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「あぁ……」


 僕は不思議な光景を前に、空を見上げたまま立ち尽くした。


 彼女の言う通り、僕には無理やり彼女を引き留める理由なんてない。


 そのはずなのに、もう会えないのだと想像すると胸が締め付けられるようだった。


 自分の感情がどういったものなのかまるで理解できない。


 いっそ訳が分からな過ぎて泣いてしまいたい気分になっていると、僕は背中を叩かれた。


「おいおい……なにしょぼくれた顔してんだ山田。なさけねぇ」


「!」


 驚いて僕は振り返る。


 計ったかのようなタイミングで姿を現した時坂君はぐっと親指を立てた。


「その通りだ。こんな面白そうなこと一人で楽しむものではないぞ?」


 上空から腕を組み、雰囲気を出して降りてくるのはホルスト君である。


「そうだよ! ボクらも混ぜてくれないとさ!」


 そして最後にジュピンと光になって現れ、かっこよく地面を滑って来たのはべぇだ君だ。


 現れた友人達は口々にキメ顔で、満を持して登場してきた風のかっこいいセリフを口にする。


 僕は混乱して、友人達の顔を見て呟いた。


「……みんな。なんでいるの?」


 とたん、彼らのキメ顔は霧散する。


「……いや、まぁ」


「……大したことではない」


「……たまたまね、気が向いたというか」


 ぼんやりとした返答に、さ迷う視線。


 それを見た瞬間、今までしびれてぼんやりしたようだった頭の中が急にしゃっきりとして僕は自分の口元を抑える。


 とっさに疑問を口に出してしまったが、途端に勢いをなくした彼らの答えは聞くまでもなくおのずと理解できた。


 ここにはクラスメイトの女子全員がそろっていたんだ。


 そして彼女達との約束が彼らの予定だった――つまり。


「……」


 あのタイミングで全員ここにいたのなら、彼らの放課後の予定はすべてキャンセルということだった。


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