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第93話『生徒会長、八尾麻里の陰謀(前編)』

放課後の体育館、予想を斜め上を行く展開がそこに待ち受けていた。

体育館に行くと、そこにはとてつもない数の生徒が集まっていた……数百人にはいる。てっきり、うちのクラスの連中だけだと思ったが………半端ねぇ(汗)

「この衣装に着替えて体育館に入ってくださいね」

体育館の入り口で『生徒会』と書かれた腕章をした女生徒に何やら衣装の入った青のポリ袋を渡された。……生徒会の連中が絡んでいるということはこのイベント……絶対麻里先輩が中心になって絡んでいるな。とりあえず、面倒だがとっとと着替えて中に入るか……






「……何だ、このコスプレは」

俺が手にしたポリ袋の中に入っていた衣装………それはちょうど顔の部分だけが円状に空いている緑の全身タイツだった………えっ、ちょっと本当に何これ?すんげぇ恥ずかしいんですけど。それにポリ袋の中には衣装と一緒に『指令』と書かれた封筒が入っていた。その封筒の中身の内容は『会話する時は語尾に『クルリンパ』をつけなさい byかいちょー』だった。ふざけんな、誰が従うか。

「ギャハハハハハ!!!!!!お前、何それっ!?チョーカッコわりぃ姿だなっ!オイッ!ばいばいきーん!」

指を差しながら俺のコスプレを見てげらげら笑うサル。

「うるせぇ、お前なんかバイキ○マンじゃねぇか」

サルの姿は黒の全身タイツに頭にはバ○キンマン特有のオプションがついていた(触覚(?)のアレな)。つまりは俺のコスプレとキャラは違うが衣装のタイプは同じだった。だから、コイツに俺の姿を笑われるのはめっさムカつくんだが。

「バッカ、お前なんかチン○ルじゃん。ただのおっさんじゃんっ!妖精に憧れるただの中年じゃん!ばいばいきーん!」

「うるせぇ!バイキン!お前はクラスのバイキンみたいな存在なんだよっ!お前なんかバイで菌なんだよ!バイ菌!あっ、俺今うまいこと言った」

「なにぃ!お前何かただの中年のくせにメルヘンに走ってんじゃねぇよっ!現実をみろっ!現実を!ばいばいきーん!」

「お前もその『ばいばいきーん!』ってのは何だ!!!いい年してそんな幼稚なこと言ってて恥ずかしくないのかっ!」

「こいつぅ〜、ばいばいきーん!」

「しにやがれぇ〜、クルリンパっ!」

揉み合う俺とサル……そんな中、俺の背中をチョンチョンと指で誰かが突いてきた。振り向くとそこにいたのは……

「オニイチャン、ケンカハダメ、ダメダヨ」

「「………」」

「ケンカハダメダヨ、ジャナイト、ミクナイチャウ」

……青緑色のツインテール、そしてこの機械みたいな声………

「……上野じゃん。それ、初音○クのコス?なんでそんな機械みたいな声なんだ?」

「知らないよぉ〜〜〜ここに来たら、いつの間にかこんな格好に………う、うぅ〜〜〜」

夏美は目に涙を溜め頬を染めて、その場でモジモジしていた。

「おい、お前素に戻っているぞ」

「あッ、アゥ、アゥ、ト、トニカク、ケンカハダメダヨオニイチャン」

……律儀な奴。夏美はそのまま人混みに消えていった。






「ブラックサンダー!」

「ホワイトサンダー!」

「プリキュアの美しき魂が!」

「邪悪な心を打ち砕く!」

「「ふたりはプリ○ュア!!!」」

……何か向こうにすんごい変態な人達がいる………それにあの人達なんか毎日どこかで会っているような気がするのは気のせいだよな?うん、気のせいだ。そういうことにしておこう。

「お、おい……耕司、あれ……お前の寮のとこの、高宮(弟)と原田とかいうオッサンじゃねぇのか?」

「それを言うなぁあああああーーーーー!!!!!せっかく、思い出さないようにしていたのにっ!(泣)」

こ、このサルっ……!なんてフラグを立てやがったっ……!このガキッ……!殺すっ……今すぐ殺してやりたいっ……!

