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番外編その33『スカート捲りはお好き?(前編)』

「なぁ、耕司……スカート捲りって男のロマンだよなぁ……」

「……はぁ?」

昼休み。

いつもながら机を向かい合わせで昼食を摂っていると、サルは人生に疲れ切ったバーコードおやぢのような表情でそんなことを呟いた。何だ?また、何かのビョーキを患ったのかコイツ。

「……ふむ、スカート捲りとな。しかしサル君、今の時代よもやそのような悪戯は時代遅れの象徴だと思うね」

俺の隣にいるメガネはサルのついったーに対し、メガネをクイッと直し、真面目な顔してそんなことを言う。

「うるせぇ馬鹿野郎……俺はなぁ、あの娘の布きれの中をこの邪気眼で堪能したいんだよぉ……はふぅ」

ビョーキじゃなくて只のいつもの変態発言だった。

「しかし、解せんなサル君。スカート捲りなど、只の女生徒の下着を拝むだけではないか。我々はそろそろ、一段階上のレヴェルを目指しても良いと思うのだがね。そう、例えば……『パンツ捲り』とか」

「それは一段階を優に飛び越えて、犯罪レヴェルに達するな。あと、我々って言うな。俺はお前らの仲間じゃねぇからな」

「メガネ、お前は何にも分かってねぇな。スカート捲りはな、素直な女の子を演出してくれる一種のアクシデントなんだよ。パンツを拝む事によって、素直になった女の子は自然と目の前で綺麗な桜色の花びらを拝ませてくれるようになるんだよ馬鹿野郎」

「お前も全然分かってないからな。あと、お前の発言ギリギリアウト」

はぁ……本当に何時まで経っても成長しないなこいつらは。

俺もあまり人の事を言えたものではないが、そろそろそういうエロ関係の話は卒業するべきだと思うんだ。

特にこういう衆人環視の中ではな。ほら、見ろよ……クラスの女子がものっそい眼力で此方を凝視しているじゃねぇか。つまりは俺が言いたいことはお前らのエロ発言で俺まで巻き込むな、ということだ。

「おい、耕司。何だそのふてぶてしい顔は……コノヤロウ、リア獣の余裕ってやつか?」

サルは俺が黙々と飯を食っているのが気に入らないのか、俺を睨み、そう言う。

「リア獣ちゃうわ。別に……俺は関係ねぇし」

「カンケーあるだろ!?オマエトオレ、ナカマ!オレトオマエ、ドウテイ!イッショニ、タノシンダ!」

「童貞っていう括りで仲間扱いするな。だいたいそれを言っちゃうとこのクラスの殆どの男子が当てはまるだろうが」

「そんな事は無いぞ、耕司キュン。我々のクラスの藤P君と隣のクラスのホモ子デラックスさん?が付き合っているという情報がある」

「あぁ、あの巨漢バカップルか……今朝、藤Pと喋ったけど、以前感じていた童貞フェロモンのにほいがしなくなったから、絶対もうナニをナニしちゃっているなアイツ。かぁ~!悔しいと思わねぇのか耕司!同じ童貞族として、情けないと思わないのか耕司!!」

「もう、お前らで勝手にしてくれ……」

俺はもう疲れたよ。コイツラを相手にするのも、されるのも。

途中から論点が微妙にずれて、スカート捲りと童貞喪失とどういう関係があるのかとか、ツッコむ気力もなくなった……。とにもかくにも黙々と目の前のエサを食うとしよう……。

「耕司君、ちょっと良いカナ?」

キャンキャン騒ぐサルとメガネを無視して、黙々とひたすらエサを食っていると宮子が俺の席に駆け寄ってきた。

「何だ宮子か……」

「何だとは何だよ耕司君!こーんな美少女が話しかけてきたのにそんな態度は無いんじゃないかなー?」

「自分で言うか……それより、俺に何か用か?」

「うん……えっとね、次の授業のノートを貸してほしいんだよ」

「……何だ、ノートって……お前、もしかして宿題やってないのか?」

「ど、どきっ」

「……その顔は図星だな」

「いっ、び、美少女にそんな事言うなんて耕司君のケダモノ!ゲテモノ!ひ、人でなし!(///)」

「何で、宿題の事でそこまで言われないといけないんだよ……いいよ、貸してやる。ちょっと待ってろ」

「は、早くしてよねっフンッ(///)」

……まぁ、別に良いけどな。

しかし、次の授業のノートは……机の中をゴソゴソ漁っていると、俺の反対側、つまりはサルが何やら目配せしてきた。……何か嫌な予感が。

「(ユー!ヤッチャイナヨ!)」

サルは視線を宮子のチェックのスカートに送り、次にパントマイムのような動作で何かをずり下ろすような動作をする。……何がヤッチャイナヨだ。もうそれはスカート捲りじゃねぇじゃねぇか。誰がやるかそんなもん。俺は否定の意味でしかめっ面で首を横に振る。

