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第五十九話 暴露(ライナード視点)

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は、ライナードが今まで抱えていた心の内を暴露しちゃいますよっ!


それでは、どうぞ!

 ドム爺に、説教された。それは、もうこってりと絞られた。原因は、俺のカイトに対する態度だった。



「坊っちゃん、坊っちゃんは、カイトお嬢様のことをどう思っておいでですか?」


(そんなことは決まっている。愛しているんだ)



 しかし、それを伝えるより先に、ドム爺は目をつり上げる。



「坊っちゃんがカイトお嬢様を想う気持ちは、我々使用人一同、十分理解しているつもりですっ。しかし、だからこそっ、今の坊っちゃんの態度はありえませんっ!」



 そう言われて、延々と俺は、ドム爺から片翼に対してどう接するべきか、子供でも知っている内容から、大人版まで、懇切丁寧に説明し、その上で、爆弾を落とす。



「そんなにカイトお嬢様のことを想うなら、まずはカイトお嬢様自身の気持ちを確かめることから始めなさいっ!」


「カイトの、気持ち?」


「どうせ、坊っちゃんは一人で勝手に、カイトお嬢様のためだと思い込んで、相談もなしにことを進めておられるのでしょう? そんなもの、カイトお嬢様に通じるわけがありませんっ。隠し事をしているのと同義ですっ」



 そう言われて、俺は雷に打たれたようなショックを受ける。カイトに隠し事をするつもりなど、毛頭なかった。ただただ、カイトのために、カイトが元の世界に帰れる方法を探していただけだったのだが、ドム爺によれば、カイトに関することなのに、知らせないのは隠しているのと変わりないのだそうだ。

 結局、その後の話で、カイトが異世界人であることも話すはめになり、余計にカイトの気持ちを確かめるよう告げられ、部屋から叩き出された。


 カイトの部屋に行けば、カイトは、魔法に関する本を広げて悩んでいる様子で、やっぱりカイトは、帰る方法を探しているのではないかと不安になる。



(いや、それが自然なんだが、な……)



 事前に、俺が入った後にリュシリーがお茶を持ってくる手筈になっており、そのおかげで、カイトと一緒にお茶を飲むこととなった俺は、カイトと一緒にいられることを喜びながら、これから話すことを思うと憂鬱になる。



(前に、カイトはこの世界に残るようなことを言っていたが、本当の気持ちは分からない。俺には、カイトは仕方ないから帰らないと言っているように聞こえたんだ)



 カイトは、元の世界では死んだことになっているという。どういうことなのかいまいち理解できていないが、元の世界に戻り、カイトが無事な姿を見せれば、こんなに優しいカイトの家族なら受け入れてくれるのではないかと思えた。


 一度、カイトから最近の俺が何をしているのかを聞かれて、俺は思わず答えない方向に話を持っていってしまう。……リュシリーからは、すごい目で睨まれた。いや、それだけではなく、練り切りの説明の最中、器用に魔法で俺の足をつねるという所業にまで出てきて……どちらが主なのか分からなくなる。しかし、それによって、勢いづいたことも確かだった。



「「あの」」



 カイトと言葉が重なってしまうまでは。



(っ、こ、ここは)


「カイト、先に言うと良い」


「えっ? いや、ライナードの方が先で良いよ。私のは……そんなに大した用事じゃないし」


「そ、そうか」



 『大した用事じゃない』と言う割には、何か悩んでいる様子のカイトだったが、俺はもう、頭の中が混乱中だ。



(分かっている。分かっているから、そんなに睨まないでくれっ)



 再びリュシリーから睨まれた俺は、カラカラに渇いた口で、そっと、言葉を紡ぐ。



「カイトは、その……帰りたいとは、思わないのか?」



 あえて、『どこへ』という言葉は除いて、それだけを聞く。それを聞き届けたリュシリーは、一礼をして去っていった。すると、カイトはひゅっと息を呑んだ後、目をそっと閉じる。



「前も言った通り、私は、元の世界で死んだことになってる。帰りたくても、帰れないよ」



 『帰りたくても、帰れない』その一言が、カイトの気持ちを如実に表していた。



「……ここ最近、俺は、城でカイトを元の世界に戻す方法がないか、探し回っているんだ」



 そう言うと、カイトは大きく目を見開く。



「カイトを元の世界に戻すことに努力は惜しまな「そんなこと、しなくて良いよ」……カイト?」



 言葉を遮ったカイトは、どこか困ったような表情で、苦笑していた。俺は、何がカイトにそんな表情をさせるのか分からず、困惑する。



「私は、確かに帰りたい気持ちはある。けど、今はもう、この世界に居るのも良いかなって思ってるんだ」



 そう言われて、俺は、言葉を失う。



(……幻聴? 都合の良い夢、か?)


「まぁ、問題がないわけじゃないんだけど……うん、ライナード、私の……いや、俺の話を聞いてくれるか?」



 そして、なぜか一人称が『俺』に変わったカイトは、どこか怯えたような表情をしながら、必死になっているのが見てとれた。



「もちろんだ」



 そうして、俺は、カイトの真実を聞くこととなるのだった。

はい、次の暴露は、海斗ちゃんの方ですね。


次回は、もちろん、海斗ちゃん視点となりますよ。


それでは、また!

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