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門(千字)(詩)

拒絶。俺の名が呼ばれることはなかった。排除されたのだ。

求める者に対して与えられる物が少なすぎる。

それゆえ与えられぬ者は必ず発生する。


失望と挫折感。


求めても手に入らぬなら、最初から求めなければよかった。

焦がれても受け入れられぬと分かっていても、焦がれずにはいられなかった。


まだチャンスはある? そうだな、何度でも門を叩くことはできる。

これまで何度も叩いた。全て拒否された。

これからも何度も叩くのか? 全て拒否されるために?


俺は見上げた。


門の上には受け入れられた者たちが、優越感に満ちた眼で俺を見下ろしていた。

俺はあそこに立つ自分を空想した。空想の中の俺はやはりあいつたちと同じように優越感に浸りながら、憐みの唾棄を門下の落ちこぼれたちに呉れて遣っていた。


その空想は俺の夢でもあった。いつか必ず現実となるに違いない夢。

そして恐らくはずっと夢のままの夢。


立ち去るべき、そうだ今度こそ立ち去るべきだ。

俺を受け入れてくれない門の前でいつまで嘲笑を浴び続けるつもりだ。


決心した俺は門を背にした。目の前には崖しかなかった。

門の前から立ち去ることは崖下に飛び降りること。

二度と這い上がることは出来ぬ底無しの崖だ。


俺は振り返って門を見た。これまで俺を拒絶し続けた門。いいだろう、今度は俺がお前を拒否してやる。俺はここを去る。後ずさりする。体が背後に傾く。俺は落ちる。


落下する俺は門を見詰めていた。頑ななまでに閉ざされた門は闇の中で白く輝きながら小さくなっていく。俺は見詰めていた。いつまでも見詰めていた。この崖は底無し、俺の命が尽きるまで俺はこの崖を落ち続ける。そうして最期の時が来るまで俺の目にはあの門が映り続ける。もはや永久に手の届かぬ存在となったあの門を眼に焼き付けながら、俺は悠久の闇の中を落ちていくのだ。



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