退屈な日常 ② (画像あり)
画像は自動生成AIによるものなので、イメージや雰囲気で楽しんで下さい
キャラクターの容姿や髪型等は多少違ったりもします。
相変わらず、俺のクラスは騒がしい。
今日も今日とて、怒号が飛び交い、誰かが言い争い、誰かが大笑いし、誰かが勝手に暴れている。
そんな喧騒を遠目に、俺はそれを完全に無視し、訓練所のグラウンドの端にある木陰で寝転がって休んでいた。
心地よい風が頬を撫でる。
こんな騒がしい環境の中でも、この場所だけは別世界のような静けさを感じられる。
俺は目を閉じ、少しの間、この穏やかな時間を堪能しようとしていた。
——しかし、それも長くは続かなかった。
ふと、足音が近づくのを感じ、うっすらと目を開ける。
視界の端に、二人の女性の姿が映った。
一人は、龍華帝国の李 鈴凛。
もう一人は、ブデザム教国のヴィヴィアン・パルドナーラ。
二人とも、まるで自分の存在が特別であるかのような堂々とした歩き方をしていた。
龍華帝国
それはかつての中国や韓国が存在した地域を基盤とする国で、アジア圏で最大規模の国土と人口を誇る。
しかし、多様な民族が入り乱れているせいか、反乱や内戦が絶えず続いている。
皇帝の座は常に争われており、その裏では数え切れないほどの血が流れている。
李家は、そんな国の中でも裏社会に君臨する一族だ。
闇市や人身売買、違法取引など、闇の領域を統べる存在として知られている。
李 鈴凛は、その李家の一員でありながら、堂々とした態度で歩み寄ってくる。
赤いロングヘアを風になびかせ、腰までスリットが入ったチャイナドレスを身に纏っている。
その姿は、まるで美しく飾られた刃のような危うさを孕んでいた。
彼女は長くしなやかな脚を見せつけるように、一歩一歩、こちらへ近づいてくる。
そしてもう一人——
ヴィヴィアン・パルドナーラ。
彼女の出身であるブデザム宗教国は、かつてインドや中東と呼ばれた地域に位置している。
仏教を基盤としながらも、多種多様な宗教が今なお共存している珍しい国だ。
国民は信仰を重んじ、暮らす土地を“聖域”と称し、日々祈りを捧げながら慎ましく生活している。
しかし、ヴィヴィアン・パルドナーラの家系は、その中でも異質だった。
パルドナーラ家は、ブデザムの中でも屈指の大富豪であり、広範な商業ネットワークを持つ商家である。
金と権力を持つ者たちがひしめく中、彼女はその家の一人娘として生まれた。
そんな彼女の姿は、他の信仰深い民とは違い、強烈な印象を放っていた。
黒いベールで顔の一部を隠しながらも、露出の多いダンサー風の衣装を纏っている。
褐色の肌は美しく輝き、まるで砂漠の夜空に瞬く星のような神秘的な魅力を醸し出していた。
そして、最も目を引くのは、彼女のしなやかな体の動きだった。
歩くたびに、たわわな果実のような胸が揺れ、まるで視線を誘うかのようにその曲線を強調している。
その姿はまさに、熟練したベリーダンサーのようだ。
二人の女性は、まるで別世界から来たかのように異なる雰囲気を持ちながらも、堂々と俺の方へ歩いてくる。
いや、別世界から来たのは俺か……
俺は、心の中で静かにため息をついた。
俺は気づかないふりをして寝たふりをした。
「あら、私たち美女が近寄ってきているのに寝たふりとは、大層なご身分ですね。」
李 鈴凛がニヤニヤしながら俺の近くに立つ。
ヴィヴィアン・パルドナーラは黙って俺を挟むようにして反対側に立った。
「また、騎士様と軍人皇女がひと悶着起こしたから逃げてきたは。」
鈴凛はそう言いながらグラウンドを眺める。
