番外編その7『チョコはお好き?(後編)』
「うぃ〜・・・ただいま〜」
「・・・・・・・・・・ただいま」
あの後、ミントと色んなことをだべりながら(ほとんど俺の一方的な話だったが)寮に帰った。
「あっ、お帰り〜お兄ちゃん、ミンちゃん」
「お帰りなさいですぅ、耕司さん、ミンちゃん。お風呂にします?ご飯にします?それとも・・・・・私にします?きゃっ(///)」
「・・・ただいま、とりあえず落ち着いてくれ、百合ちゃん・・・」
寮の1階のリビングに入ると夏美と百合ちゃんが何か料理していた。お・・・気になる・・・・・
「・・・夏美、百合ちゃん、ナニしてんの?」
「・・・・・ああ、えへへへ〜〜〜♪これはね・・・・・・・・・・はっ!お、お兄ちゃん!!!で・・・出て行って!!!早く!!!!!」
ぐいっぐいっ!!!!!
いきなり夏美は俺を追い出すかのように押してきた。
「お・・・・・おい!いきなりなんだよ!ちょっ・・・・・やめろって!疲れてんだからよ!な・・・なあ!
?百合ちゃん!!!ミント!!!夏美になんか言ってやってよ!?」
「い・・・いやああああああああああ!!!!!!!!!!ケダモノ!!!!!ゲテモノ!!!!!鬼畜!!
!!!近寄らないで下さい!!!!!はやくこの部屋から出て行ってください!!!!!」
「・・・・・・・・・・キモイ、キタナイ、バッチィ、チカン、ヘンシツシャ、メガネ、ブタ、アホゲ、バカ、カイショウナシ、ツンデレ、ヤンデレ、ロリ、フェチ、etc・・・・・」
「え・・・えええええ?????なんで!?俺なんかした!?ってうわっ!!!!!ちょっと!?まっ・・」
バタン・・・
・・・・・結局、リビングから追い出されてしまった・・・・・なんなんだ・・・いったい・・・・・(汗)
「フフフ・・・・・耕司君、女の子から愛想を尽かされてもオジサンがいるから大丈夫だゾ♪」(原田のおっさん)
「・・・肩に手を乗せるな・・・・・おっさん、キモスギ」
おっさんに慰められても全然うれしくないからな。むしろ、精神的にダメージ喰らったよ、俺。
「・・・・・ナンデスカイ?コリハ?」
夕食の時間でございます。例のごとく、寮のメンバーが1階のリビングで食事を摂る・・・・・のはいいけど
「・・・・・ナンデスカイ?コリハ?」
「二度も言うな・・・・そりゃあ、こっちが聞きたいくらいよ・・・・・」
「・・・・・これはえらい激しいなあ〜〜〜・・・・・(苦笑)」
「そうですね・・・・・姉さん・・・・・僕と耕司さんの関係が激しいのと同じくらい激しいですよね・・・
これは・・・・・」
激しくない、激しくないよジョウイチロウクン?(汗)
アリスさん、麗奈さん、ジョウイチロウクンもさすがにコレを見た瞬間、顔色が変わった・・・・・
夏美、百合ちゃん、ミント、千里さんは平気な顔をしている・・・・・
「・・・・・おい、おっさん。なんであんた今日、夕食作ってねえんデスカ?コラ?」
原田のおっさんはとりあえずキモイが料理はうまい・・・・・けど今日のは・・・・・
「あははは♪仕方ないよ、耕司君♪だって、百合ちゃんに今日だけ料理当番譲ってくれたら小学生のパンチラ
写真くれるって言うからつい・・・・・ね♪」
「あははは♪お前、チョーサイテー♪」
・・・つまり、夏美と百合ちゃんがこの料理を作ったというわけデスネ。・・・いや、平気な顔してる千里さんとミントも関わったと見てまず間違いないだろう。・・・・・さて、今日のメニューについて説明させて頂く。まず、俺の目の前にある黒い物体(?)と黒い物体と黒い物体と黒い物体と黒い物体と黒い物体と・・・
