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ステータス減少ダンジョン(七千字)(ファンタジック・コメディ)

 

 1


 勇者は憂えていた。

 北に広がる草原。その向こうにそびえる山脈。獣も寄り付かぬ、草木も生えぬ山脈の中腹に、魔物が潜むダンジョンがあった。

 町の住民は毎日そのダンジョンへ行く。魔物を倒すためではない。魔物に倒されるためにである。


 なぜ敢えて魔物に倒されるのか。理由は簡単だ。魔物を倒してしまうと、自分の経験値が奪われるからだ。

 経験値が奪われればレベルが下がり、それに応じてステータスも減少する。それだけではない。身に着けている所持金まで減少する。魔物が強すぎて所持金だけで賄いきれない時は、鎧や剣などの装備品が消滅する。魔物を倒しても全くいい事は無いのである。

 逆に、魔物に倒されれば、所持金は増える。勿論、経験値も増加するが、倒された時点で命を失っているので、それは無意味。つまり金だけ貰えるのだ。


 手っ取り早く金を稼ぐには魔物に倒されればよい。そうとわかれば、死にかけた老人や病人などの先が短い者、犬や猫などの小動物、カナブンやゴキブリなどの虫等々とパーティーを組んでダンジョンへ行き、それらを魔物に殺してもらって、金を得る――そんな行為に走るようになるのは、本来怠け者の人間にとっては至極当然のことと言えるだろう。


「いや、間違っている。わざと魔物に倒されるなんて間違っている!」


 と、叫ぶのは勇者だけだった。まあ、勇者というキャラである以上、魔物を倒してナンボであるから、これは無理からぬことである。


「こんな自堕落なダンジョンはボクの手で破壊してやる。魔物は全て成敗してやる。たとえ、そのためにボクのレベルが1になり、全てのステータスが0になろうとも!」

「あら、勇ましい少年ね」


 通りの真ん中で吠え立てていた勇者に声を掛けたのは、魔法使いのお姉さんだ。魔法使いは口にくわえたキセルをスパスパやりながら、勇者に近付いた。


「もし、よかったら、あなたとパーティーを組んであげてもいいわよ。怠惰で愚鈍なこの町の住人にはうんざりしていたところなの」

「これは有難い、是非、お願いします」


 こうして勇者の冒険は始まった。



 2



 勇者たち4人は遂にダンジョンの入り口に辿りついた。

 新たに加わったのは2名。

 町の酒場で無一文で酔いつぶれて身ぐるみはがされ、裸エプロンで皿洗いをしていた戦士。彼のために勇者は防具と剣を買い与えた。

 北の草原で蜂蜜を取ろうとしてミツバチに襲われていた盗賊。彼のために勇者は傷薬と短剣を買い与えた。


「うっしやぁ、来たぜ。裸エプロンの刑から救ってくれた御恩に報いるため、俺は死力を尽くしやすぜ、旦那」

「あ、あの、怪我を治してくれてアリガトね。ワタクシ、ガンバルね。財布はワタクシに預けるがいいね」

「さあ、とっとと奥に潜むボスを倒して、この陰気なダンジョンからおさらばしましょう」

「うん、みんなで力を合わせれば、決して出来ないことじゃないはずだ。ただ、ひとつ、忘れてはいけない。戦ったら負けだ。勝利したらもっと負けだ。逃げるんだ。ひたすら逃げてボスを目指そう。みんな、わかったね」


 こうして4人はダンジョンに足を踏み入れた。襲い掛かる魔物。一目散に逃げる4人。追いかける魔物。ひたすら逃亡する4人。それはそうだ。もし戦って魔物を倒しでもしたら、金は取られる、経験値は奪われる、ステータスは減少する、レベルは下がる、全くの骨折り損だ。

 4人はあらゆる策略と謀略とアイテムを駆使して、ひたすら戦闘を避けながらダンジョンの奥深くへと突き進んだ。


 だが、そんな逃亡戦術にも限界がやってきた。


「しまった、罠だ!」


 部屋の中央にあるスイッチを押したら、全てのドアが閉じてしまった。同時に部屋いっぱいに出現する魔物たち。


「どうやら、こいつらを全員倒さない限り、部屋のドアは開かないようだな。おい、どうするよ」

「仕方ない、やるしかない。みんな、かかれ」


 4人は戦い始めた。『経験値はパーティーで均等に分配』の設定にしてあるので、魔物が倒されるごとに全員の経験値と金が減っていく。


「くっ、強さが20も下がっちまった」

「オウ、素早さが30減少」

「やだわ、魔力が15減っちゃった」

「みんな、頑張るんだ。諦めちゃだめだ」


 こうして戦闘が終わり、ようやく箱部屋のドアが開いた時には、パーティーはかなり弱体化し、所持金は半分以下になっていた。しかし、ここで挫けるわけにはいかない。4人は更にダンジョンの奥へと進んだ。



