第四十四話『神の卵芽から生まれし世界の秩序を告げる者』
「あれは!」
奥に進み目の前にみえてきたのは、巨木のような装置、あの過去視でみたロトスだった。
「ここがなぜわかったのです......」
そう、そのそばに座っていたのは、かなりの傷をおったギルフェドだった。
「ギルフェド、いったいなにをしようとしている。 お前はこの村の出身者でミルソダスへの復讐を企んだのか」
「......ミルソダスへの復讐。 確かに私はこの村の出身、しかしミルソダスに、復讐などするつもりもない。 ミルソダスの王にロトスのことを話したのは私だからだ」
「なんですって!? そんなことをすれば!」
「ああ、当然対立していたミルソダスは恐れ欲しがり、欲望のままにこの地へと兵をすすめるでしょう」
「それがわかっていて、わざとミルソダスに......」
「そうです。 とはいえ教えたのはレセーラの【卵芽】だけだがな。 そして奴らはレセーラをうみだした」
「......アンノーンを生ませるためにか」
「ええ」
「自分のふるさとを犠牲にして、なんで!」
「ふるさとが、自分を愛するとは限らないでしょう。 ここのものは私たちを異分子として迫害した。 自分達が迫害されているものたちなのに......」
「その復讐でここを滅ぼさせたってこと......」
カノンがいうと、ギルフェドは首をふった。
「......ちがいます。 どこまでいっても人というのは変わらないということです。
過去かは現在にいたるまで、いえ、ありとあらゆる場所で、人は我欲に侵され罪を引き起こす」
「そうかもしれない...... でも、それは」
「仕方ないことですか...... そうですね。 自分に降りかからなければそういってられたれたのでしょう。 だから変えることにしたのです。 これを使って」
そう懐から魔皇石と、聖神晶をとりだした。
「そんなことをしても無駄だ。 あなたの傷は深い、もう......」
「ふっ...... かまいませんよ。 ロトスさえ無事ならば」
「ロトス、魔力を集めは人の願望を叶えるもの。 なにを叶えようというんです」
「世界の秩序...... アンノーンたちと同じことですよ」
「アンノーンたち、彼らは一体」
「彼らは人の願いを叶える神の代行者、いえ未完成の神」
(未完成の神...... レセーラは平等、ジャスティスは正義、マルティナは治癒、これは......)
「彼らは人の望みし神、三柱神。 他のものたちも神を望む人が作り出したまがいもの」
「それで人々の幸せや使命といっていたの」
「だけど、もう、全てのアンノーンはいない......」
「いいえ」
そう否定するとギルフェドは二つの魔力結晶を掲げる。 するとロトスが開き中に巨大で透明なアンノーンがあらわれた。
「なんだ、これは......」
「これは秩序の神、コスモス、最後にして完全な神となるアンノーン」
「秩序の神...... フォルフォスタはこれをつくりだしたのか」
「フォルフォスタまでしっているとは、あなたは何者です...... ロトスは世界から、いえ星ぼしにいたるすべてから魔力を吸収する」
(やはり、これのせいでディルさまが魔力を奪われてるのか)
「使用にかかるその膨大な魔力消費はこの世界に多大な影響を与えるため、彼らも使わなかった。 だが今なら魔力が満たされている...... さあ、目覚めよ。 コスモスアンノーン...... わが命も魔力とともに吸い尽くせ!」
ロトスにいたアンノーンの目が光る。 すると魔皇石と聖神晶とともにギルフェドは光の粒子となってコスモスアンノーンに吸い込まれていった。
「......我はコスモス、この世界に秩序をなすもの......」
そうアンノーンがいうと、透明な体が光をはなつ。
「くっ...... まずい!」
「どうするの! こんなやつ!」
「......落ち着け」
「ディルさま!」
ディルさまがカレンの背中からおりた。
「なるほど...... わらわの力を奪っていたのはこの者か」
「ディルさま! どうするつもりですか!」
「わらわが決着をつける...... そなたらはよく働いた」
そう微笑んだ。
「ディルちゃん!」
「ディルさま!」
「......不明な魔力存在を確認、秩序を乱すものと認識、排除が必要」
「やってやるわ! くるがよい!!!」
アンノーンの目が光ると、その場に閃光がはなたれ、全てが光にきえた。