「(ユーノ、ヒミツ、ミー、ニギッテル!)」

……何だ、俺の秘密って。

「(オマエ、ロリ!ロリコンネ!ワタシ、シッテル!)」

「誰がロリコンだてめぇ!!!」ガバッ

「わっ、い、いきなり、どうしたの耕司君!?ろ、ロリコン?そ、それは前から知っていたけど……」

し、しまった。カッとなって……つい。

って、前から知っていた?そうか……宮子の中では俺はそんなキャラになっていたのか。

…………

そう考えると何か段々とむかっ腹が立ってきたぞ。

「(トニカク、ヤレ!ヤルンダ!オマエハ、コノタメニ、イママデ、ソシキニイカサレテキタンダカラナ!!)」

組織って何だよ。ヤーさんのドラマの見すぎだろ。

……別に、俺がこれからやることはコイツラの協力をするためではない。

単に、俺がムシャクシャしているから……それだけだ、それだけだからな……。

「ねー、耕司君ノートまだぁ?」

……変に手が滑ったとか、神風タイフーンだとか、言い訳はするつもりはない。

堂々と、真正面からやった方が男らしいからな……って、やる時点で男らしくは無いか。

とにかく……特攻あるのみ、だな。

「……宮子、最初に謝っておく。……ゴメン」

「えっ?」

俺の言葉に何の事か分からないのかキョトーンとしている宮子に隙を突いた俺は素早く両手を宮子のスカートにやり、ギュっと掴んで上げる。……さすがにサルがジェスチャーしていたスカートズリ下ろしは途中で引っ掛かるだろうし、一瞬の隙をつくとはいえ、無理がある……ていうか、やる勇気がない。要はスカートの中身を拝めればいいんだろ……?スケベボーイズ。

「「お、おぉおおお…………!!!!」」

正面にいたサルとメガネは声を上げる。

……もう一度言っておくが、こいつらのためにやった訳ではないからな。……あくまで、俺の意思だ。

さて、俺も……せっかくだし拝むとしよう。

…………

別に俺はスカート捲りに何て興味は無いんだからな。……あくまでも、参考に拝むだけだ。

そして俺は視線を宮子のスカートの中身にやった。

…………

紺色の、パッツンパッツンの、下……着……?

…………

……あぁ、これはもしかして、あれだ、あれ……。






「「「ナイスブルマ……!」」」






「……くそぉ、あの天然女、まさか下にブルマを装着していたとはな」

「ふむ、予想範囲内では合ったが……。しかし、サル君はいいじゃあないか……宮子君のブルマからはみ出た柔らかな尻肉を拝めたのだろう?」

「バカヤロー……耕司なんか真正面から股の食い込みを拝めたんだぞ……それに俺は下着もどきなんぞ興味ないんだ。下着……!下着なんだよ……!見える肌の部分は同じでもブルマや水着と下着とでは全然訳が違うんだよ……!!」

「……それより俺は後が怖い(汗)」

殴られはしなかったが……。

宮子が俺に向けて、笑顔で『……貸し、だね♪』とか言った瞬間、思わず背筋に寒気が走った……。

俺はもしかしたらとんでもない事をしでかしたのかもしれない……(汗)

