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第3話

若干胸糞展開です……

コルボが最後に見たシスターの顔は笑顔だったはず。


3時間ほど前、彼女の送別会の時に修道院の仲間と話していた時。


少し無理をしていたのかもしれない、それでも最後の別れを笑顔で締めくくっていたはずだった。


(今僕の目の前にいるのは誰だ?)


(目の前でボロボロになっているのはダレだ?)


(そして、シスターを虐めてるこいつは誰だ!)



コルボは平民で捨て子とはいえ、村の一員であり収穫祭などの行事の際に領主を何度か見たことがある。


貧しい田舎の領地のはずなくせに、嫌味なほど豪華な服を着て、威圧的な態度で部下を引き連れた領主がコルボは嫌いだった。


そして、シスターを陵辱しているのはまさしくその領主だったのだ。


醜い豚のような体格の領主にベッドの上に仰向けに押さえつけられて、手の平で頬を打たれながら、今朝から変わってない修道服を強引に引き裂かれて、彼女は泣き叫んでいた。



コルボにとってシスター達は母親であり、姉であり、あるいは恋する対象だった。


本当の肉親は顔も知らなかったが、彼女たちがいてくれたおかげで寂しさを感じた事は一度もなく。


そんなシスター達はまぎれもない家族だったのだ。



ゆえに今、命より大事な人が陵辱されている、その光景がコルボには理解できなかった。


いや、理解してしまったからこそ、それ以上何も考えることができなくなってしまった。




しかし、真っ白な頭の中にシスターの悲鳴が届くたびに、思考は強制的に動かされていく。



(この人は、人達は世界で一番幸せにならなきゃいけないのに)


なぜ?


(世界で一番辛い目にあってるんじゃないのか?)


どうして?


(すぐに助けてあげないと)


早く、今すぐ、動かないと。


(シスターが)


コルボが。


「壊れてしまうじゃないか………………」





無意識に思考加速の魔法を発動させたコルボは、シスターの上にいる豚のような男を排除する為の手段を探し始めた。


そして部屋の中ベッドの近くにあった、小さな机に置いてあるペーパーナイフを見つけると、すぐに走り始め、ナイフを逆手に握りしめる。


この時叫び声を聞いた領主は振り返ってコルボの姿を確認するが、突然走り出し向かってくる姿に混乱してどんな行動を起こせばいいのかわからず硬直してしまう。


「は?えっ?な、なん」


なんとか口を開き声を発しても、静止することばも言えず意味の無い言葉しか出てこない。


コルボはまず、領主をシスターから引き離すためにベッドの上に飛び乗ると、ナイフも持っている逆の手で髪を掴み力任せに床へ投げ飛ばした。


「ぎゃああああ、痛いいい」


勢いよく投げ飛ばした為か、ごっそりと髪が抜け一緒に頭皮までも剥がれ激痛を与える。


あまりの激痛に床で転がる領主の上に飛び乗ったコルボは、膝で領主の腕を押さえつけ、馬乗りになり手にしていたナイフを突き立てる。


仰向けの状態で突き立てられたナイフは、領主の頬、眼球、首、胸、肩、上半身ありとあらゆる場所に刺さっていく。


「あああああっ、ひぎゃいっ、ひぎゃ、やめれくえーーー!」


しかしペーパーナイフという、本来刃物ともいえない武器ゆえに致命傷もなく、激痛だけを与えていった。


「こ、コルボ止めなさい!」


やがて刺し傷が100を超える頃、シスターが我に帰り部屋に乱入してきた子供がコルボだと気付き、羽交い締めにして静止するも、すでに領主は多数の刺し傷による出血と痛みによるショックで命を落としていたのだった。

領主ざまぁw

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