・・あ〜、つまり全部黒い物体だよ!!!!!チクショー!!!!!(泣)
「・・・百合ちゃん?コレハナニカナ?」
「チョコです♪」
・・・チョコか・・・チョコね・・・夕食にチョコね・・・へえ〜、チョコ・・・チョコ・・・チョコね・・
・・・・・今、チョコっとシスターが欲しくなったよ・・・・・
「お兄ちゃん♪い〜〜〜っぱい食べてね♪今日はバレンタインデーだからね♪ボクと百合ちゃんとミンちゃんとちーちゃんが一生懸命作ったんだよ♪はやく食べてガッツリ食べてマッハで食べて〜♪」
「どうぞ、耕司さん♪いっぱい食べてくださいね♪それはもう、獣のように目を血走らせてはあはあ言いながら『うへへへへへ〜♪この辺を僕のお口でなめなめしちゃうよおおおおおお〜〜〜〜〜♪いひゃひゃひゃひゃひゃ〜〜〜〜〜♪』とか言いながら食べてくださいね♪」
・・・千里さん、そんな変態的な食べ方しませんから・・・・・
「・・・・・・・・・・耕司、食べて」
うっ・・・・・上目使いで俺を見てくるミント・・・・・・・・・・ハア、しゃあねえ頂くとするか・・・・
「・・・・・・・・・・どう?それ・・・・・ミントが作ったの」
「・・・・・ん、ほんのり甘くてうまい。ありがとな、ミント」
「・・・・・・・・・・そう(///)」
・・・・ほんのり赤くなってるじゃない・・・・・この子。やだ、かぁいい・・・・・
「・・・むぅ〜〜〜もう!おにいちゃ〜〜〜ん!ボクの作ったチョコも食べてよ〜〜〜」
夏美が頬を膨らませながら俺に自分で作ったチョコの入った皿を渡す・・・・・・・・・・ナニコレ?
「・・・・・なにこのピク○ンみたいな形したチョコ・・・・・」
「えへへへへ〜〜〜〜〜♪チョコでお兄ちゃんを作ったんだよ♪」
・・・・・これ、俺?俺なのか!?
「どう?おいしい?」
「・・・・・うまいけどすんげぇ複雑・・・・・ピク○ン喰ってるみたいでなんか複雑・・・・・」
「もぅ!!!ピク○ンじゃないよ!!!お兄ちゃんだよ!!!!!」
・・・・・自分の形したチョコを食べるのもなんだかなぁ・・・・・
「あ〜、耕司さん!!!私のも食べてください!!!」
今度は百合ちゃんが自分で作ったチョコを渡してきた・・・・・一見、普通な形したチョコだが・・・・・・
ガブッとな。
「・・・・・・・・・・」
「どうですか♪耕司さん♪おいしいですか♪」
「・・・・・・・・・・ナニコレ?」
「えへへへ〜〜〜♪おいしいですよね♪チョコの中に鯖を加える事によってチョコのほんのりした甘みと鯖の
脂身が相乗効果を引き起こしそれはもぅ、わんだふるべりしゃす〜な感じになりますからね♪」
「・・・・・いやチョコは単体で食ったほうがいい気がするんですが・・・・・」
・・・むしろ鯖を加えた事によってチョコの良さと鯖の良さを同時に相殺してるよな・・・・・コレ。
「・・・・・うぷ・・・村上・・・私もうお腹いっぱいだからコレ残りあげるわ」
「・・・・・あははは♪今日はバレンタインデーやからあげるさかい♪」
「・・・・・では、僕も愛を込めて・・・・・ちゅっ♪・・・・・はいどうぞ♪」
「・・・・・ジョウイチロウクン?今、そのチョコにチューしたよね?愛を込めちゃったよね?ねえ?ジョウイチロウクン?(汗)」
・・・・・結局、このチョコを全部俺が処理しなきゃあいけないのか・・・・・(汗)
こうして散々(?)なバレンタインデーの夜は過ぎていきましたとさ、めでたしめでたし。
・・・・・やっべえ、虫歯になりそう・・・・・