退屈な日常 ③ (画像あり)
画像は自動生成AIによるものなので、イメージや雰囲気で楽しんで下さい
キャラクターの容姿や髪型等は多少違ったりもします。
今日は、一学年合同の演習が行われる日だ。
とはいえ、内容は単純なフラッグ戦。
ルールも至ってシンプル——相手陣地にある旗を奪い取ることができれば勝ち。
基本的にはチーム戦で行われるのだが……
「このメンツじゃ、結局のところ個人戦だな。」
俺はそんなことを考えながら、戦場となるグラウンドを見渡す。
この学年には、強烈な個性と突出した戦闘能力を持つ者たちが揃っている。
まとまりも何もなく、それぞれが好き勝手に動くことが目に見えていた。
協調性よりも自己主張の強い連中ばかりだから、チームとしての連携なんて期待するだけ無駄だろう。
とりあえずは、何もしないで様子見だな。
試合の組み合わせは——
一組対四組。
二組対五組。
三組対六組。
結果は予想通りというより、むしろ順当なものだった。
一組・二組・三組が、それぞれ圧倒的な力を見せつけ、あっさりと勝利を収めた。
圧勝——それ以外の言葉が見つからない。
フラッグ戦としては、あまりにも一方的な展開。
四組、五組、六組は全く歯が立たず、旗に近づくことすらできずに終わってしまった。
まるで試合にもならない、ただの蹂躙戦。
「……なんだかな。」
俺は腕を組みながら、その光景をぼんやりと眺める。
圧倒的すぎる勝負は、見ていても面白くない。
せめて、もう少し拮抗した展開になれば、緊張感もあって楽しめたのだがな……つまらん。
次は二組と三組の試合だ。
この試合の勝者が、一組と決勝を戦うことになる。
俺は特に興味もなく、グラウンドの隅からボーッと試合を眺めていた。
相手は御剣 葵——いや、正確には御剣を取り巻く分家の者やその取り巻き達といったほうがいいだろう。
彼女らはそれなりに戦えるが、チームとしての実力や連携が機能しているとは言い難い。
多少は拮抗するかもしれないが、一度崩されれば立て直しができないだろう。
案の定、試合はイザベリアによる圧倒的な蹂躙劇から始まった。
彼女の突進によって戦線が崩壊し、その混乱の隙を突いて鈴凛とヴィヴィアンが戦場をかき乱す。
最終的に、黒率いる影の部隊が奇襲を仕掛け戦場に紛れ混乱に乗じて、密かに旗を奪い去った。
試合はあっさりと決着がついた。
次は一組との試合だ。
一組は、これまでの対戦相手とは異なり、まともな人材が揃っているようだ。
チームとしてのまとまりがあり、全体を取りまとめる指揮官がいる。
これまでの試合の流れを見ていても、彼女らの動きには一貫性があり、状況判断の速さが光っていた。
「……羨ましいな。」
俺はぼんやりとそう思いながら、一組の面々を眺めていた。
その時、ふと黒野と目が合った。
俺はニヤリと笑った。
俺は足に魔力を込め、一気に身体能力を強化する。
そして、そのまま跳躍し、試合会場のグラウンド中央にドゴォォォンと衝撃波を伴いながら着地した。
地面が割れ、砂塵が舞い上がる。
俺はその場に立ち上がり、黒野に向かって挑発的に手招きをした。
「さぁ、来いよ。」
黒野は、ため息を一つ吐きながらゆっくりと歩を進める。
その歩みは静かだが、周囲を圧倒するような気配を纏っていた。
「まったく……派手な登場の仕方だな。」
黒野は淡々と呟きながら、腰の刀にそっと手を添える。
その動きに無駄はなく、まるで刃が自然に引き抜かれることを望んでいるかのようだった。
「派手なくらいがいいだろ?」
俺は軽く肩をすくめると、両手剣を軽く回しながら構えを取る。
その姿は堂々とし、まるで戦場に君臨する王のようだ。
——次の瞬間、黒野の姿が消えた。
音すら消える沈黙。
その静寂を破ったのは、鋭い一閃だった。
黒野の刀が光の軌跡を描き、俺の首を狙う。
だが、その刃が届く直前、俺は両手剣を振り上げて受け止めた。
ガギィィィン!!