視線の先では、グラウンドの中央でアリアとイザベリアが言い合いをしていた。
おそらく、アリアがイザベリアの態度を気に食わずに突っかかったのだろう。
何時ものことだな。
「おや? 興味なしですか?」
鈴凛は俺が興味を示さないことに気づき、怪訝そうな顔で尋ねてくる。
「何時ものことだろ。」
俺は寝転んだまま答えた。
「イザベリアの態度が気に食わないアリアがイザベリアに喧嘩を吹っ掛け、上段から真正面に斬り込むが、イザベリアの銃撃でけん制され足を止める。すかさずイザベリアは鞭でアリアに乱打を打ち込み馬鹿にし、キレたアリアを確認すると隙を見せて斬り込ませる。斬り込んで来たアリアの剣をイザベリアが拡散バレットで弾き、アリアの体勢を崩させると、すかさず足に鞭を絡めて引きずり倒す。倒れたアリアが縦で身を守るのを確認したイザベリアは笑いながら、アリアに衝撃バレットを乱射する。耐えかねたアリアが吠えると、イザベリアは身体を大きく回しながらアリアを振り回し、空中に放り投げると、チャージバレットでアリアの背中を撃ち抜く。地面に転がるように倒れたアリアが立ち上がろうとしたところを、イザベリアがアリアの首に鞭を巻き付けて引きずり倒し、自分の元まで引き寄せると、胸を踏みつけて銃口をアリアの顔に向けて……バン‼」
俺は何時もの一連の流れを見ずとも話し終えた。
「流石ですね、獅子堂様。」
そう声をかけてきたのは御影家の部下の黒だった。
彼女は全身を覆う黒いレザースーツを身にまとい、顔は漆黒の仮面で覆われていた。
その仮面は目の部分すら空いておらず、完全に視界を遮るものだ。
俺は話している最中に彼女の微細な魔力を感じ、そのまま膝枕をされた。
御影家の部下たちは名前がなく、仮面の色で識別されているらしい。
上から黒・赤・青・黄・白の順で、その五人が俺の監視兼護衛を務めているとか。
黒が現れ、俺を膝枕している姿を見た鈴凛とヴィヴィアンは驚愕し、顔を引き攣らせた。
「相変わらず、日ノ本之國の諜報員は怖いは……」
鈴凛は引き攣った顔でそう呟いた。
「黒、お前は何しに来たんだ? まさか膝枕をしにきた訳じゃないだろ?」
俺がそう聞くと、黒は視線を横に向け、少し間をおいて答えた。
「それでも良いのですが、あちらでお客様がお待ちです。」
黒の言葉に、俺は不機嫌そうに視線を向ける。
そこには、黒野と御剣が立っていた。
「獅子堂は相変わらず楽しそうだな。」
黒野が俺をからかうように笑いながら近づいてきた。
「そう思うなら代わってくれよ……ごちゃ混ぜにかき混ぜられた闇鍋をつついてる気分だぜ……」
俺は不貞腐れたように肩をすくめながらぼやいた。
「でも見てると、獅子堂君はいつも楽しそうだよ?」
御剣がニコニコしながらそう言った。
「そうかい……御剣様は平和でさぞ楽しいのだろうな。」
俺が皮肉たっぷりに言うと、御剣はのほほんとした笑顔を崩さずに答えた。
「そうだね~、みんな優しくて親切だよ。」
その言葉に、俺は何とも言えない気持ちになった。
周りを見渡せば、騎士道を掲げるアリア、軍事国家の皇女イザベリア、裏社会を牛耳る鈴凛、そして信仰深き商家の娘ヴィヴィアン。
さらには、俺を監視する御影家の部下たち。
日々騒々しく、何かしらのトラブルが発生する。
「……お前が羨ましいよ、御剣。」
俺は深いため息をつきながら、寝転んだまま空を仰いだ。
黒野と御剣はそんな俺を見て、どこか面白がっているようだった。
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