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第5話

今日は短めですいません……

「さあコルボ、今から私の言う通りに行動してください。辛い事を言いますが、貴方のためなのです……」


シスターは抱きしめたコルボを離すと、両肩に手を置きゆっくりと話し始めた。


「残念ながら貴方はもうこの村に居ない方が良いでしょう。性根が良くないとはいえ、領主を殺めてしまった今、間違いなく処刑されてしまうからです。物盗りや、誰かの怨みからの報復と思われる様に証言しますが、遠くないうちにコルボだとわかってしまうかもしれないからです」


シスターは悲痛な表情を隠しきれないまま、コルボのこれからの事を指示していく。


「私が時間を稼ぐので、できる限りこの村から遠くへ行きなさい。貴方は強いですがまだ10歳、誰か保護してくれるような人を探すのです。家族で旅の途中に魔物に襲われ、みんなが自分だけを逃がしてくれ、自分だけ助かってしまったと言えば保護してくれるはずです」


逃げる方角や場所、魔物に遭遇しない方法、道中の食事などを丁寧に教え。


そして最後に


「コルボ。お説教じみた事を言ってしまいましたが、本心は嬉しかったです。助けてくれてありがとうございました……」


言えなかったお礼を言ってそっともう一度抱きしめるのだった。





その後。シスターはコルボを見送り、部屋の中を物色されたように少しだけ荒らした後部屋を出て大声で叫ぶ。


「きゃぁああああ!!!!誰か、誰か来てーー」



しばらくすると、複数の足音と共に衛兵が2人駆けてきた。


「どうした!?何があったのだ?」


「ふ、覆面をした大男が領主様を」


ガタガタと震えながら部屋の中を指し示すと、衛兵が部屋に突入して行き部屋の中の惨状に絶句する。


「なっ、……り領主様!……なんてことだ…死んでる……」


衛兵達は領主の死を確認した後、シスターに話を聞き始めた。


「おい、どういうことだ!説明しろ」


「はい……領主様と私が部屋にいたら、窓から覆面をした大男が入ってきて……私はその時首を打たれて気絶してしまったのですが……気がついたらその男が窓から逃げていくところでした……」


シスターが衛兵に、村とは逆の方、コルボに教えた経路とは逆を指しながら男が逃げていった事を伝えると、衛兵は屋敷の中にいる者達を集めながらシスターの指し示した方へ駆け出して行った。


(コルボ……どうか気をつけて……)






一方その頃、侵入した時と同じように魔法を駆使して屋敷を脱出した後、自分の小屋に向かい。


小屋に着いてすぐ、普段狩りや獲物の解体に使っているナイフ、少しの食料と水、毛布代わりの布等を纏めると。足早に小屋を後にする。


誰にも会わないよう気をつけながら村の出口にたどり着くと、背を向けていた村を振り返り小さく一礼した後シスターに教えられた道を走り始めるのだった。








「はあ、はあ、はあ……」


(こっちの方向で合ってるよね。狩りとか採集以外で村を出た事なかったから自信ないけど大体の方角が合っていれば大丈夫なはず……)


(とりあえず走れる所まで走ろう……)


村を出たコルボはシスターの教えてくれた方向へ体力の続く限り走り続ける。


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