第二話 1年前の出来事
~1年前~
此処はとある森の中、魔物討伐のクエストを受けて、魔物の討伐をしていた。
シン「はあああああ!!!」ザシュッ
魔物「グァァァァァァァ!!!???」ブシュー
シン「ふー、まぁこんなもんかな?」
シンは剣を鞘に収め、髪の毛をいじる。
勇者シン
金髪ヘアーで金色のカチューシャ、上は青の半袖、下は茶色の半ズボン、黒い甲冑は体だけでその背中には赤いマントがある。
魔王を倒すために冒険を続けている勇者、と言えば聞こえは良いがそれを鼻にかけて色々と問題を起こす。
その勇者がもう1人のメンバーに怒鳴る。
シン「おい!無能!さっさと回収しろ!」
ルーク「おいおい、回収って無理を言うなよ」
曲芸師ルーク
黒髪黒目で首に赤いスカーフを巻き、
白いローブを纏い
黒の長ズボンを履いている。
因みに靴はブーツだ。
シン「はあ?てめーの様な無能をわざわざ使ってやっているんだぞ?勇者パーティにいられる事に感謝しろよ!このゴミ!」
そう言って地面を蹴り顔に泥がつく。
ルーク「............兎に角、これを全て回収するのは無理だ、せめて討伐した証だけだ」
そう言ってルークは魔物の一部を剥ぎ取り、袋に入れる。
シン「たくっ、つくづく使えねぇなぁ」
ルーク「.....だったら他の仲間と一緒に行けば良かったろ?何で俺なんだよ?」
そうやって悪態つくとシンは青筋を立ててこちらを見下す。
シン「はあ?ゴミが逆らうんじゃあねぇよ!」
ルーク「グフッ!?」
そう言うとシンはルークを思いっきり蹴る。
シン「テメーが!ここに!いられるのは!誰の!お陰か!考えろ!無能!」ゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッ
サッカーボールの様に弾まないのが気に入らないのか何度も何度も蹴ってくる。
白い服が汚れてしまうが、ただの曲芸師が勇者に勝てる訳が..........ない……
その為この酷い仕打ち、もといストレス発散が終わるまでは耐えるしかない。
シン「たくっ、つくづく腹が立つヤローだ、ぺっ」
ルーク「っ!?」ぴちゃ
シンの吐いた唾が顔に当たる、とても腹が立つが耐えるしかない。
ルークが耐える理由それは、片想いの相手である同じパーティメンバー、マイの為だ。
元々このパーティはルークとマイの2人のパーティだった、しかし勇者シンは同じパーティだったユキが俺達と幼馴染だと知り、無理矢理パーティに入ってきたのだ。
その後、武者修行の旅に出ていたもう1人の幼馴染みシャインも仲間に加わり、5人のパーティとなった。
そして勇者がリーダーの方が良いと勝手に決めつけてリーダーとなり、彼女達にちょっかいを出していた。
ルーク(魔王を倒すまではこいつはこのパーティにいるつもりだ、俺がマイと一緒に逃げても……)
恐らくついてくるだろう、彼は自分のハーレムを作りたいのだ。
ルークの幼馴染み達は皆美人だ、それは村の中でとかではなく、いろんな国々を回ってきたが、彼女達ほど綺麗な女性はいなかった。
だからこそ、シンは彼女達を狙っているんだ。だからこそルークはひたすらに耐えてきたのだ、好きな人と結ばれるために。
そうやって今日も1日なんとかなったと思っていたが……
シン「フフフッ」ニヤ
違っていた……
ルーク「……何笑ってんだよ?」
体全身が痛むが、なんとか立ち上がる。
先程からシンはニコニコ笑いながら、此方を嘲笑うかの様に見てくる。
シン「いやぁ別にぃ」
とても腹が立つが耐えるしかない、そう思っていたのだが……
次の言葉で……ルークの中の何かが崩れた。
シン「ただ早く宿に戻って彼奴らを抱きたいなぁってなぁ」
ルーク「…………彼奴ら?」
やめろ!聞いてはいけない!
心の中の声が叫びながら聞かない様に言ってくる、しかし体は自然と聞く態勢になっていく。
シン「あ?決まってるだろ?」
駄目だ!聞くな!聞いたらお前は………..!!!!
シン「マイ達に決まってるだろ?」ニヤニヤ
ルーク「………は?」
その言葉を聞いた瞬間、幼き頃の記憶が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
彼女ならきっと大丈夫、こんな屑男に靡かない、そう思っていた。
いや、そう思いたくなかったんだ、自分の好きな人が、こんな最低最悪な男といることなんてあり得ないと。
シン「お前は知らないと思うけど、皆お前のことが嫌いなんだよ」
放心状態のルークを見ながら勝ち誇った様に話し続ける。
シン「本当はお前に見せつけながらヤりたかったが、彼女達が嫌だって言うから仕方なく別の宿に行ったりしてヤってたんだぜ?」
そう言えば夜な夜な4人が時間を置いて部屋から出るのを見ていた………信じたくなかった。
シン「今じゃ彼奴らとヤらなかった体位はなかった程に毎晩抱いてやったからなぁ」
そう言ってシンはルークの目の前まで行き
シン「そう言うことだから.........」
シン「今日でテメーはクビだw」
シンはケラケラ嘲笑いながら、森から出て行く。ルークはそのまま放心状態のまま暫く経ち...............
ルーク「..............ちくしょう........ちくしょう.........!!!」
ルーク「ちくしょうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
ルークの叫び声が、森の中を木霊する。膝から崩れ落ち、泣き崩れる。
信じたかった、好きだった、小さい頃からずっと..........ずっと.......!!!
だから同じパーティになってくれたことは死ぬほど嬉しかった。
けど........彼女は変わってしまった、いや彼女達.....だ........
もう.......どうでも良い.........
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宿に戻ると彼女達がいた。
ルーク「...............」
しかし彼女達はルークに気付くことなく、ずっとシンと楽しく話していた。
ルーク(まぁ、俺よりもそっちの方が良いんだよな)
そもそもルーク自身も曲芸師の力で気配を消している為気付かれることがないが、それでも...........
ルーク「心配くらい...........してくれよ」
ルークはそのまま2階に上がり部屋に入る。
そのまま布団の中に入り、これからの事を考える。
ルーク(もう、奴らにとって俺は邪魔者..............なら........)
明日の朝、早朝にはこの街から出よう。
そう思ったルークは手紙を書き、眠った。
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~早朝~
彼らはまだ眠っている、どうせ昨夜も布団の上で交わっていたのだろう。
ルーク「さようなら、俺の初恋、さようなら哀れな俺」
そう言ってルークは自身の紅いスカーフを手紙と共に置いた。
このスカーフはルークの.....いや幼馴染み達の小さい頃からずっと巻いてきたものだ。
だがそれも、彼女達は汚す道具として使っていたのだろう、そう思うと吐き気がしてもうスカーフを巻こうとも思えなくなった。
そうやって彼女達との思い出も捨て、ルークはこの街から去った。
その後、1人で旅を続けて、昔救った街に行き、そこで皆に何が起きたのかを話し、ここで暮らすことになった。
(勇者の評判は悪いが、ルークの評判は良いため、ルークは信頼されている。)
そして1年という月日がたったのだ。
もう彼も大分立ち直り、徐々にだが前へ進むことができるようになった……。しかし
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