思う?」

自宅で暇を持て余し、電話で妄想していた事を言葉にする。

それを長々と聞いていたカナタは少し引きつった笑顔をしながら答えた。

「前から思ってたんですけど…お2人って、お互いの事好きすぎません?」

しばらくして通話が終わり、カナタに蕾から着信があった。

「カナタちゃん急に電話してごめんね?今考え事してて、もし…もしだよ?もし私が何かで有名になって、密着取材とか受けた時にどう言う風な内容になるかなって考えてたんだよね!具体的には…」

先程聞いた内容と似た事を聞かされ、カナタは疲れたのか、翌日仕事場で眠そうにしていたと言う…

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