京都観光(画像あり)
画像は自動生成AIによるものなので、イメージや雰囲気で楽しんで下さい
キャラクターの容姿や髪型等は多少違ったりもします。
昼食を終えたあと、風見先生から連絡が入った。
――午後からは自由行動。
ただし。
遠出は禁止
単独行動禁止
夕方十八時までにホテルへ戻ること
という、いつものお約束付きだ。
「……自由って何だっけ?」
俺は内心でそんなことを思いながら、渋々ロビーへ向かった。
そして理解する。
――あぁ、そういう自由か。
クラス全員での行動。
護衛演習という名目を考えれば、当然の流れだ。
「しょうがないか……」
自分に言い聞かせるように呟き、
ロビーに集まったクラスメイトたちを眺めていると
「獅子堂様は、どこか行きたい場所はありますか?」
女子の一人が、そう声をかけてきた。
俺は少し考えたが――
正直、何も思い浮かばなかった。
京都は確かに有名どころが多い。
だが、今の状況で行きたい場所と言われると……ない。
「特にねぇな……」
そう答えると、周囲がざわつき始めた。
どうやらクラスの中では、
すでに意見が割れているらしい。
京都駅周辺の探索者協会や店を見て回りたいグループ
観光目的で、近場の本願寺に行きたいグループ
双方、譲る気はなさそうだ。
「修学旅行っぽいのは本願寺だよね!」
「せっかく京都来たんだし!」
「いや、実利考えたら協会で情報集めた方が良くない?」
「自由行動なんだし、買い物したい!」
――あぁ、うん。
こういうの、久しぶりだ。
俺は騒がしくなり始めたクラスを眺めながら、
小さくため息を吐いた。
「はいはい! 皆さん、お静かに」
風見先生が手を叩き、クラスをまとめた。
「無駄話をしていると時間がなくなりますからね。
まずは京都の探索者協会周辺でお買い物、
その後、東本願寺に向かいます。いいですね?」
先生の言葉に、皆が一斉に、「はーい」
と返事をし、それぞれ位置につきながら移動を始めた。
俺も流れに身を任せるように、メンバーに囲まれながら歩き出す。
京都の探索者協会は、見て分かるほど慌ただしかった。
職員たちは忙しそうに駆け回り、空気も張り詰めている。
――流石に、観光気分で冷やかすのは悪いな。
そう思い、協会そのものは素通りし、
近場の武具屋や素材屋、土産物屋を中心に見て回ることになった。
「京都の武具屋には、刀が多いですわね」
イザベリアがそう言いながら、
店内に飾られた一本の大太刀に視線を向ける。
……八尺刀か。
確か、演舞用だったはずだ。
「それは奉納とか、演舞用だったかな?」
俺がそう言うと、イザベリアは少し首を傾げた。
「実用ではないのですか?」
「使えないわけじゃないらしいがな。
神社に奉納したり、神楽舞や神楽演舞で使われることが多いって聞いた」
そう補足すると、イザベリアは納得したように頷いた。
「そうなのですわね。刹那様も、
似たようなものを使っておられましたので、てっきり実用的なのかと」
「あれは六尺刀だな。
確か一八〇センチくらいだったはずだ。
実用というより、見せ物や演舞向けらしいが……
実際に扱えるかどうかは別問題だ」
「それを扱っていらっしゃる刹那様は、やはり凄いのですわね」
その言葉に、俺は思わず苦笑した。
――あぁ、化け物だよ。
色んな意味でな。
「六尺刀はな、長いから凄いんじゃねぇ。
人間の身体じゃ制御できねぇから凄ぇんだ。
それを居合で振れる時点で、もう人じゃねぇよ」
俺がそう言うと、イザベリアはまたも首を傾げた。
「閣下が使っておられる両手剣も、同じようなものではありませんの?」
確かに、俺は一五〇センチほどの両手剣を好んで扱っている。
だが、それを刀と同じかと聞かれれば――違う。
「刀はな、振るう動作そのものが攻撃になる武器だ。
切り裂く、突く……要は“引き斬る”って感覚だな」
俺は手振りを交えて続ける。
「対して西洋剣。俺が使ってるみたいな両刃剣は、押し切る武器だ。
力を乗せて振るって、叩きつける感じになる」
そのとき、横から黒が静かに補足した。
「刀は“刃筋”で斬る武器。振るって、引き斬る。
