表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/121

第六十三話 美女登場

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は、美女が登場ですよっ。


うへへへへ。


はっ、いや、何でもないです。


それでは、どうぞ!

 お屋敷は、案外大きくて、見る場所も多かった。特に、色々な物が収められている倉庫は、何となく見ていて楽しかった。



(だって、剣とかあるしっ、鎧とかも格好良かったしっ!)



 しかも、それらの武器は今も使われているという。



(今度、ライナードが使ってるところ、見せてもらおうかな?)



 迷惑なら諦めるが、もし、見学ができるのであれば、訓練風景でも見てみたい。きっと、あの強面のライナードは強くて格好良いのだろう。


 一般客用の客室や、厳かな雰囲気が漂う茶室……なぜか、ライナードの趣味が詰まったぬいぐるみ部屋にも案内され、その後もブラブラと、色々な部屋を覗いていた。すると……。



「カイトーっ!」



 後ろから、ドドドドドッという足音とともにやってきたライナードは、何やら切羽詰まった表情をして、俺と衝突する前に立ち止まる。俺は振り返って、そんなライナードに口を開く。



「どうしたんだ? ライナー「まぁぁぁあっ! 彼女がそうなのねっ!?」へっ?」



 『ド』という最後の言葉を告げる前に、俺は後ろから誰かに抱きつかれる。



「へっ? えっ?」


「あ、姉上……」



 そして、目の前のライナードは、なぜか、サァアッと青ざめる。



(あねうえ? 姉上!? えっ? ライナードのお姉さん!? というか、何で、ライナードは青ざめてるんだ?)



 ライナードの様子に、俺は言い知れない不安を感じる。そして……。


 ギュウゥゥゥウッ!



「うぐぅっ」



 お腹に回された腕が、ギュウッとめり込む。



「あぁぁっ、私に義妹ができるのねっ! この堅物に片翼ができるなんて、夢みたいだわっ」


(は、離して……)



 あまりの力強さに、呼吸もままならず、とりあえず目の前のライナードに助けを求める。



「姉上っ、カイトを離してくださいっ! 力を込めすぎですっ!」


「まぁっ! ごめんなさいっ、私ったら、嬉しくって、つい……」


「ごほっ、はぁっ、はぁっ、た、助かった……」



 離された瞬間、俺は奪われるようにしてライナードの腕の中に包まれる。



「姉上っ、カイトはか弱い人間の女性なんですっ! 力加減を考えてくださいっ」


「ごめんなさいね? カイトちゃん?」



 謝ってくれるその声に、俺はライナードの言葉にちょっと物申したいことはあったものの、ゆっくり振り返ってみる。すると……。



「許してくれる? カイトちゃん?」



 翡翠の流れるような長髪に、赤い角、赤い瞳を持つ、妖艶な美女が居た。



「あっ、う……えっと……」



 リリスさんはキツメの美女、ローレルさんは残念な美女で、最初は彼女達に接するのも、ある程度ドギマギする部分はあったのだが、中身を知ってしまえばそんなことはなくなった。しかし、これは、この妖艶な美女は、ハードルが高い。

 たれ目な彼女は、強面のライナードとは似ていないように思えるが、口元の形だとか、髪や目の色なんかはそっくりだ。それは、もし、ライナードが女性だったら、こうだったかもしれないという想像まで掻き立てられて、何だか、冷静ではいられない。



「カイト……? っ! ダメだっ! カイトは俺だけを見てくれっ!」


「うわっ、えっ? えっ?」



 ボーッとしていると、ふいに、ライナードが真剣な声で俺を抱き締める。その力は、しっかりと加減されたものであり、苦しくはない。苦しくはない、が……。



「な、何を言ってるんだっ、ライナード!」


「あらあらまあまあっ、熱々ねっ! 熱々なのねっ!」



 思わずライナードに抗議するが、そうすると、途端に美女が興奮し出す。



「そうです。今、俺達は熱々なんです。だから、さっさと帰ってください」


「いや、熱々じゃ「まあっ、お姉様に向かってそんな口をきくなんて、よっぽど昔話をされたいらしいわね?」いや、あの?」



 何か盛大な誤解をされている。そう思うものの、口を挟む暇がない。



「ぐっ、それはっ」


「さぁっ、ライナード! カイトちゃんを私に渡しなさいっ! 悪いようにはしないわ」


「いや、だから熱々とかじゃ「カイト……」えっと、何か問題があるのか?」



 切ない声で呼んでくるライナードに、俺は思わず、そんな質問をする。それが、大きな間違いだと気づかずに。



「ほらっ、カイトちゃんだって、未来の義姉妹としてお話したいはずよっ。さぁっ、さぁっ」


「ぐ、ぅ……」



 何やら、ライナードが劣勢の状態で、俺は、渋々といった様子のライナードに、美女へと引き渡される。



(えっ? ちょっ? もしかして、俺、選択ミスしたっ!?)



 そうして、俺はなぜか、美女に連れられて、どこかの部屋へと押し込められるのだった。

ライナードのお姉さんが登場でした。


名前は次回で!


そして、お知らせ。


『片翼シリーズ番外編』で、ひな祭りのお話(ジークとハミルのお話)を更新しております。


良ければ、読んでみてください。


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