ドラゴンステーキ
画像は自動生成AIによるものなので、イメージや雰囲気で楽しんで下さい
キャラクターの容姿や髪型等は多少違ったりもします。
俺は深く背もたれに沈み込み、両腕を投げ出した。
「……結局さ、百鬼夜行だの聖剣だの、難しい話はわかんねぇ~な。」
黒野は煙草を指でつまみ、火をもみ消しながら言った。
「まぁ、俺らから言えるのは一つだけだ。安易に華族や聖剣に関わるな、ってことだ。」
イザベリアも頷き、カップを唇に運んだ。
「えぇ。閣下や、御剣様が聖剣を受け取らなければ良いだけのことですわ。」
「百鬼夜行祭ねぇ……なんか、きなくせぇし、行きたくねぇ~なぁ~……」
俺がぼやくと、黒野は短く笑い、低く呟いた。
「……何かは、あるだろうな。」
俺と黒野は同時に、大きくため息を吐いた。
「「はぁ~~~~……」」
コーヒーの香りと、消えかけの煙草の匂いだけが、妙に静かな空気を満たしていた。
しばらく談笑していると、店の奥から明るい声が響いた。
「お待たせしました~!」
テーブルに近づいてきた店員は、大きな鉄板プレートを慎重に運びながら笑顔で告げた。
「ご注文の――ドラゴンステーキです!」
どん、と置かれた瞬間、香りが一気に弾けた。
ドラゴン特有の濃厚な肉の匂いに、鉄板の上で焼ける香ばしい香り。
そして仕上げに振られたスパイスの刺激が混じり合い、まるで鼻腔を鷲掴みにするように押し寄せてくる。
分厚く切り出された肉塊は、表面がこんがりと焼けているのに、中心部はじわりと赤みが残り、
鉄板の上で「ジュゥゥゥーーッ」と音を立てていた。
じっ、と肉汁が弾ける度に、油の小さな飛沫が光を反射する。
――ゴクリ。
誰かの喉が鳴った。
いや、誰かじゃない。
全員だ。
イザベリアは思わず背筋を伸ばし。
御剣は目を輝かせ。
黒野でさえ、煙草を置いたまま固まっていた。
「……うまそうだな……」
俺が呟くと、全員がこくこくと無言で頷いた。
黒野がナイフを手に取り、じっくりとドラゴン肉を切り分けた。
分厚い肉が、抵抗感を残しながらスッ……と刃を通した。
「……ほう。想像より柔らかいな。」
黒野が感心したように呟く。
イザベリアもフォークで肉を押し、弾力のある肉の反発に、ぱちりと瞳を瞬かせた。
「見た目より繊細な質感ですわね。まるで高級肉のようですわ。」
一方、御剣は肉の切り口から溢れ出す肉汁に目を奪われていた。
「すご……じわじわ出てくる!」
俺はフォークを突き刺しながら言った。
「ドラゴンの素材は希少価値がどうとか言われるけどよ……結局、旨いかどうかなんだよな。」
噛んだ瞬間――
じわりと濃厚な旨味が染み出し、香りが一気に広がる。
「……うまっ。」
思わず声が漏れた。
黒野も軽く眉を上げ、短く言った。
「まぁ……これなら高級肉より評価が高くても当然だな。」
イザベリアは上品に口元へ運びながら、どこか感嘆するように微笑んだ。
「やはり、料理人の腕ですわね。ドラゴン肉は、焼き方や処理で天地ほど差が出ると聞きましたわ。」
御剣は無言のまま、もはや目を輝かせてひたすら口へ運んでいる。
黒野が笑った。
「希少価値なんかより……結局は料理次第ってことか。」
俺はナイフを動かしながら言った。
「だよな。自分で焼いた時なんて、高級肉と大差なかったしな。やっぱ料理人に頼むのが一番だ。」
鉄板の上ではまだジュウッ……と音を立て、
香ばしい湯気がゆらゆらと立ち込めていた。
この店――《Service》の料理長は、学園の奉仕部の部長でもある。
そして何より、腕は折り紙つきだ。
王侯貴族の舌を唸らせたとか、どこかの国の王様にスカウトされたとか、
色んな噂が飛び交うほどの一流料理人だった。
だからこそ、俺たちは迷わずドラゴン肉を持ち込み、調理を依頼した。
報酬として希少部位も渡したが――
それを聞いた瞬間の料理長の反応は、ある意味ドラゴン以上に衝撃だった。
「――ドラゴンの肉ぅぅぅぅぅッ!?」
皿を落としそうになりながら絶叫し、両手を天に掲げてくるくる回り出した。
「クハァァァァーーッ! なんという恵みッ!
任せろ! 任せてくれッ! この命、この腕、全てを賭けて調理しようッ!」
完全に舞台役者のテンションである。
イザベリアは苦笑し。
御剣は「すごいっ……!」と拍手。
黒野は「また始まったな……」と額を押さえた。
こうして、料理長は歓喜の舞いを踊りながら、
快く――というより、狂喜乱舞で引き受けてくれた。
その結果が、今まさに鉄板の上でジュウジュウ音を立てる、このドラゴンステーキなわけだ。
「……やべぇ。うめぇ……!」
最初に声を漏らしたのは、俺だった。
だが次の瞬間には――
「これは……想像以上ですわ……っ!」
「肉、肉! こんなの初めて……!」
「……悪くないな。」
全員が一心不乱に皿へと手を伸ばしていた。
フォークを刺す音。
肉汁が弾ける音。
鉄板の“ジュッ”という低い唸り。
それら全部が、空腹という名の魔法を強烈にかけてきやがる。
御剣は文字通り、目を輝かせて一心不乱に食べ。
イザベリアは優雅さを保ちつつも、皿が空になるペースだけは誰より早い。
黒野は「……はぁ、うまい」と一言だけ言いながら、静かに黙々とナイフを動かしていた。
「すいませーーん! 追加でドラゴンステーキ四つ!」
「こちらも二つ追加でお願いしますわ!」
「俺も、二つ追加で!」
気づけば、俺たちは次々と追加注文をしていた。
鉄板が置かれるたびに立ち上る香りが、食欲というより“本能”を再起動させてくる。
気づけば、全員ただの食べる化け物になっていた。
店員が呆れ顔で後ろを通り過ぎるたび、俺たちは貪るように食べ続けた。
「……やっべぇ……なんだこれ……」
「本当に学園の料理で出ませんの……?」
「出たら騒動になる……」
「というか、肉が足りない……」
誰が言ったのかもう覚えていない。
ただ、次の皿が運ばれるたびに、全員が無心でフォークを突き刺すだけだった。
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