第56話『崩壊』
(※鈴奈視点)
・・・・・え?コレハ・・・・・・・・・・ナニ?
ナンデ・・・・・・?ナンデ・・・・・・?
・・・・・・・・・・ウソ・・・・・・・・・・
ナンデ・・・・・・?ナンデ・・・・・・?
アノヒトオナジコウケイガメノマエニーーーーー?
「う・・・・・ぷっ」
・・・・・目眩がする・・・・・
・・・・・頭が痛い・・・・・
・・・・・吐き気がする・・・・・
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・うっ・・・ごぷっ」
・・・・・気分が悪い・・・・・
・・・・・胃の中でチクチクチクチクチクチクと寄生虫に蝕まれる気分・・・・・
・・・・・い、痛い・・・・・!
「ぁ・・・・つ!・・・・・ぁあ」
・・・・・それに熱い・・・・・
・・・・・体の内側からバーナーで焼かれている気分・・・・・
・・・・・熱すぎる・・・・・・
「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・・ぁ」
・・・・・世界がグルグルグルグルと・・・・・
・・・・・マワルマワルマワル・・・・・
・・・・・マワルマワルマワル・・・・・
「ぁ・・・あああ・・・・・・あああああああ」
・・・・・アノヒト・・・・・一緒だ!一緒だ!一緒だ!一緒だ!・・・・・
・・・・・チ・・・・チ・・・鮮やかで・・・・・どこかどす黒い・・・・・血血血血血!!!!!
・・・・・その色の中に・・・・・その・・・・・中に・・・・・・
・・・・・うつ伏せでもはや肉塊となった私の『お母さんだった人』が・・・・・
「っ!・・・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアああああアアアアアああああアアアアアああアアあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その時・・・・・私の中の何かが切れた・・・・・・・・・・・
(※勇輝視点)
・・・・・
鈴奈を見つけるのにそんなに時間はかからなかった・・・・・
雨の中、当ても無く街中をさまよっているといつの間にか十字の大きい交差点まで来ていた・・・・・
・・・・・
俺が見たものはーーーーー
やけに煩い野次馬と・・・・・
けたたましく鳴り響く車の音と・・・・・
・・・・・
それに負けないほど大声で泣き叫ぶ鈴奈の姿だった・・・・・
「・・・・・・・・・・鈴奈・・・・・・・・・・?」
・・・・・・・・・・ドク・・・・・・・・・・
嫌な予感がした・・・・・・
俺は見てもいいのか・・・・・・?
何を言ってる・・・・・
きっと・・・・・きっと・・・・・・
鈴奈はこの雨の中、横断歩道でこけて膝を擦り剥いただけなんだ・・・・・
それで・・・・・泣いてるだけで・・・・・
だ、だから・・・・・・
あいつの兄貴の俺が助けてやらなくちゃいけないんだ・・・・・
そうだ・・・・・きっと・・・・・・そうに決まってる・・・・・!
だから・・・・・あれ・・・・・・?俺・・・・・・?
なんで・・・・・こんな・・・・・・
嫌な汗をかいて・・・・・?
・・・・・
おそるおそると俺はその野次馬の方へと歩き出した・・・・・
・・・・・あれ?なんで・・・・・?だから・・・・・・?
足が動かないんだ・・・・・?
う、動けよ・・・・・!俺の足・・・・・・!
妹を・・・・・鈴奈を助けてやらなきゃいけないんだ・・・・・!俺は・・・・・!
あ・・・・・ぁあああああ!!!!!!
「う・・・うおおおああああああああああ!!!!!!!!!!」
そして、野次馬を押しのけ・・・・・
・・・・・
「鈴奈っ!!!!!!!!!!」
そして我が妹の下へと駆けつけた・・・・・・
すでに鈴奈は泣くの止め、虚ろな目でゆっくり俺の目を見つめた・・・・・
「・・・・・・」
・・・・・ゾク・・・・・
・・・・・俺は・・・・・一瞬、背筋が寒くなった・・・・・
・・・・・嘘だろ・・・・・?
・・・・・なんだよ・・・・・鈴奈・・・・・?
・・・・・なんで・・・・・そんな・・・・・そんな・・・・・
・・・・・生気の・・・・・感情の無い目で俺を見つめるんだよ・・・・・?
・・・・・やめてくれ・・・・・
・・・・・やめてくれ・・・・・
・・・・・やめてくれよっ・・・・・!
ーーーーーパチンっ!!!!!!!!!!
「・・・・・・」
・・・・・
な、なにやっているんだ・・・・・・?お、俺は・・・・・・?
なに・・・・・してんだよ・・・・・・?俺・・・・・・・・・・
・・・・・鈴奈を・・・・・腕で抱きしめてやるんじゃなかったのか・・・・・?俺・・・・・?
・・・・・なんで・・・・・鈴奈をぶってんだ・・・・・?俺・・・・・・?
「・・・・・・」
鈴奈は・・・・・ピクリとも動かない・・・・・・
俺がぶった頬は赤く染まっていた・・・・・・
「・・・・・す、鈴奈・・・・・・」
俺は・・・・・なんて言えばいいんだ・・・・・・?
だ、誰か・・・・・誰か・・・・・教えてくれよ・・・・・・?
ニコリ・・・・・
「・・・・・え?」
鈴奈は・・・・・その虚ろな目で俺を見つめながら・・・・・・
・・・・・・・・・・笑った・・・・・・・・・・
・・・・・・口元だけ変えて・・・・・・
そして・・・・・・俺は・・・・・・見てしまった・・・・・・
鈴奈のすぐ目の前に・・・・・・
既に事切れたお袋の姿をーーーーー