私のエッセイ~第九十四弾:多言語学習雑記(その9)~エスペラント~ 「希望の言語」
皆さん、おはこんばんちわ!
ご機嫌いかがですか・・・?
本日は、多言語学習の「各論エッセイ・第一弾」として、皆さんもよくご存知の「エスペラント」についての簡単なエッセイであります。
この言語は、「エスペラント語」と、「語」をつけて呼ばれることが多いのですが・・・「エスペラント」というのが正式な呼び名になります。
この「エスペラント」という単語・・・それは、「希望する人」という意味であります。
「エスペラント」という言語には、他の言語には見られない、大きな特徴がまずあります。
それは・・・「誕生日がはっきりしている!」という点です。
この言語には、「生みの親」がいます。
それが、ポーランドで眼科医をしていた、「ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ(1859~1957)」という、ひとりの男です。
彼は、複数の民族や言語、宗教が混在する社会で育ち・・・そのために、お互いが誤解し合い、争いを人々がする様子を目の当たりにし、やがて、それらを克服する可能性のある共通の言語を作り出そうとし、足掛け9年もの試作期間を設けたのち、1887年に、自身の作った言語「エスペラント」を、世に送り出しました。
「1887年7月26日」・・・この日が、「人工言語」「国際計画言語」、エスペラントの誕生日です。
これは、英語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・ラテン語・ギリシア語・・・こういったヨーロッパ言語(= 印欧諸語」)の「自然言語」から、多くの語彙を取り入れ、整備されました。
「自然言語」によく見られるような「文法上の例外」・・・たとえば、「動詞の不規則変化」そして、学習上、非常にやっかいで障害になる「名詞の格変化」といったものを徹底的に排除し、文法的に、非常にシンプルで、見通しの良いものに仕上がっておりますね。
そのため、「誰もが学びやすい国際共通語」として、英語に取って代わるものになるのではないか・・・このようにお考えになる方も、少なからずおられることと思います。
しかしながら、そういった「言語的な位置を乗っ取る」などという野心は、この言語にはありません。
この言語の目的は、異なる言語を話す人たちの間の「共通の第2言語」となることで、言葉の壁を取り除き、真の「世界平和」を願う・・・このようなコンセプトであります。
わが日本には、「財団法人日本エスペラント学会」という団体があり、「世界エスペラント大会」という、「エスペランティスト(= エスペラントを操る人)」たちの大規模な集まりも、毎年、場所を変えて開かれております。
私は参加したことはありませんが・・・日本では、2006年に、「日本での記念すべき百周年大会」が開催されました。
ちなみに、第一回大会は・・・1905年にフランスはパリで開かれたものです。
この「エスペランティスト」ですが・・・その「象徴」といいますか、「あかし」といったグッズがございます。
それが、「緑星旗」という緑の旗と、「緑星旗バッジ」という、メンバーバッジ・・・いわゆる「徽章」ですね。
「緑色の星」が目印ですから、弁護士バッヂ、議員バッヂよりも、ひとめで分かるデザインとなっています。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ここまで、かなり「能書き」が長くなってしまいましたので・・・この言語の、「文法的特徴」というものを、具体例を挙げながら、シンプルにではありますが、説明させていただきますネ。
これは皆さんもよくご存じだとは思いますが・・・英語をはじめとした欧州言語の特徴としまして、「よく使われる単語ほど、非常に不規則な変化・活用をする!」という、理不尽ともいえる現象があります。。
その最たる例が、英語における「be動詞」の活用ですね。
「am」「is」「are」「was」「were」。
これは、何も「be動詞」に限ったことではなく・・・よく使用される語彙ほど、非常に不規則な変化をする・・・どの言語でも、そういった現象が起きてしまっています。
使用頻度が多いから「すり減ってしまった!」・・・そんな見方もできるかもしれませんね。
そこで「エスペラント」では、以下のように規則を定めました。
1.「動詞の現在形=語幹+ -as」
2.「動詞の未来形=語幹+ -os」