「なっ、何だよ?別に泣くようなことじゃないだろ………?正直あの姿は引くが」

「い、いいか……サル君。逃げよう、ここから」

「あっ、耕司さんじゃないですか〜〜〜♪」

おギャアアアアアアーーーーーー!!!!!!

もう、見つかったっ!結構離れていたのにっ!何でばれたっ!?

「何でばれた?みたいな顔してますね、エヘへ。当然ですよ、匂いでわかるんです。蜂蜜のようなほのかに甘い汗の匂い……クンクン」

「あの、すいません勘弁してください。クンクン匂い嗅ぐの止めてくれませんか?ジョウイチロウクン?ねぇ、ジョウイチロウクン?(汗)」

「あれ?耕司君じゃないか……」

原田のオッサンにも見つかった……そして、無情にもこちらへ駆け寄ってくる……スネ毛が、スネ毛な化物がこちらに迫ってくるよー……

「エヘへ、耕司さん。僕のキュアホワイト似合っていますか?」

頬をほんのり染め、その場でクル〜っと一回転するジョウイチロウ君………なんだろう、お兄さん何だかすごく悲しくなってきたよ。君がオスという運命に。

「に、似合っているんじゃないかと……(汗)」

「エヘ、そうですか?何なら触ってもいいですよ」

……どこを?ねぇ、ジョウイチロウクン?どこを触ればいいのかな?君は一体俺に何を望んでるのかな?(汗)

「いやぁ……やっぱりコスプレイはいいね、耕司君。この汚い世の中から解放された気分になるよ」

原田のおっさんは渋々とそんな事を語っていた。……お前は色んな物を解放しすぎだよ。スネ毛とか胸毛とかその他諸々。






「どうだい、二人とも楽しんでいるかい?」

今度は後ろからメガネの声がしたので振り向くと……あぁ、これは俺でも知ってるドラ○もんだ。しかしながら、よく見ると奴の姿はブリーフ一丁で全身の殆どは青と白のペンキで塗られており、首には鈴付きの赤色の首輪を装着し、鼻は赤のマジック、六本のヒゲは黒のマジックで書かれている。……これは果たしてコスプレといえるのだろうか……分からんが、一つだけ言える事。それは、奴の姿がリアルにキモイと言う事だ。

「……英男、それはもしかしてもしかしなくてもド○えもんのコスプレか?」

サルがメガネに問う。

「違うね、これは……ド○えもんのコスプレを装ってはいるが実は違う。その名も……『ヒデえもん』。過去からやって来たメガネ型ロボットだよ」

……メガネ型ロボットって何?『ヒデえもん』……か、本当にヒデえもん見せてくれるぜ……あっ、俺、今うまいこと言った。

「実は僕、二次元ポケット持っているんだ、のぶ太君」

「誰がのぶ太君だ。あと、二次元ポケットって只の萌えグッズなんじゃ……」

「全人類のパワぁあああああああああーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

ヒデえもんはそんな奇声を吐きながらブリーフの中に手を突っ込み何か物色し始める………何、そのワケのわからんギミック。そんなの本家にあったっけ?