対して西洋剣は、質量と勢いで押し切る。力を乗せて、叩き潰す感覚ですね」
黒の簡潔な説明に、イザベリアは納得したように小さく頷いた。
その後、黒とイザベリアがすっかり刀談義に入ってしまったので、
俺は店内をぶらぶらと見て回ることにした。
「獅子堂様、見て見て! 陰陽師! 呪符、呪符!」
振り返ると、鈴凛が棚から札束を引き抜き、楽しそうに振り回していた。
「おい待て、何を——」
止める間もなく、鈴凛は胸の前で呪符を掲げ、
「エロイム・エッサイム、エロイム・エッサイム……」
と、どこかで聞いたことのある、明らかに怪しい呪文を唱え始めた。
「待て待て待て待て!!それ、陰陽師じゃねぇ!!」
思わず叫んだ瞬間、近くにいた店員がピクリと肩を震わせ、
黒とイザベリアも同時にこちらを振り向いた。
「それ、西の召喚系……」
「しかも発音、微妙に間違ってますわね……」
「え? そうなの?」
鈴凛はきょとんと首を傾げたまま、まだ呪符を握っている。
「やめろ!下手に唱えると、変なの呼ぶぞ!!」
慌てて呪符を取り上げると、店員が苦笑しながら一言。
「お客様……そちらは観賞用でお土産品ですので……」
「獅子堂様、大丈夫。それは意味も効力もない模造品。」
ヴィヴィアンがそう言って、鈴凛の手元の呪符を指差した。
「本物の呪符は、ただの紙じゃない。
血や髪、息……そういった“術者の一部”を混ぜて作る。
要は、術者自身の魂の署名みたいなもの。」
ヴィヴィアンはそう言って、少しだけ真剣な表情になる。
「だから、下手に触ると縁が繋がってしまって、事故が起きる。
普通は、こうして店先に並ぶものじゃないのです。」
ヴィヴィアンはそう言って、
棚の端に積まれていた白い無地の和紙を指さした。
「どちらかと言えば……大事なのは、あちらです」
「そっち?」
俺は不思議に思い、その和紙を一枚手に取った。
「ヴィヴィアンも、呪符を使うのか?」
そう聞くと、彼女はぶんぶんと首を横に振った。
「私は使いません。知識として教えられただけです」
それから、ちらりと鈴凛の方を見る。
「むしろ……龍華帝国の鈴凛が知らない方が不思議ですね」
「だってよ〜」
鈴凛は肩をすくめながら、いかにも不満そうに言い訳を始めた。
「道だか導師だか知らないけどさ。
ああいうのって、インチキ詐欺師が好んで使う道具じゃん?」
呪符の束を指でつつきながら、鼻で笑う。
「効力なんてあるわけないし、その辺の露店でも大量に売ってるってーの」
……なるほど。
同じ“符”でも、見ている世界が違いすぎる。
その後、俺たちは買い物を終え、東本願寺へと向かった。
目の前に広がる建物は、ただただ壮大だった。
大きさも、佇まいも、時代を越えて積み重ねられた威厳そのもの。
ヴィヴィアンは感心した様子で建築を見上げ、
鈴凛やイザベリアはすっかり観光気分で写真を撮っている。
敷かれた観光ルートを辿りながら、
要所要所で立ち止まっては写真を撮り、
最後には建物を背に集合写真も撮った。
特別なことは何もなかった。
それでよかったのだと思う。
ホテルに戻ると、各自順番に風呂へ入り、
そのまま下のレストランで夕食となった。
夕食はバイキング形式。
豪華な料理が所狭しと並び、
「全部食べるのは無理だろ……」と、思わず呆れた。
だが――
とにかく、滅茶苦茶美味かった。
結局、雑談しながら腹いっぱいになるまで食べ、
特に何事もなく、それぞれ自分の部屋へ戻って眠りについた。
……はずだった。
深夜――
皆が寝静まった静かな夜。
ガシャーンッ!!
突然、廊下の方から
何かが割れる、乾いた音が響き渡った。
李 鈴凛
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
本作に登場するイラストは、自動生成AIによるものです。
物語そのものを補足する「正解のビジュアル」ではなく、
あくまでイメージや雰囲気を楽しむための要素として見て頂ければ幸いです。
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