「まぁ、これもそれも耕司のおかげだな。この調子で他の女生徒にも任務を遂行するぜ」

「ふざけんな、俺はもうやらんぞ。テメーらでやれ」

「そんなこと言うなよー、お前は見てるだけで良いからさ」

「そうそう、我々のゴッドハンドをその眼に焼き付けておくが良い」

……見てるだけでも俺も同犯になるような気がするんだが。

「じゃあ、次は誰にするメガネ?俺はなるべく、純情な子の方が良いと思うんだが……そういう子の方が見えパンとか穿いていないと思うし。なぁ、耕司もそう思うよな?」

「俺に話を振るな」

「……ふむ、しかしサル君。一つ大事な事を忘れてないか?」

「なんだよ?」

「我々は単に下着を視姦するだけが目的ではない……女子の羞恥心に彩られた、あのトマトのように真っ赤に染まった表情を観察するのが最終目的ではないのかね!?」

「……あぁ!?」

……確かコイツ、前にもそんな事言っていたよな。

すこぶる変態の極みだなコイツラは。

「よし……では、耕司キュン……まず君から次のターゲットは誰が良いか答えてもらおう」

「だから俺に話を振るなと……」

「耕司ぃ!そこは男らしくズバッと答えろよ!!」

サルが俺にすごい剣幕でそう言ってくる。

……むしろ、答える方が男らしくないような……いや、そこは価値観の違いか。

うーむ、次のターゲット、ねぇ……。

「…………百合ちゃん、とか?」

「あらやだ、この人ロリコンですわ奥さん」ひそひそ

「ほんと、もうこんな変質者がご近所で生息しているだけも恥さらしですわね奥さん」ひそひそ

サルとメガネは俺から少し距離をとって、ひそひそ話している。

こ、こいつら……思いっきり、しばきてぇ……。べ、別に俺はロリコンなどではない……。

単にふと脳内に思い浮かんだのが、笑顔の百合ちゃん……って、いかんな俺。これじゃあ只の変態だぞ。

「しかし、確かに百合たんの羞恥に染まった表情はそそられる物があるかもしれないね。しかし……ロリコン」

「あぁ……ロリ……コン……」

「うるせぇよお前ら!!俺を見ながらロリコンロリコン言ってんじゃあねぇよ!!!」

クソ、ロリコンにロリコンとか言われるのはめちゃくちゃ腹が立つぞ……。

だいたい、百合ちゃんは俺達と同級生なんだからロリコンとか言われるのはおかしいだろ……!見た目は……アレだけど。

「じゃあ、次は俺ね。麻美さんとかはどうだ?熟女のかほりって奴?すげぇコーフンしないか?はぁはぁ」

「お前、それ本人の目の前で言ったら本気で殺されるからな」

「ハァハァ……た、確かに。サル君の言うとおり……顔的に普通に出会い系の人妻っぽい顔しているしね、はぁはぁ」

「お前、それ本人の目の前で言ったら本気で殺されるからな」

「な?アリだろ?もしかしたらあの人の事だからスカートの下はとんでもない下着を身につけているかもしれないぞ……例えば、ガーター付きのショーツとかTバックとかフンドシとかノーパンの可能性も!……はぁはぁ、うっヤバイトイレに行ってもいいですか?」

「す、素晴らしい……実に素晴らしいよサル君!今すぐやろう!」

「おい、お前ら……一つ、いいか」

俺はコーフンしているサルとメガネに声を掛ける。

「な、何だね……耕司君。僕らのイケナイ行為を邪魔する気かね?」

「そうだ!もう、お前には頼らねぇぞ!俺達だけで……ヤル!」

「どうでもいいが、あの人だったら悦んで、いや喜んでやると思うぞ……」

「「えっ?」」

「むしろ、スカートだけでは済まないかもな……もしかしたら自分で下着を脱いで、笑顔で渡すくらいの事はするかもしれんぞ……いいのかそれでも?」

「えっ……それは、ちょっと……」

「さ、さすがに変態の僕でもドン引き……」

「……するからな、あの人ならそれくらい……いやそれ以上……」

「「…………」」

……どうやら分かってくれたようだな。

あの人はお前らが思っているような純情さなんか一ミクロンもないからな。痴女、むしろ逆レイープしてくるようなヤバ目の女だぞ……。前にちょっとした事で、自分で公開オ●ニーしようとした女だからな……。

「こ、今回は見送ろうかな……?」

「そ、そうだねサル君……ふはは」

……怖くなったなコイツラ。

まぁ、しかし正直それが正解だと思う。俺もまだ貞操は失いたくないからな……。

「し、しかし……じゃあ、それ以外なら」

「夏美たん、ミントたんは百合ちゃんと同じだし……。じょ、ジョウイチロウクンは……」

「おい!メガネ!気でも狂ったか!?それは肉棒持っている奴だぞ!」

いや、もう止めようぜ……?

俺、さっきの宮子で怖くなったし……な?いいだろ?もうその辺で?

「……いや、一人忘れていないかサル君。飛びっきりの……肉壷を持った女の子」

「飛びっきりの……肉壷だと!?」

…………

さっきからこいつらは……。肉棒とか肉壷とか……本当にギリギリアウトだぞお前ら。

ちょっとはこの小説がR15であることを考えろよな。あと、都知事さんのこととか。

「あぁ……その女の子とは……!」






「「アリス(たん)!!!」」






どうやら、今日は平穏無事に帰れないようですお父さんお母さん。

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