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第67話『知らぬが仏と会長は僕に警告する、言って無いけどね実際』

クラス学園祭実行委員会4日目放課後。

俺達、クラス全員が体育館に集まった。というのも会長が校内放送でクラス全員を体育館に放課後集まるよう呼び出したからだ。そして……

「……で?なんで俺達は犬笛を持たされてるんだ?」

体育館に入るとこれ見よがしに床にクラス全員分の犬笛が置かれていた。規則正しく置かれていたものだからなんか少し不気味だった。

「さぁな?犬でも呼ぶんじゃねぇのか?まぁ、俺がピーピー拭いたらかぁいいチワワがキャピキャピ集まってくるだろうがな、うへへへ♪」

サル、てめぇにはブルドッグで充分だ。

「ん〜〜〜っ!んーーーーーっ!!!」

夏美は俺の隣で顔を真っ赤にしながら犬笛を吹く練習をしていた。お前どうでもいいことに頑張りすぎ。

「にゃはは……ユリユリ、犬笛はね?こうやって持ってね……そいで穴に……ゴニョゴニョ……」

「あ、穴……ですか?(///)」

我がクラス担任、麻美さんは百合ちゃんに怪しい犬笛の使い方を教えていた。

「きゃははは♪メガネ、討ち取ったりぃ〜〜〜♪」

カポーーーン!!!

「あぴゅん!!!」

宮子はどこから持ってきたのか先に球の付いた木琴を叩く棒を振り回し、偶然近くにいたメガネの股間にそれが直撃した。あれは痛い。

「う、うへへへへぇ………い、痛いですぅ(///)」

股間を手で押さえながらなぜか悦んでいた。キモイとしか言いようが無いな。

それにしても……肝心の会長が来ないな……麻美さんに聞いてみっか。

「おい、変態教師。あんたの妹の呼び出しでここに来たのにその本人がこの場に居ないのはどういうことだよ」

「あたしは知らないわよぅ、麻里ちゃんが勝手に呼び出したんでしょ?」

……それもそうか、結局待つしかないのか……






1時間後。

「やーやーやー、待ったかね?諸君?」

なぜかえらそうな顔で体育館に入ってくる麻里さん。

「あんたいい加減にしろよ……なんか他に言う事あんじゃねぇのか」

「あぁ、言い方が悪かったかな?諸君オマター♪」

「スラングになってるじゃねぇか!!!」

「じゃあ……諸君!!!アディオス!!!」

「コラコラ、帰るな」

「もぅ!耕司君はわがままだにゃ〜〜〜!!!」

「わがままはてめぇだっ!!!!!」

くそ……なんかどうでもよくなってきた……

「…で?なんなんですか?この犬笛?」

「何って……学園祭のクラスの出し物」

「はい?わんもあぷりーず?」

「だから学園祭のクラス出し物なの?」

いや……聞かれても……(汗)

「いや…コレをクラスに展示するって……ちょっと不気味だぞ、おい(汗)」

教室に入ると犬笛が意味なく綺麗に床に並べてある光景を想像する……不気味だ(汗)

「……何言ってんの?耕司君?犬笛は吹くためにあるものだぞ?」

「いや…わかってるけど……どこで?」

「ここで」

「はい?」

「だからぁ、こ・こ」

ここって……体育館?(汗)

「何言ってんですかアンタ。ここは演劇部とかブラスバンド部が学園祭当日発表する場でしょ?できるわけないじゃん」

「ウフフ……それは会長特権で使えるようになったのだ。あ、けど学園祭の2日目の午前中だけだけどね。さすがに2日連続1日中は使用許可下りなかったからさ、にゃはは♪」

横暴だコレ……(汗)

