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転生した世界の現実は甘くなかった  作者: 蓮華
第一章 プロローグ
4/71

転生した先の現実は甘くなかった。

俺の名前は御剣葵 5歳。

御剣家の三児で唯一の男として、この名門家の長男として生まれた――いや、正確には「転生」してきたのだ。

そして、目を覚ましたこの世界はどうやら「貞操観念逆転」とかいうとんでもない価値観が支配する上に、男女比が1:1000にまで偏っているという。

おまけに「ダンジョン」なるものまで存在し、危険で不可思議な魔物や謎のアイテムが世界中に溢れている。


最初にこれらの事実を知った時、俺の心は完全に浮かれていた。

「ハーレムの王に俺はなる!や、ヒャッハー俺TUEEE時代の幕開けだー!」と喜んだ。


現代から飛んできた知識と、転生のボーナスみたいな能力があると思い込んで、異世界転生の定番展開を夢見てしまったのだ。

男が希少で、俺みたいな「まともな見た目」の奴は、きっと女子からちやほやされて当然だろうと思っていた。


しかし、現実は甘くなかった。


転生者のチート能力なんて影も形もないし、この世界の仕組みは俺の理想とはまるで違っていた。

俺のような男性は魔力の影響をまともに受けやすく、特に金〇に。

精子を守る為に、10歳までは魔力保護を受けた家で生活を余儀なくされ、10歳までは外出不可能と国家の保護という名の制限だらけの生活を余儀なくされている。


さらに、男女比の問題で社会全体が「男性をとにかく守れ!」と全力で保護してくる。

自由な冒険どころか、むしろガッチリと囲われているというべきかもしれない。

俺が気軽に誰かと関係を持つなんて、まるでファンタジーのような遠い夢で、現実は厳しく管理され、守られているだけの存在――それがこの世界の男の扱いなのだ。


今では、俺もすっかりその現実に馴染んでしまい、無駄に騒いでいた自分を思い出しては、ため息をつく日々だ。


そう、この世界は「近未来の地球に魔法とダンジョンが追加された」と考えればイメージしやすい。

科学技術の多くが「魔法科学」と呼ばれる分野に変わり、銃や兵器は「魔法武器」へと進化し、エネルギー源も化石燃料ではなく「魔石」と呼ばれる新たな資源に置き換えられている。

この魔石は、ダンジョン内で採掘される特殊な結晶石か魔物を倒すと心臓部分にある魔力の結晶の塊が魔石と呼ばれている。

魔石は、魔力を蓄えたり放出したりできることで重宝されている。


この世界の大きな転機は、今から約150年前に遡る。

その時、世界中で突然「ダンジョン」と呼ばれる異次元の空間が出現した。

ダンジョンには見たこともない魔物が生息し、危険な罠や謎に満ちた構造が広がっていた。

ダンジョンの出現は人類にとって未知の恐怖と同時に、魔石などの貴重な資源や特殊なアイテムが手に入るチャンスをもたらした。


これを皮切りに、人類はダンジョン攻略の技術を磨き始め、魔法を研究し、魔物に対抗する力を手にしていった。

しかし、同時に「魔力汚染」という新たな問題も発生する。

魔力が世界中に拡散した結果、人体への影響が顕著に現れ、特に男性はその適応が難しく、体調を崩すことが多くなった。

この魔力汚染が原因で、世界的に男性の出生率が激減し、現在の1:1000という男女比の偏りへと繋がっているのだ。


そんな背景を持つこの世界で、人々は魔法技術を駆使して生活しており、生活様式も大きく変わった。都市には魔石を利用したエネルギーインフラが整備され、兵士たちは魔法武器を操る術を習得している。

