第33話『告白』
そろそろ過去編が本格的に動き出します
「・・・・・・・・・・」
・・・・・あれから雪美はあまり喋らないようになった・・・
・・・まださっきの占い師の女の言葉を気にしているんだろうか?・・・・・
『これから、ひと波乱ありそうだわ・・・・・・・・・』
「おい・・・雪美」
「・・・・・・・・・・」
「おい!雪美!」
「・・・・・・・・・・あ・・・コージ君・・・?どうしたの?」
「ったく・・・どうしたのじゃねえよ・・・さっきからお前どうしたんだ?ひょっとして、さっきの占いの事まだ気にしていたのか?占いなんか気にすんなって・・・自分の運命は自分で切り開いていくもんだろ?な?
元気出せって、まだ時間は十分あるんだ、いろんなとこ回って楽しもうぜ」
やべえ・・・今俺、自分でめっさイイコト言った気がする・・・・・
「あ・・・・・うん・・・そうだね」
・・・・・さっきよりは・・・少し元気出たかね?んじゃあ、今日1日楽しむとしますか。
俺達は午前中は主に新校舎のクラスの出し物を見て回った。メイド喫茶・・・お化け屋敷・・・人形劇・・・
etc・・・まあ、学園祭の定番の出し物だな。中でもメイド喫茶はすごかったな・・・だってあの・・・・・
エ○ジェル○ートのウェイトレスさんが着ているフリフリの制服みたいなのそこのクラスのみ〜んなが着て、
『いらっしゃいませ〜♪ご主人様♪』とかいって出迎えてくれるんだぜ?でも、まあそこのクラスの男子の奴もフリフリの制服着ていてかなりおぞましかったがな。だって色々モロ見えだもん。スネ毛とか!スネ毛とか!!スネ毛とか!!!んで・・・今俺は何をしているかというと、昼飯を買いに学園の中庭の出店に来た。
案の定、昼時のせいか出店に並ぶ人の数は多かった。こうして、ようやく昼飯を買い終え雪美が待っている
校門前までダッシュで走った。・・・そして、校門が見え雪美に声をかけようとしたとき・・・・・
ある見知った男が雪美と話をしているようだった・・・・・
その見知った男とは・・・・・そう、勇輝だった・・・・・
・・・・・しかし、あいつら・・・本当に仲良いよな・・・いっそのこと付き合ってみればいいのにな。
「おうおうおうおう・・・相変わらずお前らいい夫婦コンビだよな」
「こ・・・コージ君!?(汗)」
「おぉ・・・耕司・・・やっぱりそう見えるか?いやあ〜・・・勇ちゃん照れちゃう♪」
「こ・・・コージ君!!!こ・・・これは違うの!!!ううん!!!ぜ〜ったい勇ちゃんとはなんでもないの
!!!ねえ!!!信じて!!!コージ君!!!お願い!!!」
「お・・・・・おう?(汗)」
「そんなに全力で否定されると勇ちゃんがっくし↓ぐっすん・・・・・」
でも、いい絵になると思うけどな・・・バカップルみたいで。
とりあえず午後も適当に雪美と色んな所を回って楽しんだ。
そして、午後7時・・・
そろそろあたり一面が暗くなってくる頃・・・
「コージ君・・・・・2人で新校舎の屋上行ってみない?」
「?・・・・・まあ、いいけど」
・・・?雪美は何をするつもりなんだろう?
「・・・・・うお・・・・・」
「・・・・・どう?ここから見える景色はすごく綺麗でしょ?」
これはたまげた・・・・・
昼間とかは何の変哲も無い街一面がここから見えるわけだが・・・・・
夜となると別世界。
街灯やらなんやらの光ですごく街が綺麗に見える・・・・・
「・・・・・すげえ・・・・・」
「うふふ・・・・・でしょ♪私、この場所好きなんだ♪」
うむ、俺も普段は学校に来ているとき、ず〜っとここで昼寝をかましていたからな。
俺もこの場所は結構気に入っている・・・・・
「それに・・・・・コージ君と・・・最初に出会った場所だから・・・・・」
ちょうど下の運動場では学園祭の夜のイベントの『盆踊り』が行われているようだ・・・・・
この歳(※この頃まだ耕司達は中学生)でんな恥ずかしいことできるかってーの・・・・・
『盆踊り』で定番の曲(曲名は知らないが)が下からガンガン聞こえてくる・・・・・
「・・・ん?雪美?今、なんか言ったか?」
「えっ!?あ・・・ううん!!べ・・・別に何も言ってないよ!えへへ・・・(///)」
「?」
なんだ?雪美の奴、熱でもあるのか?やけに顔が赤いような気がするが・・・・・
「どうした?風邪でも引いたのか?保健室連れて行ってやろうか?」
「そ・・・そんなんじゃ・・・ないもん!!!(/////)」
?ますます、赤くなった気がするが・・・・・ますます、訳わからん。
「あっ・・・・・コージ君!コージ君!見て見て!」
「あ・・・?」
俺が昼間のように寝そべっていると雪美が突然ジャンプしながらはしゃぎ出した・・・
「ほらー♪見て見てー♪お星様が綺麗だよー♪」
「・・・・・あのな?雪美?俺達はもう子供じゃないんだからよ、そんなみっともないはしゃぎ方するなよ・
・・・・」
「ひ・・・ひどいよ!コージ君!!私、もぅ子供じゃないもん!!!立派なセクシーな女だよ!!!!!」
ほぅ・・・セクスィーね・・・・・
「ほう・・・・・じゃあ、お前もう生えたのか?立派なセクスィーウーマンならもうとっくに生えてるよなあ
?ちなみに俺はもう、もっさり生えている」
「え・・・・・(///)」
ぼんっ!!!(真っ赤になる)
ははははは・・・・・予想どうり面白い反応するなあ・・・・・
「ほら?どうなんだ?生えたか、ツルッツルか?どっちなんだ?」
「〜〜〜〜〜!!!!!(/////)」
「黙秘っつーことはツルッツルってことでいいんだな?」
「も・・・もぅ!!!!!コージ君のエッチ!!!スケベ!!!女の子にソンナコト聞くなんて最低だよ〜!
