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ボンと三つの爆発が起こる。
頼りになる友達が、僕のために頑張ってくれている。
その事実が山田公平の心に火を灯す。それこそ胸に炎が灯ったようだと山田は感じていた。
体の隅々まで力が行き渡り、今なら何でもできそうな気がしてしかたがなかった。
戦うことにも意味があるのだと知った僕なら、勝ち取ることにためらいなどない。
「僕の力が心を現実にする力だっていうのなら……」
今から僕は告白する。
それを阻むのは世界最強の敵だ。
あいつらを倒さないと彼女に手が届かない。
でも友達がそのための道を開いてくれて、僕は全力であそこまで行けばいい。
「こんなの―――無敵に決まってる!」
何時しか彼の体は赤く、赤く輝きはじめ、飛び出せば光は最高潮に達した。
体が軽い。
目視する敵は、いつも以上に景気よくぶっ飛ばした。
一秒でも、一瞬でも時間をかけていられなかった。
もっと速く駆け抜けなければ薊さんに追いつけない。
いつも出遅れてばかりの僕なんかが追いかけても、相手にしてはもらえないだろうけど、ここで伝えられなかったらもう二度と薊さんに会えないのだけはわかってる。
なら―――
「いくしかない!!!」
僕は力の限り雄叫びを上げた。
「「「うわー……なんだあれ」」」
驚くよりもあきれ果てた動きに男子一同声がそろった。
一体でも相手をするのにてこずるロボットが数百体。
山田の光が瞬くだけで、すべて粉砕されてゆく。
爆砕されたそいつらがただ粉々になって地面に落ちていく姿は、まるで蚊取り線香を密室で焚かれた羽虫のようだった。
「すげぇな……あれが山田の真の力ってわけだ。まさに無敵って感じだな」
「いや、あれが文字通り愛の力なのか? 本当にあるとは思わなかったが」
「ブラボー!……まぁ最初の時本気で喧嘩売ってたら、あの粉々になってるのは自分達だったと思うと手が震えるけどね」
「……」
「……」
「まぁ奴は怒らせないようにしよう」
「そうだな。ほんとに」
三人は深く頷きあった。
あいつの力は心に体が応えているだけなのだそうだ。
山田 公平が強く願えば、体の方が願いに応えて姿を変える。
今、あの男はどんなテンションなのか?
その姿は今までにない程に無敵に見えた。
山田の光は、すでに逃げに徹している薊の光を今まさに捕らえようとしていた。




