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第三十八話『死せる大地に眠る都市、凍った知性と謎の中心へ』

「これが、魔皇石ディープストーンですの」


 そう、物珍しそうにメルディ姫は魔皇石ディープストーンを見ている。


 ぼくたちは魔皇石ディープストーンを預けるため、ラルギスにきていた。 


「ふむ、それではこの魔皇石ディープストーンはわがくにで預からせていただく」


「はいお願いします。 それで他になにか伝説がある場所はないですか」


「北方にあるベソネス山脈に、古代人がつくった遺跡があるという話がきている」


 そうリヴァルドさんがいった。


「北か」 


「かつて古代人の都市があったという伝説がある...... しかし人もはいらぬ豪雪地帯、別名死せる大地」


「死せる大地...... だが、そこしかないなら、いってみましょう」


 ぼくたちは北方の大地、ベソネス山脈へと向かった。



「ううぅぅ、さむぅ」


 ディルさまが真っ白になり、ふるえている。 ぼくたちはベソネス山脈の吹雪のなかを歩いている。


「防寒しててもこの寒さなの......」


「し、しかたない。 休憩して温度をあげましょう」


 近くの岩場で修正者コレクターで周囲の温度をあげる。


「その力をつかいながらじゃ無理なの」


「これでも周囲の空気を変化させつつ歩いているんだ。 ただ周囲はものすごい温度変化で間違ってぼくが凍ると、みんな凍死するから慎重に使わないと。 動きながらじゃ大幅な変化は無理だよ」


「それは、だ、だめだな...... なにか食べ物を」


 ディルさまは凍えている。


「ちょっと待ってください。 背中のリュックに大量の物資をもって......」


 リュックを開けると、震えているメルディ姫がはいっていた。


「何してるんですか!?」


「わ、わたしも、ついて、いぎたぐで...... さ、さむいですの......」


「気づかなかったの?」


「筋力を増やしてたから......」


 取りあえず残っていた物資で食事をとる。


「ふぅ、なんとか生き返った」


「あやうく死ぬところですの」


「さすが死の大地ですね。 さすがに、ギルフェドたちでさえ、ここにはいるのは無理なのでは」


「しかしあのアンノーンだ。 外皮から考えてこの寒さに耐えてもおかしくはなかろう。 それに古代人の都市、なにかアンノーンについてわかることがあるかもしれん」


 そういいながらディルさまとメルディ姫はお菓子の取り合いをしていた。 



「さ、さむぅ......」


「寒いわ」


「はやくいくですの!」


 メルディ姫がリュックからそういう。


「その場所をかわれ! わらわは聖女だぞ!」


「いやですの! 私は王女ですの!」


 ディルさまとメルディ姫はいつものようにいさかいを起こしている。


(知力低い同士のいさかい......)


「さすがに私ははいれないわね」


(カレンもはいるつもりだったの)


 ぼくたちは休憩を挟みつつ先へと進んだ。 


「あれは......」


「都市だな」


 ぼくたちの前に凍りついたような大きな城塞都市が見えてきた。



「ひっ!!」


 メルディ姫がリュックにかくれた。 


 そこには氷と化した人間がいた。 


「古代人か......」


 そこここに凍った古代人がいる。


「たったままなんて、一瞬で凍りついたみたい」


「ふむ、そのようだな」


「でも、なんだか豊かではなそうですわ」


「確かにこんな城塞都市や金属船をつくれるのに、ここの建物は貧相で今とかわらないな」


 ぼくたちは都市をあるく、しかしある場所を境に一変する。 そこは高層の建物が立ち並ぶ大都市の様相を呈していた。


「近代のような都市ね。 でもさっきとはちがう」


「ええ、ここの人たちは向こうとはち害とても、裕福そうですの」


 そうメルディ姫がいうように、ここは先ほどと世界がちがうようだ。


「ディルさま、魔力は?」


「いや、全く感じぬ」


「外れね......」


「でも古代の都市だから、なにかアンノーンについて調べよう」


 ぼくは透過させ建物の中をみせた。 ある瞬間を切り取ったようにその場で全てが止まっていた。


「これ戻せませんか?」


「無理だな。 数百、いや数千年は凍っておる。 もはや手の施しようもない」


「なんでこんなことに......」


「わからないですの。 ですが中央にいくにつれ氷の厚さが厚くなっているように見えますですの」


 メルディ姫のいうとおり、都市の中央が厚い氷におおわれている。


「あれは......」


 中央に大きな建物がある。 そのなかを透過すると、なにかの施設のようだ。


「あそこまでいきましょう」 


 氷の密度を下げ砕きながら、中央の建物へ向かう。



「ここは......」


 建物は様々な装置があり、モニターのようものがあるが、ひどく損傷している。 なにかが爆発したかのようだ。 


「でも電源もなにもないわね」


「うん、そういう技術じゃないみたいだ。 それに完全に壊れている。 ここから情報はえられないな。 過去をみてるしかないか」


「大丈夫か。 かなりの時間をさかのぼるんだぞ」


 心配そうにディルさまがいう。


「ええ、片目での記憶捜索なら問題ありません」


 ぼくは修正者コレクターをつかい、過去をさかのぼった。


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