 3



「しまった、罠だ!」


 また箱部屋である。さっきと同じで、魔物を全員倒さなければ外には出られない。しかも前回より数が多く強そうな魔物ばかりだ。これを全員倒してしまったら、所持金はゼロ、全員のレベルは1となり、もはや戦闘不能の状況に追い込まれるのは確実だ。と言って、倒さなければ先へは進めない。


「仕方ない、みんな、かかれ!」


 勇者の合図で4人は魔物に襲い掛かった。奪われていく経験値。下がり続けるレベルとステータス。魔物を倒すほど、戦いはより苦戦を強いられていく。四人の顔が辛そうにゆがむ。

 中でも盗賊は苦しそうだった。勇者にはわかっていた。3人の最初のレベルは100だが、盗賊のレベルは50しかなかった。一足先にレベルは1まで低下しているに違いない。それなのに戦いをやめない盗賊。その雄々しき姿に、勇者は自分の頬を濡らさずにはいられなかった。


 やがて魔物は最後のひとりになった。こいつだけ妙に強そうなので後回しにしていたのだ。盗賊以外の3人はまだレベルは1ではなかったが、こいつを倒せば間違いなく1となる。そうなれば、逃げられない状況でもう一度魔物と遭遇した時、間違いなく全滅するだろう。さすがの勇者も弱音を吐いた。


「ダンジョンは、我らを見放したか……」

「ナニを言っているアルね! ここは八甲田山じゃないアルよ」


 大声を張り上げたのは盗賊である。


「勇者がそんなことを言ってどうスルね。なんとしてもワタクシたちは先へ進まなくてはいけないのね。ここはワタクシに任せるヨロシ」


 盗賊はそう言うと、自分以外の3人の周りに防護壁を張り巡らせた。


「みなさんは、この中で待機していてクダサイね」

「盗賊、君は何をするつもりなんだ!」


 勇者の声に耳を貸さず、盗賊は魔物の前に立ちはだかった。


「ワタクシのレベルはすでに1。これ以上同行することはできないアル。みなさん、必ずボスを倒すアルね」

「やめるんだ、盗賊、盗賊うううー!」


 盗賊は魔物の前に身を投げ出した。容赦なくその身を引き裂く魔物。

 盗賊、魔物に倒される!

 瞬間、3人は経験値を獲得。レベルはアップ。ステータスもアップ。所持金は最初の5割増しになった。


「盗賊の仇じゃ、そりゃああ!」


 戦士が最後のひとりを倒すと部屋のドアが開いた。勝利だ。だが、3人の顔に喜びはなかった。


「ありがとう、盗賊。我々のためにその身を投げ打ってくれた君の勇気、決して忘れることはないだろう」


 3人は床に転がる盗賊の遺体を手厚く埋葬しようとしたが、そんな道具も時間もないので、そのままにして先を急いだ。



 4



「しまった、中ボスだ!」


 踏み込むと同時に部屋のドアが閉じ、これまでの魔物とは比較にならない凶暴そうなヤツが出現した。


「なあに、先ほどの盗賊の犠牲のおかげで、金もレベルもアップしてんだ。勇者さん、ここは俺に任せてくれ」


 戦士は剣を頭上にかざして身構えると、中ボス目掛けて突進した。さすがに手強かった。相当強かった。これまでの魔物が雑魚であることがよくわかるくらい強かった。

 しかし、レベルアップした戦士も相当なものだった。じわじわと中ボスは押されていく。勝機はここと見た戦士は最大奥義を炸裂させた。


「はおおおー!」


 クリティカル・ヒット! 崩れ落ちる中ボス。

 遂に戦士は中ボスを倒した。

 戦士、中ボスに勝利!

 瞬間、全員のレベルが1になり、所持金はゼロになった。それだけではない。戦士の装備一式が全て消滅してしまった。


「う、うおっ、なんてこった。こんなに強いヤツだったのか」


 さすがは中ボスである。その戦闘力は3人の所持金没収だけでは足りなかったようだ。その場合、装備品も消滅することになるのだが、パーティーメンバー均等にではなく、戦闘貢献度の高いメンバーから順に奪われていくことになる。今回は戦士一人が戦っていたので、彼の装備品だけが全て奪われることとなった。


「こ、こんな姿では、恥ずかしくてとても同行できぬぞ、ポッ」


 戦士はフルチン状態である。哀れに思った勇者は、カバンに仕舞っておいたエプロンを、そっと戦士に差し出した。酒場で皿洗いをしていた時、素っ裸の身に唯一まとっていた、あのエプロンである。


