家探しと村の悩み
「さてまずは家を探しましょう。」
「……おう。」
朝日を見た後、妹は俺に家探しを提案する、俺は野宿でも大丈夫だが、さすがにそれは怪しまれる、其だけは避けたい、両親に見つかりたくない。
「っと…まずは検問所か。」
洞窟の出口が山の麓付近だったので、村までは容易に来ることができた。
「すいません、村に入りたいのですが…」
門番は俺達の服装を見るなり、少し驚きながら
「お、お、お疲れ様です」
と敬礼し、中へ入れてくれた…何か癪に触ることが?
「先に行って家を探してくれないか?」
「分かりました。」
そういい先に行く、俺は少し話を聞くとしよう。
「門番殿、すまないが_」
「っひ!?」
この反応…怯えている様だ。
「話を聞かせてくれ、一体何があって俺達を恐れている?」
「話を…聞いてくれるのか?」
どうやら何か訳があるようだ、聞いた方が良いだろう。
「勿論だ、困ってる人を助けるのは当たり前だろうに…」
門番の男は俺を見て、肩を掴み。
「頼む…どうか、どうか助けてくれ…助けてくれ頼む……!!」
「…はい?」
全く意味が分からん、分かることと言えば、俺達の服装を見て助けを求めている目をしていた、何か困っていることがあるのだろうか。
「門番殿、落ち着いてくれ…事の経由を話してくれないか?」
「あ…あぁ…」
門番殿から話を聞いた、内容は大雑把に言うとこうなる。
数日前、勇者を名乗る者がここに現れる魔獣を討伐しに来たと言い、討伐をしてくれた、ここまでは分かる…だが問題は此処からだ。
「それで、魔獣の出現はどうなったんですか?」
「………増えたんだ」
「なんだと?」
「それも死霊系統の魔獣が増えたんだ…」
アンデッド…殺された魔獣の怨念と魔力が死体に宿り、さ迷い続ける死体と化すのだ。
それを防止する方法は聖なる力の聖気を使う『聖女』が必須となる、勇者なれば必ず連れる人員だ。
「その勇者のパーティーを教えてくれないか?」
「た、確か…勇者様のパーティー全員が重装備で、シスター様の様なお方は居ないように感じました…軍人殿?」
「助けてやる、条件は俺達の身柄を内密にすること、空き家を受け渡すこと…その二つを飲んで欲しい。」
「良いだろう、その条件を飲もう、内密にしよう、空き家もある。」
この話を聞いて分かったことがある。
その勇者とか名乗る奴等にお灸を据えなきゃいけないようだ