「んで、その出し物だけど当日までにクラス全員が白目むき出しで犬笛を吹けるようになるまで練習ってことで、ヨロシコ♪にゃはは♪」

「ヨロシコ♪じゃねぇよ!!!ふざけんなっ!!!んな出し物不気味すぎるわっ!!!怖いわっ!!!客、引くわっ!!!っていうか勝手に一人で決めんじゃねぇよ!!!!!」

犬笛の空しい音が体育館に木霊する……ちょっとしたホラーだ。

「にゃははは♪真に受けるなよー、冗談冗談♪今日クラス全員に集まってもらったのはこの体育館の舞台で何をするか決めてもらうかなのだ」

「あんたの発言は冗談に聞こえないんですけど……」

っていうか今更だけどこの人やっぱ自分勝手だー






「なぁなぁ、耕司。こういうのはどうだ?舞台の上で全員が大太鼓ガンガン叩くんだ、かっこよくねぇか?」

大太鼓を叩くジェスチャーをするサル。

「どの辺がかっこいいのかまるっきり分からないがとりあえず煩いからな」

「いいじゃん、大太鼓を使ってだな……ホ○モンの曲、熱唱しようぜ!!!熱いじゃねぇか!!!なぁ!?」

「とりあえず喧しすぎるからやめてくれ」

んなもん体育館でやったら耳が潰れるわ。

「じゃあさ!じゃあさ!あたしの飼ってるウーパールーパーのかわいさについて3時間くらい語るのはどう!?」

宮子がキラキラした目で俺に言う。

「意味わかんねぇし、それすでにクラスの出し物じゃねぇし、無駄になげぇし、あとウーパールーパーかわいいし」

「なんだよぅ〜〜〜ドサンピン〜〜〜オロスぞ、こらぁ?」

「ドサンピンって……(汗)いやあのな?仮にそれやってお前がウーパールーパーについて熱く語ったとしてもその間、他の奴は何すりゃあいいんだよ?クラスの出し物じゃねぇじゃん。あと、ウーパールーパーはかわいいけどな」

「えぇ〜〜〜?いいじゃん〜〜〜なんなら私の横で皆が『ウーパールーパーサイコー、ヒャッホーーーーーウ!!!!!』とか叫んどけば済む話じゃん」

「いやいやいや………(汗)んな奇声発してたらキチガイとか思われるじゃん?何度も言うけどウーパールーパーサイコーキャッホーーーーーウ」

「ふむ…ならこんなのはどうかね?村上キュン?」

「却下」

「マダナンニモイッテナイデスヨ!?(汗)」






さらに1時間後

「決らねぇな……」

「むむぅ…じゃあ、仕方ないにゃ〜〜続きはまた明日ってことで皆何するかオウチで考えといてね〜〜〜♪んじゃあ、解散!!!」

ゾロゾロ……

会長が解散宣言をするとクラスの皆は帰っていく…

「お兄ちゃん♪帰ろっ!」

「耕司さん、帰りましょう♪」

「………帰る」

すると、夏美と百合ちゃん…おっ、珍しくミントが声を掛けてきた。

しかし…俺は会長に聞いておきたい事があった。

「スマン……悪いけど先に帰っておいてくれるか?ちょっと用事あるから!」

「あっ!?お兄ちゃん!?」

ダッシュで会長を追いかける俺。






「麻里さん、ちょっと待ってください!!!!!」

中庭で歩いていた会長に声を掛ける。

「……?耕司君?なに?もしかして……愛の告白!?いやん♪」

「ちょっと聞きたい事があるんですけどいいですか?」

「華麗にスルーされちゃった……にゃはは……(汗)いいよ、何かな?」






「アリスさん……2日前から見ないんですけど……麻里さん、何か知っていますか?」






「………」

麻里さんは俺の言葉を聞いた途端、無表情で……俺の顔を見つめた。

……やっぱり何か知っているのか?今回の学園祭の実行委員会を見ている限り会長とアリスさんは結構前から親しそうな感じだったし……。それに気になって千里さんや夏美にその事を聞いてもなぜかはぐらかされるし……皆、何か隠しているみたいだった。…俺があまり立ち入っていい話ではないかもしれないが………だからこそ気になる。千里さんが前言ってた『男性恐怖症』……これに関わりがあると思うが……。けど、別にそれは『興味』から来るものではない。昔の俺がしたように……アリスさんを……『救いたい』だけ……?あれ?『救いたい』って……『何』から?俺は……






「………知らないっ!」






「あ!?ちょっ………会長!?」

気付いたときにはすでに会長は走り去った後だった……

「………帰るか」






「俺の知らないところで何が起こってるんだ………なぁ、アリスさん………」

雲1つ無い夕暮れの空を見上げて俺はそう呟いた。






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