「おう、勇者殿、感謝する」


 あの時と同じ裸エプロン姿になった戦士を最後尾にして、3人は更にダンジョンの奥を目指した。



 5



「しまった、待ち伏せだ!」


 暗い一本道の先には、まるで通りかかる真面目な生徒を恐喝しようと待ち構えている不良のような、目付きの悪い魔物が数人、「ヒッヒッヒ」とか言いながら、通路を塞いで通せんぼをしている。なんとなく弱そうに見えるが、こんな奥深くにいるのだから、戦闘力はかなり高いはずだ。


「おい、どうするよ、俺たちの今のレベルは全員1だぜ。とても勝ち目はねえ」

「うむ。脱出アイテムは残っていないか?」

「もう、みんな使っちゃったわ」


 絶体絶命である。勇者はつぶやいた。


「ダンジョンは、我らを見放したか……」

「ちっ、仕方ねえな」


 丸出しの尻を両手の平で叩くと、戦士は雄叫びをあげた。


「ここは俺にまかせろー!」


 と同時に、裸エプロンをかなぐり捨てると、スッポンポンで前方の不良魔物集団に向かって突進を開始した。突然の出来事に度肝を抜かれる魔物たち。


「わあ、お前、そんな見苦しいものを晒すんじゃねえ」

「おい、公然わいせつ罪を知らねえのか」

「やめろ、こっち来んな。気持ち悪いよお、おえっ」

「あら、意外と私のタイプ」


 戦士の作戦は結構ナイスではあったのだが、魔物の中にひとりだけ、その手の趣味を持ったヤツがいたことが最大の誤算であった。戦士は敢え無くそのひとりに捕らえられ、通路に転がされた。


「ねえ、あたしと一緒にイイ事しない、戦士さん、チュッ」

「おい、今のうちだ。行け。俺のことは構うな。先を急ぐんだ」

「戦士、すまない」


 通路に寝転がった戦士と魔物が、組んず解れつの18禁バトルを展開している隙に、勇者と魔法使いは不良魔物集団の横を通り抜けることに成功した。


「戦士さん、どうなるのかしら」

「レベル1なんだ。勝ち目はないだろう」


 通路を急ぐ2人。その後方から、断末魔の叫びが聞こえてきた。


「ぐわああー!」


 戦士、魔物に倒される!

 瞬間、2人は経験値を獲得。レベルはアップ。ステータスもアップ。スッカラカンだった所持金は2倍になった。


「ありがとう、戦士。裸一貫で敵に立ち向かった君の雄姿は忘れない、たとえこの身が素っ裸になろうとも」


 勇者は頬を濡らしながら、ただひたすらダンジョンの奥を目指して走り続けた。



 6



「ふっ、よくぞここまでたどり着けたものだな」


 2人の前にはラスボスがいた。遂に最後の部屋にやって来たのだ。もう逃げる必要はない。レベル低下も所持金減少も気にすることなく、死力を振り絞って戦うだけである。


「覚悟しろ、ラスボス! お前を倒して、こんな不健全なダンジョンは消滅させてやる」


 吠え立てる勇者。一方、ラスボスは面倒臭そうな様子である。フカフカのベッドに横たわって、下っ端の魔物に腰や足を揉んでもらいながら、ワインを片手にゲーム機でRPGをして遊んでいる。さすが、ラスボス。余裕綽綽(しゃくしゃく)だ。


「そう急かすな。こちらもこれからラスボス戦なのだ」

「そんなもの、セーブしておいて、後でやればいいだろう」

「おいおい、お前たちに倒されたら、セーブしておいても後でプレイなんて出来ぬだろう。それとも何か、お前は負けるつもりなのか」

「人の揚げ足を取るようなことはやめろ」

「いや、揚げ足ではなく、単なる事実だ。まあ、いい。そんなに戦いたいのなら、それっ!」


 ラスボスが指をパチンと鳴らすと、二人の周囲を大勢の魔物が取り巻いた。


「取り敢えず、そいつらの相手でもしていろ」

「く、くそっ」


 勇者は焦った。ここでこいつらを倒してしまえばレベルが1になるのは確実。そうなってはラスボス打倒など夢のまた夢である。万事休すだ! 勇者はつぶやいた。


「ダンジョンは、我らを見放したか……」

「やれやれ、今度は私の番か」


 魔法使いは杖を高く掲げると、呪文を唱えた。


「ノウマク サンダラバー ボダイ 光って止まれ!」


 杖が激しく光り出した。同時に魔物たちは凍り付いたように動かなくなった。


「高レベルの時だけ発動可能な足止めの術よ。でも、長くは持たない。早く、今のうちにラスボスを倒して」

「魔法使い、ありがとう」


 勇者は魔物の囲みを突破すると、剣を構えてラスボスに対峙した。


「ラスボス、尋常に勝負しろ!」

「ふっ、魔法使いを見捨てて私に挑むか。まあいい。こちらもラスボスを倒して、今、エンディングムービーを見ているところだ。ゲームのやり過ぎで少々肩も凝っていることだし、体を解すついでに相手になってやるか」


