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6人のアイドル候補生!  作者: 8-digit
第5章
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71話 代理人

私はカフェ・ビアンカのレセプションパーティの後に届いた一通のメッセージを未読のままにしておいた事を次の日の朝思い出した。私は朝から加賀美先輩の代わりに訪問する予定だった都内某所に向かいながら、メッセージを読むことにした。


『チャオ!元気?私は今モデルをやっているけどアイドルにも興味がある。どうすればなれるのか教えて。』


とだけ書いてあった。先ずは一体どうして私がアイドルに関するビジネスを行っている会社の人間だと分かったのだろうか、という疑問が生まれたが、直ぐにその人物が引原栞の指矩であることは容易に想像できた。何故なら、応募フォームは、私の名刺に記載されているQRコードのリンクからのみアクセスできる仕様だからだ。しかも1人につき応募は1URLのみ、つまり他の誰かが応募したい場合、個別に私の名刺を受け取る必要があった。私は手渡す方法を考えながら、いや、渡すべきかどうかも検討しながら、先ずは目的地へ向かった。



私は加賀美先輩から手渡されたメモを見ながら自分の行き先が間違っていないか確かめた。何度見ても住所は正しかった。そしてそこは保育園だった。園庭にはざっと見て40〜50名はいるだろう子どもたちが散り散りになって走り回っていた。私はインターホンに自分が加賀美の代理できたことを伝えると、とても丁寧な声で入場の許可をもらった。


そして、私は園庭に入ると先ず泥の中に足を突っ込んだ。…おかしい、この数日間、雨など降ったことがなかったのに…と思いながら、今度は頭上から水が垂れてくるのを感じたので見上げると、子どもが数名2階からジョウロで水を流しながら言った。「そこどいてー。水をやらないとかれちゃうの!」私はとっさに仰け反ると今度は正面から顔の下半分に何かがぶつかった。…これはどろだ。口に苦い石と水の味がしたので、私はハンカチで拭おうとすると、遠くから大勢の男の子の声が園庭に鳴り響いた。向こうでは泥団子を製造する役、投げる役、そして逃げる役が数名いて、私を見つけると突然動きを止めて一斉にこちらを見た。私は嫌な予感がしたので、降参する旨を伝えるため、両手を挙げた。だが、それが間違いだったとその後直ぐに気がついた。そこにいた子どもたちは全員泥団子を持って、こちら目がけて投げてきたのだ。私は何とかよけて直撃は免れたが全身が泥だらけになってしまったのは言うまでもない。すると、建物から「やめなさーい!」という声が聞こえてようやくバトル(どちらかと言うと私の処刑だったが…)は終了した。


そこに1人りの保育士が出てきて私に深々とお辞儀をした。私は泥だらけのまま取りあえずネクタイを締め直した。まだ口の中は泥の味がしていた。

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