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第92話『過程や方法なんぞどうでも良いのだァー!結果が大事なんだよ、うん』

高宮学園生徒会会長、八尾麻里が提案した一週間後の学園祭の出し物、それは……

『参加型大規模コスプレ喫茶』なるものであった。

「何ですか……それ」

「うむっ!耕司君よく聞いてくれたっ!んじゃあ、メガネ君説明よろ〜♪」

麻里先輩、あんたが説明しろよ………

「ふむ、『参加型大規模コスプレ喫茶』とは………皆で気持ち良くなる喫茶店のことさ」

「……ごめん、君の言っている意味が何一つ理解できない」

「……モグモグ、つまり何だ?普通のコスプレ喫茶は店員がアニメや漫画のキャラクターのコスプレをすることで客に夢と希望と愛と欲望を提供するのに対して、その参加型大規模コスプレ喫茶は店員だけでなく客にもそのコスプレイを楽しんでもらおうという画期的な喫茶店のことか?」

サルは口をモゴモゴさせながらそんなことを口走った。

「「その通りっ!」」

麻里先輩とメガネはグッと親指を立てた。

……どうでもいいけど、サル。あのメガネの説明からそんな詳しいヒント読み取れたか?

「見事大正解を果たしたサル君には、会長直筆サインをプレゼントしちゃう!世界に1つしか存在しないからねぇ、大切にしろよ!色男〜」

麻里先輩はサルに色紙を手渡した……色紙にはミミズみたいな、ひょろひょろっとした、つまりはとてつもなく汚い字で『やおまりちゃん』と書かれていた……うん、色々と突っ込みたい事はあるのだが、とりあえず自分のフルネームくらい漢字で書けよ。

「いらね」

ヒュー

サルは色紙を手にした瞬間、色紙を放り投げた。色紙はブーメランのように回転しながら偶然にも教室のゴミ箱に吸い込まれていった………

「にゃああああああああああーーーーーあちしの直筆サインーーーーー!!!!!」

ちょっと面白かった。






「で、麻里先輩……その、参加型大規模コスプレ喫茶のことで質問があるんですが」

「にゃ〜……なんだい」

麻里先輩は気落ちしたような様子で俺の声に耳を傾けた。

「それ、わざわざ体育館使ってやることなんですか?」

「フフ、耕司キュン。このイベントは体育館を使ってこそ真価を発揮すると、そうは思わないかね?」

メガネは俺と麻里先輩の会話に横から割り込むようにそう答えてきた。

「何でだよ、こんなもん教室でもできんだろ」

「ふむ、しかし……耕司キュン、体育館は広い。しかも、この学園の体育館はよその学園と違って特別広い。そんな広い場所で………大勢でコスプレ、開放的な気分になるだろう?」

「………なるのか」

なったとしてもその開放的な気分とやらとコスプレがどう関係しているんだ。

「なるさ、そして……開放的になった女の子が最終的に行き着く地点は………胸の高鳴り。『あ、あれ……わ、私、ど、どうしちゃったんだろ……?』」

……ん?あれ?何かおかしくない?あとなんで女子限定なんだ?

「最初の内は気付かない……だが、それもほんのひととき。周りにいる欲望に満ちた男子生徒らが自分のあられもない姿を凝視している……『い、嫌っ………は、恥ずかしいよぉ〜……うぅ、で、でもっでもでも!何なの……?この……胸の高鳴り……』彼女は気付き始めている、己の羞恥の感情と奥に潜むもう一つの顔……そう、それは……『そ、それに……あ、あついよぉ………身体中が、火照っているみたい……あッ(///)』そして、ある局部に違和感。それは……そう彼女の愛……」

「コラコラ待て待て!何かものすっごい180度方向に話が脱線しているからな!途中からただの官能小説の序章みたいになってんじゃねぇか!」

「ムッ……人の話は最後まで聞くものだよ、耕司キュン。せっかくこれから面白くなっていくのに………」

「……ちなみに、そっから先はどうなっていくんだよ」

「体育館で乱交パーティって最高だよね?な話」

「最低だよっ!お前もう死ねよっ!」

コイツの話を真面目に聞いた俺がバカだった!!!ここは麻里さんに………






「ん〜、ポロリやすいしね」

「アンタもかっ!!!お前らは欲求不満かっ!!!」

「ほら、看板のすみっこにちっちゃい文字で『ポロリもあるヨ』とか書いとけばいっぱい男の客くるし。入場料も取るし、もうクラスガッポリしっぽり儲かっちゃうねっ!あちしってもしかして天才っ?!」

