『葬送のフリーレン』にどハマりしました(笑)
今さらです。
なんか人気出てるっぽいなあ・・・。
と思いながらも
その絵柄から
よくあるRPG系ファンタジーね。。くらいに思ってスルーしていたんですが、
少し前から読み始めて、どハマりしました。
RPG系ファンタジーの王道テンプレはしっかり使っています。
勇者。冒険。仲間。魔王。ダンジョン・・・。
しかし、物語は勇者一行が魔王を倒してしまって凱旋した後から始まります。
「この先も人生は続くんだよ?」
勇者一行が魔王を倒してしまった「後日談」として描かれるところが斬新・・・
という視点で見てしまうと、このお話の最重要なテーマを見落としてしまいます。
読み始めてすぐ
タイトルに『葬送』とあるのは、そういうことなのか。
と気付かされました。
この物語のメインテーマは 死者との対話 なんです。
死者との対話を通して、フリーレンが少しずつ成長してゆく物語なんです。
主人公(?)のフリーレンは、無限に近い長い寿命をもつエルフ。
ですから、勇者一行の「人間」の仲間たちは皆、物語の現在時間では寿命で死んでいます。
そう。戦って死んだのでもなければ、事故で死んだのでもない。
穏やかにその後の一生を送って、大往生したのです。
人は思い出されなくなった時、2度目に死ぬ。とも言われます。
フリーレンは、今は亡きかつての仲間たちの言葉や態度、その置かれた風景を思い出し、それと対話を重ねて、自分自身の中でその意味を深めながら成長してゆきます。
「葬送」とはそういう行為でしょう。
3回忌、7回忌、13回忌・・・。
死者はそれ以上、新しいことも言わなければ新しい表情を見せることもない。
思い出して、新たな意味を見つけ出し、少し成長する。
それが、死者と対話するということ。
残す者。残される者。
時間の重なりは現在進行形でなくとも、対話は続けられ、それはまた誰かに受け継がれてゆきます。
RPG系の「新たな冒険」は、まあ、読者サービスみたいなもので、そのテンプレの外側に置かれたこのテーマにAjuは惹きつけられました。
皆さんにもきっとありますよね?
死んでしまった人でなくても、遠く離れて行き先も分からなくなってしまった人。
そういう人との「対話」も実はできますし、していますよね。
日常の、ちょっとした時間の隙間に・・・。
Ajuの好きな静かなお話です。
読み続けようと思っています。
もう1つ、Ajuの好きな静かな漫画があります。
『少女終末旅行』という漫画です。
漫画で描いた哲学書——みたいな漫画です。
興味のある方は探してみてください。
この中で、Ajuの気に入っているセリフ。
「あ、あの人、笑ってる。」
「絶望と仲良くなったんだよ。」