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第51話『嘘』

私の実の両親が交通事故で他界したのはちょうど梅雨真っ只中の6月13日。

つまり、私の両親の命日というわけなのだが同時に私の誕生日でもあった。

そして、その1年後ーーーーー・・・・・私の5度目の誕生日にーーーーー






実の両親の命日と同時に・・・・・忘れたくても忘れられない・・・・・・・・・






ーーーーー『あの日』を迎えたーーーーー











6月13日

パンパ!パンパパン!

「ひゃっほーーーーーぅ!!!!!いえぇぇぇい!!!!!すずな!!!!!たんじょうびおめでとう!!!

!!いぇぇぇぇい!!!!!ひゃっほうううううううううう!!!!!!!!!!」

おにいちゃんはまるでじぶんのたんじょうびのようにはしゃいでいた。うれしいけど・・・・・なんかちょっとはずかしい・・・・・(///)

パンパ!パンパパン!

「鈴奈ちゃん、5歳の誕生日おめでとうね。1年前、初めてこの家に来たときはあんなにちっちゃかったのに・・・女の子の成長は早いものねぇ・・・・・」

おかーさんはあたまをなでなでしてくれた・・・・・うれしい・・・・・

「なにぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!?おい!!!あばずればばあ!!!ぼくだって、すずなに、まけないくらいせいちょうしたぞ!!!!!ほ〜〜〜ら!!!!!おっとせい!!!!!」

びろ〜ん

「はぁ・・・・・神様・・・・・私は息子の育て方をどこでどう間違ったのでしょうか・・・・・どうか教えてください・・・・・神様・・・・・・くすん(泣)」

おかあさんはいきなりしくしくと泣きだした。・・・よくわかんないけど、かわいそうだったからおかーさんのあたまをなでなでしてあげた。

「だいじょうぶ?おかーさん?」

なでなで

「うぅ・・・・・ありがとうね、すずなちゃん、くすん(泣)」






あの日の夕食のメニューはいつもと違い豪勢な食事だった。






おかーさんがすずなのたんじょうびのためにいっしょうけんめいつくってくれたんだ。






すごくおいしかった。






ごはんを食べるリビングに色々な飾り物があった。






おにいちゃんが用意してくれたらしい・・・・・






すっごくうれしかった。






・・・でもクリスマスツリーって・・・・・






おかーさんも・・・・・






おにいちゃんも・・・・・






まるで自分のことのようにたのしそうだった・・・・・






すずなもすごくたのしかった・・・・・






・・・・・あったかい・・・・・






『かぞく』なんだ・・・・・






・・・・・『か』・・・・・『ぞ』・・・・・『く』・・・・・?






・・・・・・・・・・『かぞく』・・・・・・・・・・・?






・・・・・ちがう・・・・・






・・・・・ちがうよ・・・・・






・・・・・おかーさんも・・・・・






・・・・・おにいちゃんも・・・・・






・・・・・すずなの・・・・・






・・・・・『かぞく』じゃない・・・・・!






・・・・・そういえば・・・・・






・・・・・パパは・・・・・?






・・・・・ママは・・・・・?






・・・・・まだ、かえってこないの・・・・・?






・・・・・すずな・・・・・






・・・・・さびしい・・・・・






・・・・・パパッ!ママッ!・・・・・






・・・・・どこにいるの?ねえ?どこ!・・・・・






・・・・・すずな・・・・・






・・・・・すごく・・・・・さびしい!






「・・・・・鈴奈・・・・・ちゃん?」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・どうしたの?気分・・・・・悪いの?」

「・・・・・・・・・・ママ」

「・・・・・・・・・え?」

「・・・・・・・・・・パパ」

「・・・・・鈴奈・・・・・ちゃん・・・・・?」

「・・・・・・・・・・おかーさん・・・・・『ママ』と・・・・・『パパ』は・・・・・どこにいるの?」

「!」

「ねえ・・・・・おかーさん・・・・・『ママ』と・・・・・『パパ』は・・・・・どこ・・・・・?」

「・・・・・・鈴奈ちゃん・・・・・」

「おしえて・・・・・おかーさん・・・・・『ママ』と『パパ』にあわせて・・・・・」

「・・・・・・な・・・何を言ってるの?鈴奈ちゃん?鈴奈ちゃんのママは私よ?・・・・・パパはね・・・

・・今は出張中・・・・・」






「うそだよっ!!!!!!!!!!」






(勇輝視点)

鈴奈の張り裂けるような大声はその場の空気を変えるものだった・・・・・

鈴奈・・・・・お前・・・・・とうとう・・・・・

「おかーさんは・・・・・すずなの・・・・・すずなのほんとうの『ママ』じゃない!!!!!」

幼い鈴奈の押さえ切れない感情がどんどん吐き出されていく・・・・・

「・・・・・・鈴奈・・・・・・・ちゃん・・・・・・」

「すずなは・・・・・すずなは・・・・・さびしいのに・・・・・さびしいのに・・・・・」

すでに鈴奈の顔は涙と鼻水でくちゃくちゃでさっきまでの幸せそうな顔とはまるで正反対だった・・・・・

「・・・・・・・・・・」

お袋は下を向き、ただ鈴奈の罵声を聞いているだけだった・・・・・

「かえして!かえして!ママを・・・・・パパを・・・・・!」

「・・・・・・・・・・」

「かえして!!!!!」






・・・・・鈴奈・・・・・・

・・・・・俺達は・・・・・・

・・・・・『家族』・・・・・・だろ?