「学園の風紀を取り締まる立場にいるはずの人間が風紀を乱すようなことしていいのかよっ!しかも入場料までとんのかよっ!アンタはこの学園を風俗か何かにする気か!」

「おあつらえ向きに、このクラスには幼女に、ツンデレに、天然系に、美少年に、クール系の女の子でより取り見取りだしねっ!色んな種類を楽しめるねっ!にゃははっ!」

「あんたは地獄に落ちろっ!」

本当に何トチ狂ったこと言い出すんだこの人は………どうでもいいけどその中に美少年を入れるのはどうかと思う………誰の事か言いたくもないけど。

「まぁ、嘘だけど。ホントのこと言っちゃうと、ぶっちゃけ適当に決めたことだし」

「ぶっちゃけるなよ………」

そういえばこの人……本来、演劇部とかブラスバンド部が使用するはずの体育館を会長特権(という名のわがまま)を駆使して2日目の午前中まるまる確保したんだよな………こんな台詞、連中が聞いたらどうなることやら………地獄絵図、まさに地獄絵図。……考えただけでも恐ろしい(汗)

「なぁ、耕司?いいんじゃねぇか」

今までほとんど口を出さず聞いていたサルは俺にそう言った。

「何でだよ………」

「いや、実際もう俺達に残された時間はねぇし……大掛かりなことはできねぇじゃん?」

「コスプレ喫茶とやらも充分大掛かりと思うんだが………」

コスプレの衣装も用意しなきゃいけねぇし、何より喫茶店に必要なものをそろえにゃならんしな……

「コスプレの衣装は僕が用意するから安心してくれたまへ」

メガネがそう言った。……むしろお前だと安心できないのだが………それに、皆の意見は聞かなくていいのかよ……

「あちしの意志はクラス全員の意志なのさっ!」

ジコチュー……

「んじゃあ、今日の放課後に体育館集合ねっ!誰が何のコスプレやるか決めるからっ!じゃっ、そゆことで♪耕司君とサル君とメガネ君はクラスの皆に伝令よろしくにゃ〜〜〜」

そう言うと、麻里先輩はスキップしながら教室を立ち去っていった………いいのか?こんなんで?(汗)






おまけ

流留ちゃん「……と、奴らのクラスは参加型大規模コスプレ喫茶とかワケのわからん出し物をするらしいぞ?美亜君」

美亜「……何でいちいち私にそんな事を報告するんですか副会長……キモイですね。ストーカーですか貴方は?」

流留ちゃん「す、ストーカーって……ひどいなぁ、美亜君(汗)いや、何、特に奴らのクラスは問題児が多いからね……生徒会の一員として見逃すわけにはいかないだろう?美亜君」

美亜「その生徒会のトップが問題のクラスに加担していますけどね」

流留ちゃん「う、うぐっ……そ、それを言われると………でも美亜君!流留ちんちょっとプンプン!なのですぅ〜」

美亜「キモッ、死んでください。それと、さっきからというかいつも副会長は私の事を下の名前で呼んでいますが、止めてくれませんか?それ?親しくも無い人に下の名前で呼ばれるなんて気持ち悪いです。それとも、副会長は私が貴方の事を気にしているとでも……?ますますキモイですね。そんな自信過剰な副会長にちょっぴり殺意が湧いてきました、ちょっとザックリやっちゃってもいいですか?」

流留ちゃん「そ、それはちょっと、り、理不尽じゃないかな?美亜君?(汗)」

美亜「まぁ、冗談はそれくらいにしておいて早く仕事を進めましょう副会長………冗談は副会長の存在だけで充分ですから」

流留ちゃん「えっ……僕、冗談でここに存在しているの?(汗)」

美亜「副会長は空気のような、居ても居なくても別に支障をきたさない、すっきりとした裏表の無い人ですから」

流留ちゃん「……美亜君?僕の事……嫌いなの?ぐっすん(泣)」

美亜「別に……敢えて言うなら、『嫌いではない』かと……」

流留ちゃん「またまたぁ〜〜〜このっ!このぉ〜!美亜君は素直になれないツンデレさんだなぁ〜〜〜」

美亜「………………」

流留ちゃん「……調子乗ってすみません(汗)……ははっ、と、所でもしコスプレをやるとしたら美亜君はどんなのがいいかな?」

美亜「特にありませんが。私、アニメや漫画は見ませんし」

流留ちゃん「う〜ん……露出の多いキャラと言えば………ラ○ちゃん、み○るちゃん、ユ○ア100式ちゃんetc……この中だとどれがいい?美亜君?」

美亜「………………」

流留ちゃん「……いや、マジ調子乗ってすいませんでした………あはは、じゃ、じゃあ、僕がコスプレやるとしたらどんなキャラクターがいいかな?アニメや漫画に拘らず、何でもいいよっ!」

美亜「………ガチャ○ン、ですかね」

流留ちゃん「それ、コスプレじゃないよねっ?!(汗)」

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