「コ○ド〜…オウチッ!」

ヒデえもんは怪しげなグッズをブリーフから取り出し何か言いかけたが、後頭部を誰かに殴られそのまま倒れて気絶した。そのヒデえもんの後ろにいた人物は……






「アリス……」

その姿は昨日と同じ、かがみんのコスプレだった。俺の姿に気付くと何故かアリスは頬を赤く染め、もじもじしていた……何だ、この……ありえない光景は……

「うぁー、やっぱ可愛いよなぁ。アリスちゃんのかがみんコス」

……確かにサルの言うとおり、可愛い。それは文句なしに認めよう……ただ、やっぱり不思議でならないのだ。あのアリスが……今までツンツンしていたあのアリスが……アリスじゃないような……俺は普段と違う一面を魅せるアリスに困惑していた。……ツンデレっているんだね、現実リアルにも……

「だ、黙ってないで何とか言いなさいよぉ……(///)」

「うっ……」

胸を腕で隠し俺を下から覗き込むような体勢でモジモジするアリス……あぁ、俺、今まで生きてて良かったデス……じゃなくて何か言わねぇと……こ、ここは無難に……

「あ、あぁ……可愛……」

「特に羞恥の表情に加え、貧乳ってところがポイント高いよなっ!耕司っ!貧乳ツンデレサイコーーーーー!!!!!(笑)」

サルは俺が無難な台詞をアリスにメガネがでかい声でそんなことを言う。……余計な単語を……

「………ウフフ♪」

「……へへっ、貧乳サイコー」

ガシッ

アリスは無言でサルのバイキンマンのコスプレの触覚を(?)掴み、そのままどこかへ引きずっていく……

「あっ、痛っ、ちょっ、アリスちゃん、そんなに乱暴にしないでくれよぉ……へへっ、でもそんな貧乳ツンデレっ子にランボーされる俺、サイコー、ばいばいきーん」

サルはワケの分からん事を言いながらそのままアリスさんに引きずられどこかへ連れて行かれた……あいつ、終始笑顔だったな……気の毒に。生きて帰って来いよ。






「あっ、耕司君いたいた♪お〜い!こっちに来てよー」

……この声は宮子。俺は不安な面持ちで宮子の声のした方向へ移動する。

「あははは〜〜〜何、その耕司君のカッコー!ちょーウケルー(笑)」

「にゃはははーーーチン○ルじゃん、それっ!」

「あうぅぅ………(///)」

「………」

宮子に呼ばれてくると、そこには不思議なメンバーが集結していた。

俺に指を指しながら、爆笑する宮子と麻美先生。

頬を赤く染め、俯いている百合ちゃん、普段と変わらぬ沈黙を保つミント。

「あたしはセーラー○ーンの月野うさぎのコスしてるんだぁ〜〜〜えへへ♪」

……そういえば、そのコスプレ前にもしていたなお前。

「『月に代わって、お仕置きよ!』」

ピシッ!

宮子の持つ鞭が俺の背中を打つ。って、何故鞭っ!?

「いてぇ!!!てめぇ!このアマっ!何しやがるっ!!!」

「いやぁーん、犯されるぅー」

「「女の敵、女の敵ー!!!」」

宮子&麻美先生コンビが大声で俺に非難を浴びせる……こ、こいつら……い、いかん。ここで俺が怒ればコイツラの思う壺……冷静に、冷静に対処せねば……俺はコーヒーの違いが分かるアダルトなんだ。アダルティでジェントルメンなんだ。

「……こ、こほんっ……で?麻美先生の……その怪しげなコスプレは何ですか?」

麻美先生の格好は何故か黒のボンテージ姿に右手に鞭、左手に蝋燭、両手両足に鎖付の手錠を装備している……どこからどう見てもSMの女王にしか見えないのだが……こんなファッキンな姿のキャラいたっけ?ていうか教師がこんな格好していいのか?さらに何でコノヒトがこんなところにいるんだ?