両手剣と刀がぶつかり合い、空間が震える。
剣圧だけで砂埃が舞い上がり、観戦者たちは息を呑んだ。
「……速ぇな。」
俺は薄く笑う。
黒野の連撃は止まらない。
一撃、二撃、三撃——まるで嵐のような怒涛の連撃が降り注ぐ。
しかし、その全てを俺は両手剣で受け止め、時には力で弾き返した。
黒野の刀は、技の洗練と速度で獅子堂を抑え込もうとする。
だが、獅子堂の剣は圧倒的な質量と破壊力を誇り、技術を凌駕する暴力そのものだ。
「チッ……こいつ、受け止めるだけじゃなく、押し返してきやがる。」
黒野は舌打ちしながら間合いを取る。
「そりゃあな。」
俺は片手で剣を軽く回し、地面に叩きつける。
その瞬間、地割れが起こり、大地が震えた。
「……っ!」
黒野はすぐに跳び上がり、崩れる足場から距離を取る。
その瞬間、俺は動いた。
「おらあああああ!!」
両手剣を振りかぶり、俺はまるで巨人のような圧倒的な力で振り下ろす。
空気が裂け、衝撃波が発生する。
黒野は回避のために後方へ跳ぶが、獅子堂の剣が地面を抉ると同時に、衝撃波が黒野を襲った。
「ぐっ……!」
黒野は腕で衝撃を受け止めながらも、一瞬動きが鈍る。
その隙を見逃す俺ではなかった。
「逃がすかよ!!」
俺は踏み込み、再び剣を振るう。
ズドォォォォン!!
衝撃が爆発し、グラウンドの地面が吹き飛ぶ。
——しかし、その中に黒野の姿はなかった。
「……消えた?」
俺は眉をひそめた。
次の瞬間、空間が裂けるような音が響いた。
「遅ぇよ。」
黒野の声が背後から聞こえた。
シュバッ!!
黒野の刀が連続で閃く。
「ちっ……!」
俺は振り返るが、黒野の速度に対応しきれない。
斬撃の雨が降り注ぎ、俺の防御を打ち砕こうとする。
「おらぁ!!!」
だが、俺は強引に剣を振り回し、衝撃波を発生させる。
黒野はそれを読んでいたかのように後方へ跳び、再び間合いを取る。
「……お前、相変わらず化け物じみた力してるな。」
黒野は息を整えながら笑う。
「お前こそ……相変わらず速ぇな。」
俺も口元を歪める。
——だが、ここで終わらせるつもりはない。
両者の視線が交錯する。
俺は両手剣を地面に突き立て、膨大な魔力を解放する。
「……ちょっと本気出すか。」
空気が張り詰め、重圧が戦場を包む。
「はぁ……面倒だな。」
黒野は再び刀を構え直し、深く息を吐いた。
次の瞬間、戦場が閃光に包まれる。
両者の本気が激突し、戦いは極限へと突き進んでいく——。
高速の斬撃が交わり、激しい剣戟が繰り返される。
斬撃が交差し、空気を裂く。
剣と刀の激突が、空間に火花の閃光を生み出した。
俺が踏み込み、地面が砕ける。
黒野は迎え撃つべく刀を構える。
戦場に、張り詰めた静寂が広がった。
吹き荒れる風が砂塵を舞い上げ、視界を遮る。
その中で、二人の戦士は動かず、ただ互いを見据える。
次の一撃——それが決着をつける。
俺は、深く息を吸い込み、両手剣を構えた。
「……終わらせるぞ。」
黒野は静かに刀を握り直し、その刃に光を宿す。
「あぁ…いいぞ。」
空気が変わった。
圧倒的な殺気が渦巻き、周囲の空間すら歪むように感じられる。
俺の最強の一撃——《天絶斬》
すべてを両断する、究極の一撃。
両手剣に宿る魔力が唸りを上げ、まるで雷鳴が空を引き裂くかのように轟音が響き、大地が震えた。
俺の体から放たれる殺気は嵐の如く、その場にいた者すべての息を詰まらせた。
「これで終わりだ!!」
俺が踏み込むと同時に、地面が粉々に砕け、無数の亀裂が広がる。
その剣閃は、天地を裂く神の一撃。
「天絶斬‼」
対するは、黒野の極限の突き。
黒野の刀が空間を裂き、一瞬の閃光が放たれる。
彼の姿は霞み、疾風の如く消えた。そして次の瞬間——
「千枚通し」
空間が弾けるような轟音。
黒野の刃は、まっすぐに獅子堂の胸を貫く。
凄まじい衝撃が戦場を揺るがす。
——《天絶斬》は黒野の左肩を斬り落とし、左腕と血飛沫が舞う。
——《千枚通し》は獅子堂の胸を貫き、その刃が背後へと突き抜ける。
時間が止まったかのように、二人は微動だにしない。
やがて、黒野は膝をつき、震える息を吐いた。
「……やっぱり、獅子堂は……化け物だな……」
俺は胸を貫かれたまま、崩れるように仰向けに倒れる。
「……クソッ……最ッ高に……楽しかったぜ……!」
その言葉を最後に、俺の意識が遠のいていく。
——静寂。
誰もが言葉を失い、戦場にはただ、吹き荒れる風の音だけが響いた。
画像は自動生成AIによるものなので、イメージや雰囲気で楽しんで下さい。
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