『あのさ、』
ちょっと藻歩に無理させてます。百合っぽいかもしれない。
きゅっ、と耳に残る音が部屋に響く。僕はそれを見て満足げに微笑んだ。
紙コップ2つの片方には『魚肉ψ』、もう片方には『sknkψ』の文字が書かれている。正確には書いた、だけど。その2つの紙コップを繋いでいるのは赤い糸。所謂糸電話というやつだ。
仕掛ける相手は誰でも良かったのだが、ふと頭によぎったのはひとつ年上のあの子。ふふ、と笑みを溢し軽い足取りであの子の部屋へ向かった。
「ん?なんじゃこりゃ。」
ころん、と紙コップを藻歩の目の前に投げる。どうやら興味は引き付けれたらしい。藻歩は周囲をきょろきょろと見回すと、察したのか「あぁ、」と微笑した。その紙コップをそうっと耳に近付ける藻歩。僕は部屋のドアに背もたれながら電話を始めた。
「やっほ、ねーちゃん!」
「やっぱろろろか、なんとなく察しついてた」
僕の元気な発言にふはは、と笑う。「やっぱり?」とこちらも返せば「おう、」と応答が返ってきた。
「どしたの、こんな急に」
やはりこの事を疑問に思ったらしく率直に聞いてくる。僕は素直に
「んや、別に?あえて言うなら暇潰しかなぁ。」
と答えた。「暇潰しにうち使うなよ」と笑われたがそれすらも嬉しくってつい笑ってしまった。不審者って思われてないかな。
「ねー、うちらっていつまで一緒にいれると思う?」
おどけた口調で笑いを含ませながらそう聞かれる。
「ねぇちゃんそればっかだよね、」
「だって気になるし」
「気にしなくていーじゃん」
こうやってふざけてるけど、本当はすごく辛いんじゃないのだろうか。不安で押し潰されそうなんじゃないだろうか。そんな偏見だけの思考が心に留まる。でも、それほど魚肉ψの皆が好きなんだな、と思うと自然と顔がにやけてしまう。多分なととんに見られてたら変態扱いされてた。
「とにかくさ、僕達はねーちゃんとずっと一緒にいるつもりだよ。」
「なんそれ、プロポーズ?」
きゃーっと黄色い声をあげながらあはは、と笑う。この一分一秒が大切で仕方ない。
ドアとの距離がもどかしくなって勢いよく扉を開ける。そこから見た藻歩は驚きのせいか目を大きく見開いててかなり間抜けで。
「ねーちゃん、心配しなくても大丈夫だよ。」
そう言って藻歩の手を握ると、藻歩は苦しそうに笑った。
「あは、ありがとう。」
少し、心臓がうるさかった。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
ほのぼのにする予定だったんだ。なんでこんなんになったんだ。本当ごめんなさい。




