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第八十五話 実験ターイムッ

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は、新たな登場人物が……かなり、濃いキャラが登場します。


それでは、どうぞ!

 謁見の間から退出して、俺はライナードに具体的にはどんな検証をするのかを尋ねてみる。



「む、すまないが、俺にも分からない」



 申し訳なさそうにするライナードに、俺は首を横に振って気にするなと伝える。



(ニナのためなら、いくらでも付き合うさ)



 そう思いながら、俺達は魔王陛下に指示された中庭へと向かう。



「ひょっひょっひょっ、良く来たなぁ、実験体どもぉ」


「チェンジでっ」


「ひょっ?」



 そこに居たのは、明らかマッドサイエンティスト。爆発でも起こしたかのようなボサボサな黄色の髪に、眼鏡をかけて、白衣を羽織った痩身のその男を見た瞬間、俺はそう宣言していた。



「む、カラクか。なら、安心だな」


「えっ!? どこが!?」



 ただ、ライナードは何やらこのマッドな人と面識があったらしく、ウンウンとうなずいている。……発言の内容は、理解できないが……。



「カラク、こちらがカイト。俺の片翼だ」


「ひょーっ! あなたが片翼を持つなんて、これも、研究するべき項目ですかなぁ?」


(ちょっ、ライナード!? この人危険じゃないのか!?)



 ライナードは平然と俺を紹介して、カラクという男の発言を聞き流す。



「そして、こっちがニナ。魅了使いだ」


「み・りょ・うっ! なーんて、素敵な響きでしょうっ! さぁさぁ、ニナ嬢お顔をよぉく見せて……へぶっ」


「やっ!」



 ニナを良く見ようと近づいたカラクは、涙目のニナに鼻を叩かれて撃沈していた。



「む、確かに、カラクは独特な顔だが、怖くはないぞ?」


「いや、主に性格の方が独特だよなっ!?」



 思わずそう突っ込めば、ライナードは何のことかさっぱり、といった様子で首をかしげる。



「まぁ、害はない。俺は、もう一度仕事に戻らないといけないから、ここでカラクに付き合ってやってくれないか?」


「えっ!?」


(俺達、こいつの前に置いていかれるの?)



 未だに鼻を押さえてうずくまっているカラクを見る限り、確かに戦闘能力は欠片もなさそうだ。しかし、明らかにその性格はマッドサイエンティストそのもの。恐怖を抱くのも無理はなかった。



「やっ!」


「ひょっ、これが魅了の力だとでもいうのかっ! 可愛いっ!」


(あれ? 案外大丈夫?)



 ニナを前に、別の意味で悶絶し始めたカラクは、確かに危険人物っぽいが、そうでもないのかもしれない。



「はっ! ライナード君! そろそろ行かねばならないのではないか?」


「む……残念だが、仕方あるまい。カイト、また後でな?」


「お、おう」



 何となくうなずいてしまった俺は、またしても『ひょっひょっひょっ』と笑い出したカラクに戦慄しながらも、覚悟を決めて向き合う。



「さぁっ、まずは何をおいても実験ターイム!」


「所長。まずは自己紹介がふつーでしょうよ?」



 と、そんなカラクを見ていると、そこら辺の木の影からひょっこりまた別の人物が現れる。水色のボサボサの髪に、やはり眼鏡をかけた、だらしなさそうな男。しかし、常識はありそうだった。



「ひょ? では、そうだな。私はカラク・デンジャー。実験課所長だっ」


「正式には、魔術検証課所長でしょうよ。あっ、僕は副所長のボック。よろしくねぇ」


「よ、よろしくお願いします」



 差し出された手を握り返して、挨拶を終えれば、ニナは警戒しながらジーッと二人を見つめ続ける。



(うん、ニナにとっては不審者でしかないよなぁ)



 実験の準備は整っていると言うカラクに強引に連れられて、俺は中庭の中でも開けた場所へと辿り着く。ここなら、走り回っても問題なさそうだ。そして、そこには屈強な男達が十人ほど、ズラリと並んでいた。



「これから始めるのは、魅了の能力確認だっ! 話によると、カイト嬢には魅了を抑える何らかの力が働いているらしいから、その効果範囲の確認も兼ねる」



 説明しながら、カラクは伸ばしたメジャーらしきものの端に俺とニナを案内し、そこで止まるように告げる。



「いや、魅了にかかったら不味いんじゃ……」


「ひょーっ、ひょっひょっ。何、問題はないっ! ここには、激辛君昇天錠があるっ! これさえ使えば、魅了された者も元に戻るというものっ! ここに揃えた屈強なる闇魔法耐性保持者達が、魅了された者を拘束し、これを口にぶちこんで救出するという寸法だ!」


(激辛君昇天錠……な、名前がとんでもなくヤバそうなんだけど、死人なんて出ないよな!?)



 それを口にするのは自分ではないと分かっていても、ブルリと震えてしまう。



「あっ、しょちょー。僕は、それ口に入れるの勘弁なんで、塔に戻ってますね」


「ひょ? 激辛君昇天錠の素晴らしさが分からないなど、ボックはまだまだだっ。しかぁしっ、私は心が広いから、そのくらいのことは許してやろうっ!」


「あざーすっ」



 そうして去っていく常識人ボック。



(えっ? これ、本当に大丈夫っ!?)


「ひょーっ! さぁさぁっ、楽しい実験の始まり始まりぃっ!」



 いつの間にか俺に抱きついてきていたニナと一緒に震えながら、俺は、とにかく平穏無事に実験が終わってくれることを祈るのだった。

さぁさぁっ、海斗ちゃんとニナちゃんの命運はいかにっ(笑)


激辛君昇天錠の衝撃のお味の方は、ご想像にお任せします。


それでは、また!

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