こうした魔法と科学の融合が進んだ社会の中で、俺は「貴重な存在」として保護され、期待と注目を一身に集めている。


ダンジョン誕生の話や魔力汚染等の詳細は、後日じっくりと語るとして、現状を簡単に纏めるとこんな感じだ。


世界情勢

1. 魔力とダンジョンの出現


ある日、突如としてこの世界に「魔力」が流れ込んだ。それまでの自然法則を変えるほどの異質な力が世界中に満ち、同時に「ダンジョン」という異空間が各地で発生し始めた。

ダンジョンの中には凶暴なモンスターが棲み、内部は危険に満ちているが、希少な資源や魔法具が発見されることもあり、国々はダンジョンの管理に必死になった。

特に、魔力は男性の体に悪影響を与えることが発覚。

この出来事が原因で、男女比が1:1000と大きく偏ることになった。


2. 男女の役割と貞操観念の逆転


魔力の影響で女性が圧倒的な人口を占め、魔力耐性がある男性は極めて希少に。

国々は生き残った男性を「国家資産」として保護する制度を整え、一般社会でも貴重視するようになった。

こうした状況から、男性は特別な保護対象とされ、結婚や交際の権利は女性にとって競争が激しくなった。

貞操観念も逆転し、女性が男性にアプローチする形が当たり前になっている。


3. ワールドアナウンスとシステム解放


魔力が世界に満ちた後、「ワールドアナウンス」という謎の声が響く現象が発生。

これは特定の状況や偉業が達成された時に、全世界に同時に聞こえる謎の音声。

ワールドアナウンスは、ダンジョンの出現、スタンピード(魔物の大量発生)、システム解放と呼ばれる段階で発生。

システム解放により、全人類が「レベル」「スキル」「ステータス」などを可視化できるようになり、魔法やスキルを扱うことが可能に。

ワールドアナウンスにより、ダンジョン攻略の偉業や最高位の戦士の功績が讃えられた結果、御剣家や皇家など、一部の一族が一躍脚光を浴びることになった。


4. 世界各国の対応と御剣家の役割


魔力とダンジョンによる危機は人類全体の問題であり、各国が「対魔力組織」を設立して対応を進めた。その中でも、日本には御剣家をはじめとする「御三家」があり、これらが武力と情報力を駆使して国を護る役割を担っている。

御剣家は「武」の象徴として、戦闘力とダンジョン攻略において他に引けを取らない存在。

特に、葵の母である御剣茜は「人類最強」の称号を持ち、SSSランクダンジョン単独討伐の実績を誇る。


5. 表の御剣、裏の御影


御剣家は公に強さを誇示し、国家の武力として尊敬されているが、その影には「御影家」という分家が存在する。

御影家は暗殺や諜報活動を得意とし、敵国や魔力を悪用する組織への潜入や情報操作を行う影の存在。表の御剣家を護りながら、裏で暗躍して国の安定を支えている。


6. 特殊な職業とギルド制度


魔力の存在が一般化したことにより、「探索者」と「冒険者」という職業が生まれ、ダンジョン攻略やモンスター討伐を請け負うギルドが設立された。

探索者や冒険者たちはレベルやスキルを駆使してダンジョンを攻略し、資源の獲得や世界の防衛に貢献しているが、彼らの中でも「エリート」や「超越者」と呼ばれる存在が注目される。

御剣家や御三家の人々はその超越者に位置づけられている。


7. 現代と異なる技術進歩


魔力の導入により、科学技術と魔法技術が融合する形で進化を遂げた。

魔力を利用した「魔導具」が登場し、武器、防具、医療機器に至るまで、生活の様々な場面で活用されている。

特にダンジョン攻略の際には魔導具が不可欠であり、魔導具の開発・改良は国を挙げて行われている。


世界・ダンジョンに関する簡単な情報はこんな感じになっている。


ちなみに、これが俺のステータスだ。


名前:御剣みつるぎ あおい

年齢:5歳

特徴:


圧倒的な魔力と武力のセンスを持つ天才児。

魔力を使った身体強化によって、すでに「光速に近い戦闘スピード」を発揮する潜在能力がある。

姉の刹那に強く憧れており、彼女から抜刀術や刀の使い方を学び始めている。

御剣家の未来を担う逸材として、一族内外から注目されている存在。

ステータス(レベル1)


HP:100

MP:100

筋力:100

敏捷:100

体力:100

知力:100

精神:100

幸運:100


性格:純真無垢で探究心旺盛。

特に戦闘や技術に興味津々で、姉たちが使う技術を目にするたび、目を輝かせている。

習得力も非常に高く、姉から学ぶ剣術や身体強化の技術を短期間で吸収している。

刹那姉様の華麗な剣技に強い憧れを抱いており、いつか自分も姉のように強くなりたいと夢見ている。


この才能のおかげで、俺は幼いながらも周囲から「天才」として扱われることが多い。

ただ、俺自身は単に「かっこいい姉様の技術を真似したい」という純粋な気持ちで剣を握っているだけだ。

戦闘に興味を持つのも、俺TUEEEがしたかったからだ。

今のところは、この純粋な探究心と成長速度を見守ってもらえているが、次第に周囲の期待も大きくなるだろう。


ただ、俺は好きに自由に生きたい。

そのためには、強さと金が必要だ。

だから、俺は強くなるために今日も訓練と勉強に取り組む。


エイ‼ヤー!トォー!


バキ‼

ボコ‼

ベコ‼


…うちのメイド達強すぎない?


気のせいですよ葵様。

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