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第四十話『砂に眠る記憶、ロトスを巡る裏切り』

「ぐ......」


 落ちたアンノーンの体はかなりの損傷をしている。


「なぜ魔皇石ディープストーンを狙った、集めた魔力をどうするつもりだ」


「しらぬ...... 我は人々に正義を指し示すもの...... ただその使命に殉じただけ......」


 そういってアンノーンは事切れた。


「使命か......」


「こやつはもう一体のいなくなったアンノーンなのか」 


「ええ、姿が幼かったので多分そうでしょう......」


「すまぬな。 我らがいながら、ふがいない」


「さすがに二体のあの化け物相手では騎士団ですら歯が立たなかった」


「二体、しかたありません、王さま。 一体ですらあの強さです。 ぼくが魔皇石ディープストーンを海のなかにおいておいたほうがよかったのかもしれません。 そのせいでご迷惑をおかけしました」


「いいえ、トール。 いずれあの魔皇石ディープストーンも奪われたのですの。 一体でもアンノーンを倒せたのは幸運ですの。 彼らは間違いなくなにか大きな企みをしているですの」


 メルディ姫がそういい、王さまとリヴァルドさんもうなづいた。


「そうね。 あとギルフェドとレセーラよ。 何をしようとしてるのかはわからないけど、みつけ出して倒しましょう」


 カレンがそういって剣をにぎる。


「......魔力を集めて、何をしようとしておるのか...... アンノーンたちは使命といっていた。 古代人になにか使命を与えられたのか......」


 ディルさまはそうつぶやく。


(確かに、マルティナも使命といっていた)


「ラルギス王、他に古代人に関する場所や伝説に心当たりは?」


「ふむ...... かつて【フォルディスタ】とよばれる古代国家があったぐらいしかしらぬが......」


「フォルディスタ...... それは今どうなってるのですか?」


「この世界最大の砂漠、【バスター砂漠】になっている」


「それならそこにいくしかあるまい」


 ディルさまがいった。


「我らは各国に連絡をして、兵の準備を整えよう。 あのものたちが何をしてくるかはわからぬが、世界を巻き込むことは間違いない」


 そういうとラルギス王とリヴァルドさんは動き出す。



「ここがバスター砂漠か。 確かに砂以外なにも見えないな」

 

 ぼくたちはバスター砂漠へとやってきた。


「世界最大の砂漠で、オアシスなんかもないから、人もすめないらしいわ」


「あちぃ......」


「あついですの......」


 ディルさまとメルディ姫がそういった。


「これでも温度調整してるんですよ。 でなければとっくに熱中症で倒れてます。 それにメルディ姫はなぜついてくるんです。 城にいろといわれてたでしょう」

 

「この世界が大事なとき、城でまってなどいられないですの」


「はぁ、それでディルさま魔力は?」


「感じぬな......」


「やはりか、透過させても地下にはなにもないな」


「本当にアンノーンはここにいるの?」


 カレンは首をひねる。


「わからない...... ただ何かをしようとしてるなら、古代人に関係する場所、おそらく魔力装置がある場所で行うはず......」


「まあ、そうよな。 やつらが古代人につくられたのは間違いないからのう」


(そう、ディルさまの魔力消費とも関係があるはずだ。 でもそんな大量の魔力をつかって一体何をしようとしているんだ......)


 調べ回ったがやはりなにもでてこない。


「やはりなにもないか...... アンノーンもいないし、記憶をしらべよう」


 ぼくは修正者コレクターで過去を調べる。


 高速で映像が巻き戻っていく。


 巨大な都市が見えてきた。 辺りは緑が多く、豊かな大地だった。


(大きい、今までみた都市で最大だな。 周囲に森もある。 これが滅んだのか。 ここからみるか)


 そこを透過させる。 人々が大勢いた。

 

(人も多いな。 ただやはり貧富の差はおおきい。 スラムと都市部でわかれているな。 ここもテロかなにかで滅んだのか。 あそこは......)


 中央にある巨大な塔のような建物がある。


 そこをみてみると、最上階に巨大な木のような装置があった。 そこには高位の高官のような人たちが円卓のテーブルで会議をしていた。


(なんだ木...... あれは、みたことがないな。 それにこの人たちはおそらく国の高官か)


『......まさかしられたのか』


『ええ、我が国の繁栄がこの【ロトス】によるものだと、各国が非難しており、技術の開示をもとめています』


(この木のような装置はロトスというのか......)


『......これはそんな都合のいいものではないというのに...... 最悪、国を滅ぼしかねない。 我々も扱いに苦慮し、使用を停止している』


『ああ、しかし、各国は対立している。 信頼ない今の状態で話して通じるのか。 やはり隠すのがいい』


『そうだな。 それに【グランダ】のような独裁国家もある。 そこに伝われば、かの国が軍事や人々の支配に利用するのは明白、渡すべきではない』


『そうだが、このまま、各国の不信感が高まれば争いは拡大する。 ならばロトスの破棄を考えるべきでは......』


『うむ、これは最悪、世界を滅ぼす。 破壊を行うべきか』


 皆が賛同した。


『それはこまりますね......』


 一人の高官がたちあがる。


『なにをいっている議会で決まったことだ』


『これは世界を救う唯一の方法としてアンノーンとともに考えられたもの』


『しかし、実際にはそんなことは実現不可能だと結論がでたであろう』


 立ち上がった高官が手を上げると、部屋に武装したものたちがなだれ込む。


『貴様!! なんのつもりだ!!』


『これは、私の発案。 返していただく』


『なにを...... ぐはっ!』


 武装した兵士がその場にいたものたちを惨殺した。


『よし、この塔を制圧後、ロトスを運び出す。 本国に都市への破壊命令を伝えろ』


 裏切ったであろう高官はそう指示した。


 そのあと装置は運ばれ、そして...... この都市は消えてなくなった。

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