第四十一話『 名もなき国家、封印された半島への案内人』
「なるほど、ロトスという装置...... それが魔力を使い願望を叶えておるということか」
ディルさまがそうつぶやく。
「それを奪い取ったものが、この国を滅ぼしたのですの」
「ギルフェドたちはそれをもってるのかしら」
「かもしれない......」
(そのロトスがディルさまの魔力を奪っている元凶か。 それなら誰かが起動させたということ、それがギルフェドやアンノーンか......)
「やはり、はやくその装置を見つけないと」
「ただ、どこにあるかはわからぬ」
「他に古代人につながる場所もないですの」
(あのとき、聞いたのは...... 独裁国家、グランダ...... 裏切り者は本国といっていた。 それならグランダを探せば)
ぼくたちはラルギスにもどる。
「グランダ......聞いたことはないな」
ラルギス王は首をかしげる。
(ラルギス王はとても古代のことにも詳しい方だ。 その方がわからないとなると......)
「王よ」
高官が部屋にはいってくる。
「どうした?」
「マルーク教国、ワルシャーン最高司教から手紙とこの書が送られてきました」
そう王に箱にはいった手紙と書をわたした。
「ふむ、なるほど...... ディル様にこの書をお届けするようにと、古代の書物らしいです」
そう書をディルさまにわたした。
「これは......」
「なんですか?」
「ザイーグ半島にあったとされる名もなき国家を記したものだな」
「ザイーグ...... それは【非人】の......」
「非人?」
「遥か昔から蔑まれてきた部族ですの。 ザイーグ半島に生活圏があり、迫害されて来ましたですの」
「ああ、そこに古代人の国家があったとされているな......」
「......だが」
「ええ」
王とリヴァルドさんは顔を見合わせる。
「どうしたんですか?」
「ザイーグ半島はミルソダスの領土だ。 かつてミルソダスが彼らとの抗争のすえ滅ぼしたという」
「あのミルソダスが...... では今は」
「ミルソダスの情勢がわからぬからなんとも......」
「いくしかないな」
「しかし、ミルソダスは統率する王もなく、各勢力が派遣を巡って争っている状況、とても危険です」
ディルさまにラルギス王がいう。
「確かに、あのときもそんな状況だったわね。 はいっても戦闘に巻き込まれるわよ」
「半島なら海から入ればどうですか?」
「うむ、そうだな。 しかしザイーグ半島はかなり険しい地にあるといわれている。 そこからたどり着くのも困難だろうな...... 案内役でもいればよいが」
「私がいきます!」
そういったのはメルディ姫に預かってもらっていたリドミラだった。
「私はザイーグ半島にすんでましたから......」
「それじゃリドミラは非人か...... いやすまぬ」
王はあやまる。
「いえ、かまいません。 すこしでもトールさんたちのお役に立ちたいんです」
「わかった。 一緒にきてくれる?」
「はい!!」
ぼくたちはザイーグ半島へとむかった。
「水着と日焼け止めが欲しい」
「なぁ」
「お肌が焼けちゃうですの」
船上で三人は寝転んで、バカ話でお菓子をつまんでいる。
(デジャヴだ。 それにしてもこのバカ三姉妹はこの状況でよく、平然としていられるな。 恐怖心とか緊張感とかないのか。 ないんだろうな、全員あわせて知力が人の平均以下だもんな)
リドミラもあきれたような顔でみている。
「リドミラ、すまないね」
「いいえ、トールさんたちにはみんな助けてもらったので、なんとかお役に立ちたいんです」
「それで、非人とはなんなんだ?」
「ええ、その名前のとおり、人に非ず。 モンスターのように人々から排除されていたそうです。 とはいえ、数年前ミルソダスが攻めてきたとき、私の母と外の世界の貴族の父は外にでたのです」
「なぜそんなことに......」
「わかりませんが、ミルソダスとは長年対立にあったそうです。 しかし前の王が突然攻めいってきたのです」
「やはり古代人と関係あるのか?」
「わかりませんが、禁忌とされた大樹がありました。 そこへは誰も立ち入ることは許されませんでしたから......」
「禁忌の大樹...... か」
(それが古代人に関係するのか)
「あそこから村に入れます。 私はこの入り江から小舟で脱出しましたから」
そう小さな入り江を指差した。