3.「動詞の過去形=語幹+ -is」
4.「名詞の語尾は、すべて、 -o」
5、「形容詞の語尾は、すべて、 -a」
というふうに、一切の例外を排除し、ひとめでその単語の「品詞」「文法的働き」が分かるように工夫されています。
たとえば、日本語で「~です」にあたるもの(=英語での「be動詞」)は、1、では「estas(= エスタス)」、2.では、「estos(=エストス)」、3.では、「estis(= エスティス)」となりますね。
名詞の例を挙げますと・・・「homo(= ホーモ:人間)」
「hundo(= フンド:犬)」「generasio(= ゲネラツィーオ:世代)」「somero(= ソメーロ:夏)」など。
形容詞はこうなりますね・・・「lerta(= レルタ:器用な)」「honesta(= ホネスタ:誠実な)」「blua(= ブルーア:青い)」「granda(= グランダ:大きい)」など。
ちなみに、エスペラントの動詞の不定形・・・つまり「基本形(= 辞書に『見出し語』として載っている形です)」は、すべて「-i」の形を取ります。
具体例を挙げますと・・・
不定形は、「-i」。→ 「lerni(= レルニ:学ぶ、学ぶこと)」
現在形は、「-as」。→ 「lernas(= レルナス:学ぶ)」
過去形は、「-is」。→ 「lernis(= レルニス:学んだ)」
未来形は、「-os」。→ 「lernos(= レルノス:学ぶだろう)」
仮定形は、「-us」。→ 「lernus(= レルヌス:学べば)」
命令形は、「-u」。→ 「lernu(= レルヌ」学べ)」
・・・ねっ❤️
とっても、シンプルでしょう?
このように、エスペラントには、「不規則動詞」も、人称や数によって形が変わるということもありません。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
せっかくですから、ここで簡単なエスペラントの会話の例を挙げておきますネ。
Maria:「Bonan Tagon, Masao.」
Masao:「Saluton,Maria! Kiel vi fartas ?」
Maria:「Mi fartas tre bone,dankon. Kaj vi?」
Masao:「Ankau mi fartas tre bone.」
(読みと訳)
マリア:「ボーナン ターゴン! マサオ」(= こんにちは!マサオ。)
マサオ:「サルートン、マリーア! キーエル ヴィ ファルタス?」(= やあ、マリア! 調子はどう?)
マリア:「ミ ファルタス トレ ボーネ、ダンコン。カイ ヴィ?」(= ええ、元気よ。ありがとう。あなたはどう?)
マサオ:「アンカウ ミ ファルタス トレ ボーネ。」(僕も、元気だよ。)
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ここで、エスペラントの音声の実際を、YouTube動画ですが、紹介しますネ。
『The Sound of the Esperanto language (Numbers, Greetings & Story)』
→ UP主様は、「ILoveLanguages!」様。
(※) なお、前述の「挨拶」と、この動画中の「挨拶」に、一部違いが見られますが・・・これは、単なる「表現の違い」「バリエーション」とお考えくださいまし。
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最後に・・・私が今現在、ほそぼそと学習しております、エスペラントの学習書を紹介しますね。
1.『まずはこれだけ エスペラント語』:国際語学社
2.『CDエクスプレス エスペラント語』:白水社
3.『ニューエクスプレス エスペラント語』:白水社
4.『新稿 エスペラント四週間』:大学書林
5.『エスペラント基礎1500語』:大学書林
6.『La Aventuroj de Alico en Mirlando: Alice's Adventures in Wonderland in Esperanto ペーパーバック – 2012/2/29』=『不思議の国のアリス(エスペラント版)』~ これは、洋書になりますので、興味のある「猛者」は、ぜひ、チャレンジしてみてね! ちなみにコレねぇ・・・初級者がいきなりやったら、マジで「死ぬ」わよ❤️
じゃあねぇ、みなたま。
愛してるわ。
ちゅっ❤️