!!ばかばかばかばか〜!!!」
ぽかぽかぽかぽかぽか
「あっ・・・いていていててててて・・・・・めんごめんご!嘘だよ!冗談だヨ!!まだ俺は生えてないよ!
ツルッツルのテカテカだぜ!」
「そんなこと言わなくていいよ〜!!!ばかばかばかばかばかあ〜(泣)」
あいててててて・・・・・ちょっといじめすぎたかね?(汗)
「もうすぐ最後のイベントが始まるね・・・・・」
「ああ・・・そうだな・・・・・」
そう、最後の学園祭イベントは打ち上げ花火だ。なんとも、豪快だ。
「なんか・・・これで今年の学園祭が終わっちゃうのって・・・・・なんか寂しいよね・・・・・」
「・・・そうだな・・・」
うむ・・・正直、今までが楽しかった分、これで終わりとなると確かに少し寂しい気分になる・・・
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
・・・・・下ではもう準備ができて今まさに打ち上げようとしているところみたいだ・・・・・
・・・・・なんか・・・・・間がもたねえな・・・・・
「・・・・・・・・・・ねえ?コージ君」
「・・・・・・・・・・どうした?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
?・・・・・雪美は何が言いたいのだろう・・・・・?
「・・・・・バカな1人の女の子のお話を聞いてくれるかな?」
「・・・・・・・・・・ああ」
・・・・・俺はこの時、雪美の言っている意味がよくわからなかったがとりあえず生返事をした・・・・・
「・・・・・その女の子はね、すっごくバカで本当にどうしようもないくらいバカな子だったの」
「・・・・・・・・・・」
「でね・・・それが原因でクラスの人たちからイジメを受けていたの。毎日毎日・・・・・クラスの人たちからのイジメで心身ともにその子は疲れきっていたの・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「でね・・・もぅ・・・どうしたらいいか分かんなくなっちゃって・・・・・気がつけば学校の屋上のフェンスの外側で立っていたの・・・・・でも、その子はね・・・そんなことをする勇気もなかったんだ・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「そんなときにね、ひとりの男の子が来たの・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「その女の子が『来ないで!!!』って言ったの・・・・・でもね・・・・その男の子は・・・・・その女の子にこう言ったの・・・・・」
『生きろ!!!俺はお前が必要なんだ!!!お前がいないと俺はダメなんだよ!!!だから・・・!こっちへ来い!!!俺はお前が必要なんだ!!!!!』
「あはははは・・・・・すごいよね?その男の子まだ小学生だったんだよ?そんなませた台詞言える?・・・
でもね、その女の子はね、自分を必要としてくれる子がまだいたんだ・・・・・ってことにすごく・・・すごく・・・嬉しくてね・・・・・涙が出ちゃって・・・・・」
いつの間にか雪美の目尻から涙があふれ出ていた・・・・・
「あははは・・・でね・・・・・その日から・・・その男の子のことが忘れられなくてね・・・・・また、会いたいって思ったの。でもね・・・・・その子は・・・・・もう、転校した後だったの・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「でね・・・・・また・・・・・・数年後、再会したの・・・・・『幼馴染』として・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コージ君」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・ずっと・・・・・ずっと・・・・・あなたのことが・・・・・好きでした・・・・・
今も変わらず・・・・・ずっと」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・だから・・・・・・・・・・私と・・・・・・・・・・付き合って・・・下さい・・
・・・・・・・・」
はかなく大きく綺麗な花火が夜空に映し出されていた・・・・・