・・・・・違う・・・・・のか・・・・・・?

・・・・・そう思っていたのは・・・・・

・・・・・俺とお袋だけだったのか・・・・・?

・・・・・本当は・・・・・

・・・・・違う・・・・・だろ・・・・・?

・・・・・お前が初めて家に来たとき・・・・・

・・・・・事情は来る前にお袋から聞いていた・・・・・

・・・・・「今日からあんたはお兄ちゃんになるから・・・・・」・・・・・

・・・・・「絶対に・・・・・妹を・・・・・・」・・・・・

・・・・・「泣かせちゃだめよ?」・・・・・

・・・・・俺は・・・・・そんな鈴奈の顔なんか見たくなかった・・・・・

・・・・・泣いている顔なんか・・・・・

・・・・・笑って欲しかった・・・・・

・・・・・どんなささいなことでもいい・・・・・

・・・・・笑ってくれよ・・・・・

・・・・・それが・・・・・






・・・・・『家族』・・・・・ってもんだろ?






「おかーさんも・・・・・おにーちゃんも・・・・・・だいっきらい!!!!!」

「だってうそつきだもん!すずな・・・・・すずな・・・・・こんなにさみしいのに!かなしいのに!おかーさんもおにいちゃんもうそついた!いっぱいうそついた!」

「みんな・・・・・みんなうそつき!みんなだいっきらい!」

「おかーさんなんて・・・・・おにいちゃんなんて・・・・・・みんな・・・・・みんな・・・・・」






「しんじゃえばいいんだっ!!!!!」






パチィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!






・・・・・刹那・・・・・






・・・・・音・・・・・・






・・・・・音がした・・・・・・






・・・・・それは・・・・・






・・・・・お袋が・・・・・鈴奈を・・・・・・






・・・・・ぶった・・・・・






「・・・・・・・・・・ひっく」

「・・・・・・・・・・鈴奈ちゃん・・・・・・・・・・」

お袋はしゃがんで鈴奈の目の前に行き、鈴奈を見つめて・・・・・

「・・・・・・・・・・おかーさんはね・・・・・・・・・・確かに鈴奈ちゃんに嘘・・・・ついちゃった」

「ひ、ひっく、ひっく・・・・・・」

鈴奈はただただ黙って震えながらお袋を涙目で見つめていた・・・・・

「それも・・・・・ひとつだけじゃない・・・・・・いっぱい・・・・いっぱい嘘・・・・・ついちゃった」

「・・・・・けどね・・・・・・それは『大切な嘘』・・・・・なの・・・・・」

「・・・・・・・・・・・ひっく」

「・・・・・大事な・・・・・大事な・・・・・『嘘』・・・・・なの」

「・・・・・すずなちゃんはなにもわからないかもしれないけど・・・・・」

「・・・・・絶対に・・・・・絶対に・・・・・・」

「・・・・・間違っても・・・・・・」






「・・・・・・『しんじゃえ』なんて言っちゃダメ・・・・・・・・・・」






お袋は・・・・・・静かに・・・・・・そう、静かに・・・・・・






泣いていた・・・・・






ダッ!バタン!

「お・・・・・おい!!!!!す・・・・・すずな!?」

ダダダダ・・・・・バタン!

俺はおもわず声を上げた。

鈴奈は泣きながら走って部屋から出て行きさらに外へ走って出て行ってしまったのだ。

「・・・・・・お、おい・・・!おふくろ・・・・・!」

「・・・・・・・・・・行ってあげなさい・・・・・・・・・・」

「・・・・・・おふくろ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・母さん、待ってるから・・・・・・・・・・暖かいスープ作って待ってるから・・・

・・・・あの子を・・・・・・あの子を迎えにいってあげなさい・・・・・」

「・・・・・・ああ、わかった。絶対、連れて帰るよ・・・・・絶対に連れて帰るからな・・・・・俺達の『家族』の・・・・・『すずな』を・・・・・・・・・・・!」

ダッ!・・・・・バタン・・・・・






「・・・・・・・・・・頼んだわよ・・・・・・・・・・勇輝・・・・・・・・・・」












・・・・・俺が・・・・・・






・・・・・最後に見たお袋の顔は・・・・・・






・・・・・泣きながら微笑む・・・・・・






・・・・・顔・・・・・・だった・・・・・











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