 ラスボスはフカフカのベッドから身を起すと、勇者を見下ろした。


「さあ、来るがいい!」

「きえええー!」


 掛け声と共にラスボスに斬り掛かる勇者。鼻息で吹き飛ばすラスボス。負けじと切り掛かる勇者。くしゃみで吹き飛ばすラスボス。それでも斬り掛かる勇者。小指の先で吹き飛ばすラスボス。


 どう考えても勇者に勝ち目はない。大抵の場合、相手を弱体化するアイテムとか、必殺技ゲットとか、弱点のヒントとか、まあ、そういったものがダンジョンの途中に用意されているものだが、このパーティーは寄り道せずに最短距離で突き進んできたので、そんなものを持っていなかった。つまりは本当に勝ち目がないのだ。


「ふっ、今のお前では絶対に勝てぬぞ。もう一度ダンジョンに戻ってやり直した方がよくはないか」

「そんな言葉に惑わされるか。犠牲になった仲間たちのためにも、一歩も引くわけには、えっ……こ、これは……」


 勇者は感じた。突然、自分が弱くなったのを。体力も戦闘力も知力も最低値、レベルも1、所持金もゼロになっている。


「ま、まさか」


 振り向くと、そこには魔法使いがいた。そして、その足元にはラスボスの手下たちが転がっている。

 魔法使い、魔物に勝利!


「ごめんなさーい。うっかりして、みんな倒しちゃった。てへペロ!」

「いや、てへペロじゃないでしょ。どうすんだよ。なんで倒しちゃうんだよ。足止めしてるだけじゃなかったの? ボク、レベル1になっちゃったよ。これじゃあ、ラスボスに勝つことなんて不可能、はうううー!」


 勇者が言い終わる間もなく、ラスボスのクリーンヒットが勇者を襲った。レベル1になっていた勇者はあっけなく倒された。


「ダンジョンは、我らを見放したか……」


 お決まりの文句に反応する仲間はもういなかった。勇者はそのまま絶命した。

 勇者、ラスボスに倒される!

 瞬間、魔法使いは経験値を獲得。レベルがアップ。ステータスもアップ。所持金は当初の5倍になった。



 7



「ありがとね、勇者さん」


 魔法使いはニッコリ笑うと、キセルを取り出してプカプカし始めた。そんな魔法使いをラスボスは冷ややかに眺めている。


「お前も懲りぬ奴だな。こいつで何人目だ、確か、5人……」

「いいえ、6人目よ。哀れな勇者さん。最初からダンジョンを消滅させる気なんてなかったのよ。ラスボスにあなたを倒してもらって、お金を得ることが目的だったのに、全然私を疑わないなんてね。本当におバカさん」


 悪びれることなく辛辣な言葉を吐く魔法使い。ラスボスは床に倒れて息絶えている勇者を見下ろしながら、ため息まじりに言った。


「勇者とは愚かな者だな。魔物と同じ魔の力を使う人間が、下心を抱いておらぬはずがないのに、それさえ見抜けぬとはな。そして」


 不敵な笑いを浮かべている魔法使いに、ラスボスは呆れたような口調で言った。


「お前も、相当なワルだな。もうそろそろこんな事は止めたらどうだ。いい加減、金もたんまり貯まっただろう」

「そうね。私もこのダンジョンには飽きてきたわ。でも、お金には飽きないの。レベルは最高100までだから上げようがないけど、お金は無制限に貯められる。ダンジョンの入口で、弱い魔物相手にちまちま稼ぐより、こうしてラスボスのあなたに倒してもらった方が効率がいいのよ。間抜けな勇者がいなくならない限り、私はまたやって来るわ。それに、あなただってその方がいいでしょう。より強大な敵に倒された魂の方が、遥かに高値で取引出来るのですもの。私はそのおこぼれに預かっているだけ。お互いさまじゃない」


 ラスボスは返す言葉がなかった。魔法使いは鼻でふふんと笑うと、アイテムカバンから帰還の羽を取り出した。


「じゃ、私は町に帰るわ。またここにやって来るまで、他の勇者に倒されたりしないでね。バイバーイ!」


 魔法使いが羽を一振りすると、その姿は消えてしまった。ひとり残されたラスボスはポツリとつぶやいた。


「なんて強欲で薄情な奴なのだ。むしろ人間の方が魔物と呼ぶに相応しいではないか」


 ラスボスはいまいましそうな顔をすると、ディスプレイに向かった。既にエンディングムービーは終了している。ちっ、と舌打ちしたラスボスは、もう一度ムービーを見るために、『セーブした場所から始める』を選択し、コントローラーを握りしめた。


「さて、もう一度ラスボスを倒すとするか」




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