「SMの女王のコスプレだぜーいぇーい♪」

「そのまんまじゃねぇか!痴女かお前はっ!!!」

「痴女で結構!そして、家畜なブタ野郎なテメェーはピーピー泣きなっ!」

ピシッパシッピシッパシッ

「あはははーーー月に代わっておしおきだぁーーー♪」

ピシッパシッピシッパシッ

「ぐぉ!?イテェ!!!コラッ!!!テメェらっ!!やめんかっ!!!」

「「アハハハハハハハハハハーーーーーーーーーー」」

宮子と麻美先生は俺をひとしきり俺をしばいた後、そのまま人混みへ逃げていった。くそう、鞭で打たれた背中がジンジンする……ミミズ腫れになってんなこりゃあ……イテテっ!くそっ!覚えてろよアイツラっ!

「うぅ……恥ずかしいです(///)」

百合ちゃんはその場でしゃがみ込み、恥ずかしそうに俯いていた。

「……百合ちゃん、何でそんなに恥ずかしそうにしてるの?俺には普通に可愛い女子高生にしか見えないけれど……ところで何のコスプレなの?それ?」

俺の目にはどう見ても普通の女子高生のコスプレにしか見えなかった。学園指定の制服では無かったけれど……そこまで恥ずかしい要素は特に無い。あの、宮子や麻美先生のコスプレに比べれば数倍、いや百倍マシだと思うが……

「……実は私、その……ノーパンなんです」

「ぶっ!」

俺は衝撃的な百合ちゃんの告白につい吹いてしまった。……え?ノーパン?何それ?おいしいの?

「な、何でノーパンなんだ……?」

「……実はこのコスプレ、咲っていう麻雀漫画のコスプレらしいんです……何でも封筒の中の指令って書かれた紙に『穿いてない』のがいいらしいのです………うぅ、耕司さん、あんまりマジマジと見ないで下さい……恥ずかしいです……(///)」

百合ちゃんは恥ずかしそうに顔を真っ赤に染め、瞳に涙を溜めながらそんな事を言う。……いや、何も書いてあったからってそこまで実践しなくても……(汗)し、しかし……あの華麗なスカートに下は……な、何も身に着けていない百合ちゃんのし、肢体が……ハァハァ、って何考えてんだ俺はっ!(汗)

「そ、そうなの。と、ところで……ミントは何のコスプレしてんの?(汗)」

俺は誤魔化すため、ミントに別の話を振った。

「………知らない」

「……ミンちゃんは長○さんらしいです……うぅ」

ミントの代わりに百合ちゃんがそう答えた。何故か居たたまれない気持ちになった俺は百合ちゃんとミントに軽く挨拶をしてその場を去った。それにしても……ノーパンか。麻里先輩……グッジョブ。






ーーーそれから数十分後。

体育館の電灯は消え、前のステージに明りが灯った。今まで、ガヤガヤワイワイ騒いでいた連中は突然の出来事に会話を止め、ステージに目を向けた。そしていきなりメタル系の曲が流れ始めた。うるせぇ……何で音の響く体育館でそんな激しい曲流してんの?麻里先輩の悪意が感じられる……あのチビ、今度会ったら絶対しばく。そんな事を考えていると数十分後、メタル系のオンパレードが終わった。な、長かった……そして、舞台の上についに……

「やっほー♪皆、注目ー♪」

麻里先輩の陽気な声が響いた。カオスな格好をした麻里先輩が舞台に立っていた……

チ○クル(ゼ○ダの伝説)……耕司

バイキン○ン(アンパン○ン)……サル(慎也)

初○ミク(VOCALOID2)……ツインテール幼女(夏美)

キュアホワイト(ふたりはプリ○ュア)……ジョウイチロウクン

キュアブラック(ふたりは○リキュア)……原田のオッサン

ヒデえもん(?)……メガネ(英男様)

かがみん(らき○すた)……貧乳ツンデレっ子 (アリス)

月野うさぎ(セーラー○ーン)……天然系燃焼系(宮子)

SMの女王(?)……麻美先生

宮○咲(咲-Saki-)……幼女その2(百合)

長○有希(涼宮ハ○ヒの憂鬱)……幼女その3(ミント)

???……幼女その4(麻里先輩)


……まだ、増えるかもしれません。

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